| 「911ターボ」というとGTカーのイメージが強かったが |
さて、独カーメディア、Sportautoが新型(992)ポルシェ911ターボSがをホッケンハイムサーキットにて走行させ、1:47.8という好タイムを記録。
新型911ターボSはこれまでの911ターボ同様に「技術の見本市」状態となっており、先代911ターボSから70馬力も出力が向上したうえ、「ライトウエイトパッケージ」が設定されるなど大きな話題を呼んでいます。
なお、ポルシェ911には「ターボ」「GT3」という2つのトップレンジが存在しますが(GT2は別格)、ターボについては様々な革新的な技術を盛り込むなど「足すことで」速さを追求したモデルであり、GT3については不要なものを削り取って磨き上げるという「引くことで」速さを追求したモデルだと捉えています(近年では、GT3にも様々なデバイスが盛り込まれていて、この限りではないけれど)。
新型ポルシェ911ターボSはこんなクルマ
まずスペックから見てみると、エンジンはおなじみ3.8リッター水平対向6気筒。
これをツインターボにて加給することで640馬力、800Nmという途方も無いパワーとトルクを発生します(先代911ターボSは580馬力/750Nm)。
トランスミッションは8速PDK、駆動方式はもちろん4WD、そして0-100km/h加速は2.7秒。
ドライバビリティを向上させるためにトレッドが拡大されていて、そのためボディ幅はフロントで1840ミリ、リアで1900ミリ。
トレッド自体はフロント42ミリ、リア10ミリ拡げられ、装着されるフロントタイヤは20インチ(255/35)、リアタイヤは21インチ(315/30)と前後異径を採用しています。
なお、エアロダイナミクスの向上により、ダウンフォースは最大で100キロ増加している、とのこと。
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ホッケンハイムで1:47.8はどれくらい?
そこで気になるのが、「1:47.8」というタイムがどれくらいなのか。
これまでにもSportautoは様々なスポーツカー/スーパーカーにてタイムアタックを行っており、その結果、そして他メディアのタイムアタック結果をまとめると下記の通りです。
マクラーレン・セナ・・・1:40.8 ポルシェ911GT2 RS MR(改造車)・・・1:43.5 マクラーレン720S・・・1:45.5 フェラーリ488ピスタ・・・1:45.90 ポルシェ911GT3 RS(改造車)・・・1.46.00 シボレー・コルベットZR1(改造車)・・・1:46.75 ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ・・・1:47.30 ポルシェ911ターボS・・・1:47.8 ラディカルRXCターボ・・・1:48.00 メルセデス・ベンツAMG GT Pro・・・1:48.00 ポルシェ918スパイダー・・・1:48.50 ランボルギーニ・ウラカンEVO・・・1:49.00 ポルシェ911GT2 RS(991)・・・1:49.10 ポルシェ911GT2 RS(997)・・・1:49.50 ポルシェ911ターボS・・・1:50.00 マクラーレン600LT・・・1:50.20 メルセデスAMG GT R・・・1:50.50 ポルシェ911GT3 RS(991)・・・1:50.78 ランボルギーニ・ガヤルドLP570-4スーパーレッジェーラ・・・1:51.00 フェラーリ458スペチアーレ・・・1:51.44 シボレー・コルベットZ06・・・1:51.70 アウディR8 V10パフォーマンス・・・1:52.20 |
これを見ると、無改造状態の(991世代)911GT2RSを上回るタイムを記録しており、「相当に速い」ということがわかります。
ポルシェのいう「最新のポルシェは最良のポルシェ」を見事に立証したということになりますが、今後登場することになる911GT3系、そして911GT2RSについても大きな期待がかかりますね。※オプションの「ライトウエイトパッケージ」を装着有無は不明であるものの、もし未装着であれば、これの装着によって、もっといいタイムが出るということになる
なお、ここで驚かされるのはフェラーリ488ピスタのタイム。
現時点で(改造車を含めると)市販車におけるニュルブルクリンクのトップタイムを誇るポルシェ911GT2RS MRに3秒もの差を付けており、ピスタの名(イタリア語で”サーキット”)はダテじゃない、というところですね。
なお、マクラーレンとフェラーリは公的にニュルブルクリンクはじめサーキットでのタイムアタックを行わないものの、これらのタイムを見る限りでは、準備を整えて記録更新に臨むならば、「ニュルブルクリンク最速」にも手が届くことになりそうです。
参照:sport auto