
| 見たところ、296GT3のエアロパッケージは488GT3 EVOを踏襲しているようだ |
果たして488GT3シリーズを超えることができるかに注目が集まる
さて、フェラーリはつい先日、ジャーナリスト向けに296GTBのレビューを解禁したところですが、今回は296GTBのレーシングバージョン、296GT3のイラストを公開。
この296GT3は激戦区である「GT3」カテゴリにおいてポルシェ筆頭にマクラーレン、ランボルギーニ、アストンマーティンとしのぎを削る事になりますが、当然ながらGT3ではハイブリッドの使用が現在許可されていないので、エレクトリックモーターを取り除いて2.9リッターV6ツインターボエンジンみで戦うことになります(3.9リッターV8ツインターボへのスワップはないようだ)。
ちなみにロードバージョンの296GTBだと、そのガソリンエンジンの出力は663馬力となっていますが(これにエレクトリックモーターの167馬力を加えてトータル830馬力)、この296GT3の出力がどの程度となるのかは不明です。
レーシングカーも「過去へのオマージュ」
なお、ちょっと面白いのは、フェラーリが「296GT3のデザインは、過去のフェラーリ製のレーシングカーからインスピレーションを受けたもの」だと述べていることで、もともとの296GTBの”オマージュ元”はもちろん、いくつかのレーシングカーからデザインが受け継がれることになるもよう。

ちなみに250LMは「250GTOをミッドエンジンに改造したレーシングカー」で、しかしFIAから「GT選手権に参戦するための」ホモロゲーションを取得することができず、よってル・マン24時間レースへと(プロトタイプとして)参戦していますが、1965年のル・マン24時間レースでは、ワークスチームによる330P2がリタイヤする中で最後まで走り続けるという健闘を見せることになり、ついにはN.A.R.T.チームから出走した21号車がチェッカーフラッグを受け、ル・マンでの9勝目そして6連勝をフェラーリにもたらしています(これがフェラーリによるル・マン24時間レース最後の総合優勝となる。御存知の通り翌年からはフォードの独壇場となった)。

そして今回公開された296GT3のスケッチを見ると、フロントには大きなスプリッターとカナードを備え、これは現行のフェラーリ製GT3用レーシングカー、488GT3 EVOと共通するデザインを持つもよう。
サイドステップ、リアウイングも488GT3 EVOのエアロパッケージによく似ているものの、フロントフェンダー上の(エア抜き用の)ルーバー形状が大きく異なり、上の方に張り出すととともダウンフォースを発生させるための折返しが設けられています。
なお、今回のスケッチにはドアミラーがありませんが、当然ながら実車には488GT3 EVO同様のドアミラーが装着されることになりそうですね。
参考までに、フェラーリ488GT3そして後継モデルの488GT3 EVOは770戦中429勝をあげ、かつ107ものタイトルを獲得するという華々しい活躍を見せており、現時点での「フェラーリにおける、もっとも成功したレーシングカー」。
296GT3は488GT3 EVOの成功体験を取り入れたエアロパッケージを持つものの、シャシー、そして何よりそのエンジンが完全にリニューアルされており、488GT3/488GT3 EVOの戦績にどこまで迫ることができるのかが要注目となります。
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参照:Ferrari