| 欧州版の「EV仕様」ということを鑑みるに、もうちょっと頑張って欲しかった感はある |
さて、ムーステスト(エルクテスト)を専門的に公開しているYoutubeチャンネル、km77がマツダMX-30のムーステスト動画を公開。
なお、このMX-30は日本で販売されている仕様とは異なり、欧州仕様の「ピュアEV」。
結論から言うと「あまり良い結果を残せなかった」ということになり、EVならではの低重心もエルクテストには貢献できなかったようですね。
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ムーステストの結果は想像以上に販売に影響をもたらす
「ムース・テスト」とは聞き慣れない言葉ですが、欧州においては一般的なテストで、クルマの性能を図る重要な指標の一つ。
「ムース=MOOSE(エルクと表現される場合もある)」とはヘラジカを指し、道路を走行中にこのヘラジカが飛び出してきたときに急ハンドルで”避けることができるか”を試すものです。
日本だとヘラジカとの衝突というと想像が難しいものの、ムースは大きいものだと体重800キロを超え、足が長いことからも接触した際にちょうどクルマのフロントグラスを突き破ってクルマの乗員に致命傷を与える可能性が高いことからも、これを避けることができるかどうかが非常に重要だとされているようで、この結果が販売に大きな影響を与えたり、メーカーに改善を行わせる効果もあるようですね(法によってエルクテストが規定されているわけではないようだが、それでもメーカーが対策を行うということは、それだけ影響力があるということに)。
トヨタにはムーステストの結果を受けて改良を行ったケースも
実際のところ、トヨタRAV4がムーステストに失敗し、もちろんこれによって何らかの法的な対策を迫られたわけではなく、しかし自主的に改良を行った例も存在します。
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実際にマツダMX-30でムーステストを行ったらこうなった
そしてマツダMX-30でのムーステストですが、テストにはこういった配列を用います。
パイロンを立てて左右にスラロームする形で走行し、その際の安定性や挙動を見ることになり、時速77キロで走行するのが一般的だとされています。
実際に山道を走っていてヘラジカがイキナリ出てくるとブレーキを踏んでも接触を避けることはできず、ハンドル操作によって回避することになるかと思われ、その場合「一方向にだけ」回避したままだとそのまま崖をまっさかさまということにもなりかねず、車線に「復帰」することも考えてのスラロームということになるわけですね。
そこでまず時速74kmではらくらくクリア。
時速75kmだとパイロンをひとつだけ踏むものの、大きく姿勢を崩さずに走り抜けています。
時速79kmになるともう完全にコースアウト。
最初にヘラジカを避けることは出来るものの、実際の走行ではコース復帰が叶わず対向車線に出たままになるか、もしくは崖下に落ちるか道路からはみ出すか、といったところかもしれません。
そのほかのクルマはこれくらいの速度域でムーステストをクリア
なお、マツダだとCX-30は74km/hまでテストをクリア、そしてロードスターは80km/hまでクリア。
そのほかスズキ・ジムニーは68km/h、フォルクスワーゲン・ゴルフは69km/hまで、メルセデス・ベンツGLBは75km/hまで、GRスープラは77km/hまでパイロンを踏まずに走っています。
EVだとポルシェ・タイカンが77km/h、テスラ・モデル3はなんと82km/hをクリア。
EVは一般に「フロアにバッテリーを敷き詰める」ために重心が低く収まり、そのために安定性が向上すると言われ、数字を見る限りではタイカン(911よりも成績がいい)、モデル3は実際にガソリン車よりも優れた数字を記録しています。
ただ、マツダMX-30の場合はそうもゆかず、これは「ガソリエンジン搭載車と共通車体を持つ」ためにEVならではのメリットを十分に活かせず、よってガソリン車に近い数字となったのかもしれませんね(画像を見ると、インバーターの位置が高い)。※ただし動画を見ると、大きく姿勢を乱したり車輪が浮くことはなく、数字に現れない”惜しい”ところもあり、コントローラブルであることは理解できる
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参照:km77.com