2005年にVWアウディグループのデザインディレクターに就任することが発表されたワルター・デ・シルバによる、そして彼がはじめてデザインしたランボルギーニ。
ミウラ40周年の2006年に公開され、その時点では市販の有無などのコメントはなかったものの、かなり盛り上がりました。
当時はアメリカ車(ダッジ・チャージャーやシボレー・カマロなど)を中心に過去の名車を現代風解釈で蘇らせる手法が流行しており、そのため周囲は「これはミウラの発売来るで」という雰囲気がありました。
残念ながらその夢はかなわず、現在に至るまで市販化はされていませんが、このプロポーション、ディティールであれば、どのようなランボルギーニ・ファンであれ異論を唱えることはない出来栄えだと思います。
デ・シルヴァ自身、「ここ2年、ミウラをデザインするのが夢だった」とのことで、その思い入れ、オリジナルのミウラに対する敬意がしっかりと反映されているように思います(リヤの”MIURA"エンブレムはオリジナルのまま)。
ランボルギーニは車名を引き継ぐことはせず、V12モデルであればカウンタック→ディアブロ→ムルシエラゴ→アヴェンタドール、V10モデルであればガヤルド→ウラカン、という具合に車名を変更します。
過去にとらわれない、常に前を見る、ということなのかもしれませんが、同時にランボルギーニは「伝統」を非常に重んずる会社で、それはデザインモチーフやディティールにも見て取ることができますね。
もしミウラ・コンセプトが発売されればその「名称を買えてゆく」という伝統も破られることになりますが、それでもこのミウラ・コンセプトは発売して欲しいモデルであります。
なお、ウラッコなども現代風に焼き直せばけっこうイケルのではないか、と考えたりします。
ランボルギーニ・ミウラ・ルマン・コンセプト。
1970年にルイジ・コラーニによって発表されたコンセプトカーです。
現実的にはミウラとかけはなれていますが、リヤセクションはミウラで、パッセンジャー・キャビンは「グライダーをイメージして」デザインされたという非常に特殊な形状。
その後4年間は展示に使用されたようですが、30年経った後(2011年)にアメリカはインディアナで無残な姿になったところを発見され、e-bayに出品されたという経緯を持っています。
キャノピーやエンジンはなくなっていますが(エンジンが入っていたということは走行可能であったと思いますが、それも驚き)、基本パーツは存在しており、レストアは可能、とのこと。
もとどおりの美しい姿に復元されると良いですね。