
| 新型フェアレディZ(プロトタイプの)公開は思ったよりも早かった |
さて、先日「2022年までは発売されない」という報道があった新型日産フェアレディZ。
今回は日産が公式にてその試作モデル、「Zプロト」を近日(9月16日に)公開するというティーザー動画をリリースしています。
そして添えられたコメントは「我々は50年に渡る歴史と情熱と、最新の技術とを組み合わせ、伝説的なスポーツカーであるフェアレディZを設計する」。
なお、新型フェアレディZの試作車はすでに年初に全米ディーラー網に対して公開されていると言われ、この個体を一般向けにお披露目してくれるのかもしれませんね。
Zプロトの公開は横浜にて
そしてうれしいことに、新型フェアレディZプロトの公開は海外ではなく、横浜の日産パビリオンにて。
9月15日の午前9時30分(CDT19:30)だとアナウンスされており、大きな盛り上がりを見せそうです。
ただ、注意が必要なのは「新型フェアレディZプロトが発表されたからといって、すぐに発売されるわけではない」ということ。
ホンダNSX(第二世代)のように、発表から発売まで相当な時間を要した例もありますし(これは新開発、途中でのレイアウト変更という理由があった)、とにかくイメージを一新したい日産が早めに新型フェアレディのプロトタイプを公開し、しかし実際は発売はまだまだ先、ということも。
ただしいずれも推測の域を出ない話でもあり、ぼくらはとにかく待つしかなさそうです。

そして今回公開された動画では、かつてのフェアレディZの開発風景、モータースポーツでの活躍や市販車の走行する姿を公開。
このキャプチャを見るに、ポルシェ911など様々なスポーツカーのレイアウトを研究していたということもわかります。

なお、新型フェアレディZは「S30風」デザインを持つであろうことがこれまでのティーザー画像からも明らかになっていますが、プラットフォームは現行フェアレディZ(370Z)、エンジンは3リッターV6ツインターボという説が有力。
トランスミッションにはマニュアルも用意される、と言われます。

日産フェアレディZはこういった歴史を持っている
フェアレディZは「フェアレディZ生みの親」として知られる片山豊(当時の米国日産社長)が北米市場向けに企画したもので、当時北米市場で人気を集めていた欧州スポーツカーや、アメリカの国産スポーツカーに対抗しようと考案されたもの。※当時、片山氏はジャガーE-Typeの模型をデザイナーに渡し、「こんな感じのクルマにしてほしい」と伝えたという話がある
そして初代であるS30(1969-1978)はその企画意図のとおり大ヒットとなり、累計販売台数55万台を記録しています。そしてアメリカで非常によく売れた(日本では8万台)こともあり、今でもカスタムベースに使用される事が多いようですね。
S30は「湾岸ミッドナイト」に登場する”悪魔のZ”もこのS30Zです。

「ブラックデビル」として恐れられたドイツの撃墜王が乗っていたフェアレディZ。死後にその自宅から出てきてカスタムされることに
2代目S130(1978-1983)フェアレディZはなんといっても「西部警察」に登場した電動ガルウイングドア装備の「スーパーZ」が有名ですね。

3代目Z31(1983-1989)は一気にパフォーマンスを向上させており、後期型ではそのルックスも未来的に(ぼくは後期型の顔つきが大好きだ)。

4代目Z32(1989-2000)はR32 GT-Rとともに自主規制枠ギリギリの280馬力で登場。
同じ280馬力でもGT-Rは直6シーケンシャルツインターボ、Z32ではV6に片バンクづつタービンを装着したツインターボを採用し、今から考えると「当時の日産は相当に豪華なラインアップだったな」という感じ。
ちなみに「2シーター」と「2 by 2」という二種類のボディ形状(ホイールベース等、車体も異なる)が用意され、このあたりも”バブル期ならでは”ですね。

しばしZ32から販売が途絶えた後に登場した5代目Z33(2002-2008)。
エンジンを自然吸気のみに絞り、価格を抑えることで人気となったモデルでもあります。

そして現行の6代目Z34(2008~)は発売から11年経過した後も未だ現役。
「370Z 50thアニバーサリーエディション」も登場し、めでたく50周年を迎えています。

参照:Nissan