フェラーリが突如スペシャルモデル「J50」を発表。
これはフェラーリの日本展開50周年を記念するもので、わずか10台のみが製造される限定車です。
ベースとなるのは488スパイダーですが、これはフェラーリ(マラネロのデザインセンター)と日本の顧客との間でデザイン案がやりとりされながらプロジェクトが進められた、とのこと。
日本側の意見が色濃く反映されるとは聞いてはいたものの、まさかのコンセプトカー的ルックスで正直驚きを隠せない状態。
デザインイメージは1970年代〜1980年代におけるフェラーリのロードカーで、488スパイダーが持つリトラクタブルハードトップの代わりにカーボンファイバー製の2分割ルーフパネルを装備しています(取り外した後はシート後方に収納可能)。
ヘッドライトは「横長」となりこれは現行のフェラーリとは大きく異なるものの、サイドエアベントやブラックのラインは288GTOやF40/F50を連想させるもので、テールランプはF430のように「4灯」を採用し、ホイールはスター形状をモチーフとするなど、各部もやはり過去のフェラーリ製ロードカーを思い起こさせるデザインに。
電動開閉機構を採用しなかったことでエンジンが見えるようになっているのも「J50」の特徴ですが、ブラックのロールバーがタルガバーのような部分の「下をくぐって」リアセクションにつながるデザインは秀逸で、リアディフューザーやテールパイプはジェット機のスラスターを意識したという通り、相当にアグレッシブな形状となっています。
インテリアは外装ほど(標準モデルからの)変更はないように見えますが、ブラックレザーとレッドレザー、そしてアルカンタラとの切り替えが優雅かつスパルタンな雰囲気を出していますね。
エンジンは488スパイダー同様の3.9リッターツインターボですが、+20馬力の690馬力に。
加速性能や最高速度は公表されていませんが、加速性能については電動ルーフを排した分軽量と思われるため、488スパイダーの「3秒」を切るのでは、と考えています。
全体的には今までに発表されたワンオフモデルや458MMスペチアーレに比べてもその変更範囲は広く(ドアミラーまでも専用)、かつオリジナリティに溢れるもので、最近(中国重視ばかりで)日本はフェラーリにないがしろにされていた感があっただけに、「フェラーリがやってくれた!」という喜びを感じさせてくれるモデルです。
これだけ過去のモデルへのオマージュが盛り込まれ、かつこれらが日本側からのリクエストだとしたらフェラーリも日本のファンの情熱を再度認識してくれるとは思われますが、マラネロは「日本ではフロントにナンバープレートをつける必要がある」ということをあまり考えなかったようですね。
なお、仮に中国で「リクエストによる限定モデルのデザイン」を行ったとしたらそのブランドへのリスペクトはよそに、「自分が好きなもの」ばかりを要求してしまい、カオス的状況が発生するのかもしれません。
フェラーリJ50発表時のプレスリリースはこちら