先日、ステファン・ヴィンケルマン氏がランボルギーニCEOからクワトロAGのCEOへと異動となり、かわりにステファノ・ドメニカリ氏がランボルギーニCEOへと異動していますが、今回はランボルギーニのデザインディレクター、フィリッポ・ペリーニ氏(アヴェンタドールやウラカンをデザイン)はイタルデザインのトップに異動(実際は昨年9月にすでに異動していた模様)。
ランボルギーニの首脳が一気に異動したことになりますが、イタルデザインはランボルギーニがその株式の殆どを保有しているとされ、今後もランボルギーニのコントロール下にあるのは間違い無さそうです。
ただしVWアウディグループのデザインを統括するのはイタルデザインだと思われ(ワルター・デ・シルヴァ氏在籍の頃はそうだった)、そう考えるとフィリッポ・ペリーニ氏はVWアウディグループのデザイントップに上り詰めたと考えても良さそうですね。
なおランボルギーニの次期デザイン主任はポルシェ出身のミッチャ・ボルカート(ミトヤ・ボルカルト)。
そのポルシェにおいてもCEOがVWアウディ本体へ異動したり開発主任が退任したりと大きく人事が変わっており、グループ全体で相当にラディカルな人事異動があったと言えます。
なおボルカート氏は2014年からポルシェのデザインを担当しており、パナメーラ・スポーツ・ツーリズモ・コンセプト、ミッションE、718ボクスター、マカンの外装デザインを担当。
ブランドのコンセプトをうまく反映させるのが得意なようで、細かいところでもクワッドLEDやテールランプの光り方を統一するなど、なかなか丁寧な仕事をする印象があります。
なお今回のジュネーブ・モーターショーにて展示された「GTゼロ(画像下)」がイタルデザインでのフィリッポ・ペリーニ氏の最初の作品となりますが、「ウラカン・ワゴン」と言えるようなスタイリングを持っており、氏の好みが反映された車と言えそうです(イタルデザインの公式サイトはこちら)。
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イタルデザインの新しい社長、ジョシュ・アスタロッシュ氏によると、VWアウディアウディグループの車以外の開発もブランド認知度向上のために行いたい、とのこと。
イタルデザインは現在VWアウディの100%子会社ですが(株式の保有はランボルギーニ)、従業員を1000人抱え、年間500-600台の生産を行っている、とのこと。
500-600台と言うのはけっこうな数字で、ここにはもちろん各モーターショーに出展するコンセプトカーや試作車が含まれますが、それだけではこの数字に達することはなく、他にも(VWアウディグループの)顧客の要望に応じたワンオフモデルの製造なども行っているのでしょうね。
なお新社長はインタビューで「アップルやグーグルからの依頼が来たらどうするか」の質問にも「喜んで引き受ける」としており、欧州以外にも活動の場を広めたいようです。
関連投稿:イタルデザインはパルクールを市販したい?デザインコンテストを開催
イタルデザイン(ジウジアーロ)がパルクールを使用したデザインコンテストを開催するようで、これはイタルデザインのサイトからグラフィックキットをダウンロードし、自分でデザインして応募する形式だそうです。
コンテスト優勝者の車両はデザインイベントに展示され、優勝者はイタルデザインに夜前夜祭チケットを手にするなど様々な特典がある模様。
なおパルクールは2013年に発表されたコンセプトカーで、ランボルギーニ・ガヤルド、アウディR8と共通の車体、エンジンを持った車(同時期にアウディはパルクールと同様のデザイン、コンセプトを持つ”ナヌーク”を発表している)。
ただしトランスミッションはアウディR8最終型同様にデュアルクラッチとなっており、車高をリフトアップした上で大きなタイヤが装着され、まさに「パルクール」の名の通り高い走破性を感じさせますね。
イタルデザインは発表後にも別のモーターショーにパルクールを展示しており、このモデルをもっとアピールしたい意向があるようで、もしかすると市販化も考えているのかもしれません。
なお現在SUVも飽和状態に近く、こういったバギータイプの車は「次に来る」可能性もあり、発売されれば「スポーツカー好きだが路面状態の良くない」という特性を持つ中国、中東で人気が出そうですね。