ポルシェは一台売って194万円、フェラーリは一台あたり1012万円の利益があるという統計

Bloombergによると、2016年の自動車業界において、利益の増加著しかったのはポルシェとフェラーリ、とのこと。
それらについて販売台数を見てみると、ポルシェは238,000台を売り、2015年に比べて1％の増加。
フェラーリは8,014台を売り、2015年に比べると4.6％増、となっています。

さらにポルシェ、フェラーリについて、1台あたりの利益を算出するとポルシェは実に17,250ドル、フェラーリは90,000ドル。
邦貨換算だとそれぞれ194万円、1012万円ということになりますが、フェラーリの場合はフェラーリ・ワールドのようなテーマパークほかライセンスビジネス、エンジン供給なども含まれる、とのこと。
これら「自動車の直接販売意外の収益」はフェラーリにおいて30％を占め、それを勘案してもフェラーリは「1台あたり700万円くらいの利益がある」と考えられます。※ラ・フェラーリの販売がここに含まれているとすると、これが以上に「一台あたり利益」を押し上げていると思われる

ポルシェに話をもどすと、ポルシェはここ3年で販売台数を47％伸ばしており、その主たる原動力は「マカン」。
今やポルシェの販売のうち40％を占めるとのことなので、カイエン発売の際も同様でしたが、マカン発売によって劇的に収益が増加したと言えそうです。
なおポルシェの場合はオプション装着比率が高いことも特徴で、マカンだと平均して車両本体価格の30％ほどをオプションとして選んでいるという統計があり、これもまた「一台あたりの利益」を押し上げる理由の一つなのでしょうね。
加えてポルシェは今後更に（高価な）オプションを増加させるようで、20万円程度のタグ・ホイヤー製スマートウォッチも発売する、とのこと。

なお数年前の数字ではありますが、Wの営業利益は2.9％、アウディは10.1％、ポルシェは18.0％。
金額に換算するとVWは一台売って利益が8万円、アウディは51万円、ポルシェは230万円という計算に。
ポルシェとVWの営業利益（総額）はほぼ同じで、ポルシェ1台を売るのとVWの30台売るのとで同じ利益ということになります（つまりVWアウディグループにとってポルシェはドル箱）。

ポルシェは数年前の数字と比較すると今回の「1台あたり利益」が低いようですが、これはミッションEの開発や生産にかかわる新規投資が影響しているのかもしれません。
今回数字は出ていませんが、ランボルギーニにおいては、ここ1-2年で「ウルス生産」のための設備投資が大きく、ウルスの販売が軌道に乗る2年後あたりまでは「1台あたり利益」が低いかもしれませんね。

こういった感じで「新しいことをやるのに投資する」と直近の一台あたり利益が減りますが、それは後々返ってくる可能性もあり、また返ってこない（失敗する）可能性もあり、もしくは「何も投資していないのに」一台あたりの利益が低い場合、、「何もしていないから」一台あたりの利益が高い場合（このケースだと今は良くても先行きがどうかは不明）があるので、単に数字だけを見て良し悪しを判断できないのも事実です。