| F1チームだけあって開発スピードは速く、白紙から5週間で完成 |

フェラーリはこれまでにもコロナウイルスと戦う医療関係者向けに様々な支援を行っていますが、今回は「人工呼吸器を開発した」と発表。
この人工呼吸器はF1はじめモータースポーツ部門を統括するフェラーリのレース部門、すなわちスクーデリア・フェラーリによって「白紙から5週間で」開発されており、信頼性が高く、汎用性があり、組み立てやすく、使いやすいことが特徴。
そしてこのプロジェクトは「F15」と命名されていて、イタリアン・インスティチュート・オブ・テクノロジー(IIT)との共同開発により実現されています。
フェラーリは対コロナウイルスを積極的に支援
なお、フェラーリは3月14日から工場操業の停止を(5月4日まで)行っていますが、いち早く医療関係者ほかを支援した企業の一つ。
人工呼吸器のバルブを製造し供給しはじめたほか、モデナ地区の財政支援、自社の従業員の安全を確保するための「バック・オン・トラック」など様々な活動を行っています。
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フェラーリ”F15”はこうやって開発された
そして今回のF15について、この開発スタートはIITからの連絡を受けてスタートしたもの。
人工呼吸は数量そのものが不足している上、もし手に入ったとしても扱いが難しく、よってこの問題を解決できるパートナーをIITは探しており、その要望に応えることができたのがスクーデリア・フェラーリであったというわけですね。
そしてスクーデリア・フェラーリは持ち前の迅速な行動力、そして(吸気や排気に関する技術をフルに駆使した?)ノウハウを惜しみなく発揮することでこの「F15」を開発した、とのこと。

そしてこのF15は、上述のとおり「信頼性が高く、汎用性があり、組み立てやすく、使いやすいこと」を目標に設計されており、かつ既存の人工呼吸器に比較するとコストがぐっと安いことも特徴。

さらに設計図、ソフトウエア、必要なパーツ、技術要項などはすべて無償で公開されており、だれであっても、どの機関であってもF15を現地で安く組み立て、そして使用できるように配慮されている、とアナウンスされています(すでにイタリアはもちろん、アメリカやメキシコでもF15の生産に動いている)。

このF15に大きく関わったのはスクーデリア・フェラーリにてシャシー・エンジニアリングを監督するシモーヌ・レスタ氏、F1イノベーション・マネージャーであるコラード・オノラート氏だと報じられ、そのほかにもフェラーリ各部門からの応援によってプロジェクトをやりとげることが可能に。
自身の持てる技術を、たとえ本業とは異なる分野であっても人助けのために役立てるのは素晴らしいことであり、そしてフェラーリの本社所在地の近くにはランボルギーニやマセラティ、パガーニもあって、それぞれがコロナウイルスと戦う人のために支援を行っているわけですが、もし「フェラーリとランボルギーニとが手を取り合って何かを作る」ことがあったらもっとイタリア国民の心が一つになったかもしれない、と思ったりします。
VIA:Ferrari