| これで驚くのはまだ早い。フェラーリF40のレーシングカー、F40 LMは約10億円で取引されたことがある |
しかしながらこのフェラーリF40は今回のオークションでは「最高値」
さて、この5ヶ月の間に3回も売りに出され、なかなかオーナーが定まらなかった”グリジオ・ナルド”にペイントされたフェラーリF40。
今回バレット・ジャクソンが開催したスコッツデール・オークションにて、なんと2,750,000ドル(約3億5800万円)で落札され、今回のオークションにて落札されたクルマではもっとも高価な一台になった、とのこと。
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いったいなぜ?同じフェラーリF40が5ヶ月の間に3回も売りに出される。あまりのハイパワーぶりに乗りこなせる気がしないのか・・・
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このフェラーリF40はこんな背景を持っている
このフェラーリF40は、1989年に新車としてオランダのフェラーリディーラー、クロイマンズ・オートモーティブに「普通の」フェラーリF40として納車され、しかしその3年後には同ディーラーのレーシング部門である”カヴァリーノ・チューニング”によってレース用にコンバートされています。
その内容としてはイントラックス社製の新型レーシングショックアブソーバー含むサスペンション、スタック製のメーター、レーススペックのブレーキ装着、ボディワークの変更(当時のボディカラーはイエローだった)といったもの。
その後にはオランダのブラリクムにあるダッチ・レーシング・プロモーションに売却され、フェラーリ/ポルシェ・チャレンジ・シリーズに参戦してますが、近年ではモータースポーツに参戦した経験のある車両が高く評価されており、今回のF40の落札金額もそういった背景を反映した結果なのかもしれません。
なお、この「グリジオ・ナルドにペイントされたのはモータースポーツから引退した後のことで、塗装を担当したのはイタリアの著名なレストア専門会社であるザナシ・グループ(ICONAシリーズやテーラーメイドの塗装も手掛けている)。
ちょっと面白いのは、モータースポーツに参戦していた時代には(レギュレーションの関係もあってか)エンジンはノーマルのまま、しかし参戦を終えた後に(フェラーリのレーシングカー製作を手掛ける)ミケロットがエンジンに手を入れ、ノーマルの471馬力から平時で700馬力へ、そしてセットアップ変更によって1,000馬力を発生するまでにチューンされたこと。
インテリアも「モータースポーツ仕様」となっており、助手席こそ備わるものの、カーペットはなく、内張りも最小限となっています。
今回このフェラーリF40を落札した人物の身元は明かされておらず、しかし願わくば長期的にこの車両を保管し、ガレージクイーンとなるよりも、ときにはイベントなどに持ち出してその姿を披露してほしいものですね。
ノーマルでさえコントロールが難しいと言われるF40を1,000馬力にまでチューンしたクルマなので、そうそう気軽に乗ることは叶わないかもしれませんが、このクルマがまた新しいオーナーを探しに現れないことを祈るばかりです。
希少車の高額落札は今でも続いている
なお、コロナ禍に入ってから腕時計や暗号資産が大きく値上がりし、同様に「投機対象である」クラシックカーや希少車の価格も大きく上がったものの、腕時計はピークから30%以上も値下がりし、暗号資産も数分の一というレベルにまで価値が下がってしまったのですが、クルマに関してはむしろ相場が上昇しており、ブガッティEB110やポルシェ・カレラGTなどはその筆頭。
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今回のスコッツデール・オークションでは、フォードGTカーボンシリーズが132万ドル、2005年式ポルシェカレラGTが159万5000ドル、1966年式シェルビー・グループIIマスタングが77万ドルにて落札されており、今後もまだまだ「クラシックカーや希少車がアツい」ということを感じさせます。
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参照:Barrett-Jackson(Facebook)