ランボルギーニはすでにスーパーキャパシタをアヴェンタドールに取り入れている

ランボルギーニはアヴェンタドール後継モデルについてハイブリッド化を行うと明言していますが、今のところその手法は不明。
なおハイブリッド化を行うのは運動性能追求のためではなく「環境規制対応」という側面が大きいと思われ、というのも2021年施行の「ユーロ7」によってランボルギーニのV12エンジンは大きなパワーダウンを余儀なくされる可能性があるため。
ランボルギーニは環境規制への対応が迫られている状況
なお、ランボルギーニはV10、V12エンジンとも「自然吸気」。
一方でマクラーレンとアストンマーティンはエンジンラインナップをターボ化しており、フェラーリはV12については自然吸気、V8についてはターボ。
ターボ化のメリットとしては「排気量を小さくしてもパワーを稼げるので、中国で売るのに高額な税金を回避できる」「出力が上がる」「環境規制に対応しやすい」。
よってフェラーリF8トリブートのV8エンジン(3.9リッター)はツインターボ化によって720馬力を発生しますが、ランボルギーニ・ウラカンEVOのエンジンは5.2リッターV10ながらも640馬力。
つまり自然吸気でパワーを稼ぐのは非常に難しく、更に環境規制に対応させるのも非常に困難なわけですね(ターボは排気を循環させるので比較的排ガスをクリーンにしやすい)。

そこでランボルギーニのハイブリッド化ですが、環境規制に対応できるメリットの他に、モーターの出力次第では「ライバルのターボ化によって”広げられた”馬力差」を取り戻せる可能性があり、ランボルギーニにとってハイブリッドとは「うまく使えば」競争力を強化できる手法なのかもしれません。
ランボルギーニはハイブリッドにどういった手法を用いる?
そこでランボルギーニのハイブリッドですが、幸いにして親会社がフォルクスワーゲングループということでエレクトリック技術について困ることはなく、48Vシステムを利用したマイルドハイブリッド、1モーターや2モーター、3モーターを使用したプラグインハイブリッドといった技術も使用できる状況に。
ただ、いずれにせよ「バッテリー」と「価格」が問題で、アヴェンタドール後継モデルをイキナリ7000万円にというのもちょっと厳しく、ウラカン後継が5000万円になるのもちょっと厳しい話です。

そしてバッテリーについては重量がその問題となり、重量が増えるとピュアさを著しく欠くことになるため、大きなバッテリーは積めないとも考えられます。
そこで出てくるのが「スーパーキャパシタ」で、ランボルギーニはMITと共同でこの技術を追求し、これをハイブリッドシステム用電源として活用する模様。※アヴェンタドールでは始動用エネルギーとしてすでにスーパーキャパシタが採用されている
実際にランボルギーニの技術開発部門のトップ、マウリッツォ・レッジャーニ氏は「これはスーパースポーツにとって理想的な解決策だ」とも語っており、おそらく9月に発表されるであろうランボルギーニの限定モデル「LB48H」にはスーパーキャパシタがハイブリッドシステム用エネルギー源として採用され、そしてアヴェンタドール後継モデルにもこれが採用されることで800馬力を発生するのでは、と見られています。