| この装着方法と動きはまったく予測できなかった |
さて、今日はフェラーリ・テスタロッサの「ちょっと特殊な」シートベルト装着方法を紹介したいと思います(テスタロッサがこういったシートベルト構造を持っていることは全く知らず、情報をいただいた。感謝です)。
なお、テスタロッサとはそのまま訳すと「赤い頭」という意味ですが、フェラーリの場合は「レッドにペイントされたエンジンヘッドカバー」を指しています。
「赤いヘッドカバー」はかつての250TRや500TRにも採用されており、この「フェラーリ・テスタロッサ」にも名称とともに用いられることになりますが、現在フェラーリはその商標権を手放してしまい(権利を更新しなかった)、この名がフェラーリに採用されることは二度となさそう。※それ以降のフェラーリのヘッドカバーが基本的にレッドにペイントされることになったため、この名称が特別ではなくなったのかも
フェラーリ・テスタロッサのシートベルトはこうやって装着する
そしてこのフェラーリ・テスタロッサのシートベルト装着方法があまりに特殊というか奇抜。
まず、ドアを開くと「何か(白い矢印の指すパーツ)」がルーフ内側からAピラー内側にかけてサーっと走ります(これだけでも、すでに「え?」という感じ)。
そしてそのパーツがAピラー根本でストップ。
https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/50007192003/in/dateposted-public/クルマに乗り込んだ後は、センターコンソールにある突起物(白い矢印部分)をつまんで引っ張り出し・・・
Aピラー根本にまで移動したこのパーツに装着します。
そうすると当然、こんな感じでシートベルトが「ビローン」となって邪魔くさいことこの上ない状態に。
さらに、シートの左横からもう一本のベルトを取り出し・・・
シート反対側にあるバックルにカチャっと差し込みます。
その後おもむろにドアを閉めると・・・。
このAピラー根本のパーツが・・・
ニョーンとAピラー内側を走って・・・
ルーフあたりでピタっとストップし、これで上半身の固定が完了。
つまりテスタロッサのシートベルトは「上半身固定用」と「ウエスト固定用」の二本が存在し、それぞれ別に装着せねばならないということになりますが、なぜこういった仕様となっているのかは不明。
(これは北米仕様のテスタロッサのみだと言われるので)おそらくは「最初はウエスト固定用ベルトの一本だけで合法だったものの、後に法規が変わって上半身固定用ベルトも必要になり」、しかし構造上(現代の自動車のような)構造を持つ、上半身とウエスト両方を一度で固定できるようなシートベルトを装着できず、やむなくこういった特殊な仕組みを採用したのだろう、と考えています。
ほかにもこんなに。ちょっと特殊なシートベルトを持つクルマ
なお、世界にはちょっと特殊なシートベルトやその装着方法を持つクルマがいくつかあり、たとえばレクサスLFA)のシートベルトは世界初のエアバッグ内蔵シートベルト「エアベルト」を採用していますね。
見た感じは「太いシートベルト」といった印象ですが、ジェレミー・クラークソンは「装着が面倒」と語ったことがあります。
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ちなみにランボルギーニ・ムルシエラゴのシートベルトは「リアバルクヘッド中央」から生えており、ちょうど普通のクルマと「逆」方向。
こちらはメルセデス・ベンツやベントレーなどの大型クーペによくある「オートマティックシートベルト」。
https://www.youtube.com/watch?v=OmX15zM-G58