| 生産期間はわずか2年、生産台数は500台、それまでのフェラーリとは大きく異るデザインが特徴 |
優雅な曲線を捨て、ウェッジシェイプと角張ったスタイルへとシフト
さて、RMサザビーズが開催したオークションにて、1972年製フェラーリ365GTC/4が201,250ユーロ(日本円で約2650万円)で落札されることに。
このフェラーリ365GTC/4は365GT2+2の後継モデルという位置づけであり、1971年のジュネーブ・モーターショーにて発表されています。
ボディデザインはピニンファリーナによるもので、美しいクーペスタイルを持ちながら後部座席が確保されていることが特徴ですが、この後部座席は「小さな子供しか座れないサイズ」だったといい、しかしバックレストを倒すことで広大なラゲッジスペースが出現し、けっこう使い勝手がよかったようですね。
ちなみにフェラーリ365GTC/4は、1969年にフィアットがフェラーリから市販車部門の経営を引き継いだのちはじめて発売されるV12モデルで、1972年までの短い生産期間の間に500台が生産されています。
このフェラーリ365GTC/4は現在までに2オーナー
この車両は1972年5月にイタリアのオーナーへと納車され、その後1996年に今回の売り主であるムッシュー・プチジャンが購入したと紹介されていますが、走行距離は30,597kmとさほど多くはなく、しかし正常に動作させるにはメカニカルな修理が必要とのこと。
ボディカラーは「ブルー・オルティス」と呼ばれるネイビーで、ボディパネルはスチール製、しかしボンネットとトランクフードはアルミニウムが採用されて軽量化が図られています。
全長は4,550ミリ、全幅は1,780ミリ、全高は1,270ミリ、ホイールベースは2,500ミリ、車体重量は1,450kg。
フロントでは、ブラックのラバー製バンパーと、その中に格納されたドライビングランプがデザイン上の特徴となっています。
リアだとやはり片側3連テールランプが特徴的。
フェラーリ365GTC/4のインテリアはこうなっている
そしてこちらはフェラーリ365GTC/4のインテリア。
この個体にはブラックレザー(ペッレ・ネラ・コロゴ・レザー)が使用されていますが、フェラーリのクルマとしては珍しくシート中央にチェック素材を採用したクロスを選ぶこともできたようですね。
なお、内外装や機関、ボディは「レストアされていない」つまりオリジナルの状態を保っているといい、それが今回の高額落札に結びついたのかもしれません。
メーターの状態はなかなか良好。
パワーステアリング、エアコン、パワーウインドウが標準装備されており、当時はかなり「先進的」なフェラーリだったのだと思われます。
搭載されるエンジンは「コロンボ」V12、排気量は4.4リッター、出力は320馬力。
組み合わせられるのは5速マニュアル・トランスミッション、もちろん駆動輪は後輪のみで、最高速度は公称値で260km/hだとされています。
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参照:RM Sotheby's