
| サウンドがエレクトリックカーにおいて重要な要素だとみなされる時代がやってくるのは間違いなさそう |
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エレクトリックカーの場合、サウンドはダウンロードしてどんどん増やすことができそうだ
さて、現在いくつかの自動車メーカーは「ピュアEVへのシフト」を行っていたり、そもそも「EVを起点にしたスタートアップ」だったりする場合も。
そしてEVの場合、多くはスケートボード型シャシーを採用したり、バッテリーやモーターは他の自動車メーカーも使用するサードパーティー(サプライヤー)から仕入れることが多いため、ガソリン車に比較してメーカーごとの差異を出しにくくなっています。
こういった状況において、各メーカーが「EVの差別化要素」として掲げているのが擬似走行音であり、あるメーカーは有名ロックバンドと共同にてサウンドを開発したり、またある自動車メーカーはF1マシンのサウンドをサンプリングしたり、また別の自動車メーカーは映画音楽家とタイアップしたり、とその手法は様々です。
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ピニンファリーナは「心地よい低音」を演出
そして今回ピニンファリーナが動画によって公開したのが「人にとって心地の良い疑似走行音」。
このサウンドの生成に際してはノヴォ・ソニック(Novo Sonic)社との共同にて作業が進められ、低い周波数を中心に構成することで「ドライバーの幸福感に良い影響を与え、快適さを感じさせる」ことを目的としています。

このサウンドは「スオノ・ピューロ(Suono Puro)」つまりピュアサウンドということになりますが、サウンドデザイナーとエンジニアによる作曲、開発、微調整などを含め、合計2,000時間以上の作業を経て生み出されたのだそう。
今回サウンド(スオノ・ピューロ)の中心に使用したのは、モーツァルトやヴェルディなどのクラシックや、チベットのシンギングボウルの音に広く使われている周波数であり、ピニンファリーナは「このサウンドが人体に良い影響を与えること」を立証するために水を用いた、とコメントしています。

なお、水を用いたのは「人体の70%が水でできている」からで、このサウンドが水面上に美しい波紋を作り出すことが「人にとっても心地よい」という理論に行き着いたからだそうですが、このサウンドはネイムオーディオ(Naim Audio)製の12個のスピーカーから乗員に向けて発せられることになり、バティスタに実装されるドライブモード(Calma、Pura、Energica、Furiosa、Carattere)によってもそのサウンドが変化する、とのこと。

ピニンファリーナ・バッティスタは、リマック・ネヴェーラと多くを共有するピュアエレクトリックハイパーカーではありますが、おそらくはこういった「心地よさ」といった部分でリマック・ネヴェーラとの差異を設けているのだと思われ、快適性については大きくネヴェーラを上回るのかもしれません。
一方、1,900馬力を発生するクワッドモーターを内蔵していて、そのパワーを解き放てば0−100km/hをわずか2秒で加速するほどの性能を持ち合わせており、まさに「ジキルとハイド」的な二面性を持ち合わせている可能性もありそうですね。
なお、リマックとの共同開発といえど、このバッティスタについてはリマックの工場ではなくピニンファリーナのカンビアーノ工場にて生産が行われるといい、組み立てに際しては長い歴史を持つピニンファリーナのノウハウがいかんなく発揮されることになるのだと思われます。

ピニンファリーナ・バッティスタのサウンドを生成するプロセスを収めた動画はこちら
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