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44年前、14歳のときにフェアレディZに一目惚れしたオーナー。20年かけて集めた貴重なコレクションからS30を6台、それぞれのエピソードとともに競売へ

2022/12/03

44年前、14歳のときにフェアレディZに一目惚れしたオーナー。20年かけて集めた貴重なコレクションからS30を6台、オークションへと出品

| いずれのフェアレディZも非常に程度がよく走行距離も少ないため、相当な高値で落札されるものと思われる |

フェアレディZの生産が開始された直後に製造された貴重な個体も

さて、フェアレディZに深い愛情を持つコレクターがその一部をオークションに出品するとして話題に。

もともとフェアレディZは極めて嗜好性の強いクルマであり、そのためいずれの世代のフェアレディZも多くのファンを抱えていることで有名でもありますが、今回出品されるのは初代「S30」が6台という構成です。

1970年初期に製造された240Zから1976年の280Z 2+2までが揃いますが、いずれもオーナーの愛情がたっぷり注がれた事がよく分かる素晴らしいコンディションを持っており、それぞれどんなクルマなのかを見てみましょう。

なぜこの貴重なコレクションを売却するのかは明かされていない

なお、この6台はおよそ20年をかけて収集されたそうですが、なぜ売りに出されるのかは今回明かされておらず(想像するに、68歳という高齢のためなのかもしれない)、しかし入手の経緯のみが語られています。

私が14歳の頃、小さな故郷の街角に立っていると、交差点にピカピカの青いスポーツカーが止まっていたんです。私は友人たちと「きれいなクルマだね」と言い合い、そのクルマが私の心を大きく揺さぶったことを憶えています。そして、そのクルマのリアには「Datsun 280Z」というバッジが取り付けられていたんですね。

それで私は、お金を貯めて、16歳のときに購入を検討し始めたのです。当時、私の友人たちは皆、マッスルカーに夢中だったのですが、私は父がガソリンをガンガン消費するクルマを許してくれなかったので、手頃な価格のZに的を絞り、1971年の240Z、グリーンとブラウンのインテリアの車を見つけました。まだ免許も持っていなかったのですが、オーナーが運転するクルマ助手席で乗っていると、ラジオから私の好きな曲が流れてきたんです。そのとき、私はその車を手に入れなければならないと思ったのです。長い話になりますが、私はそのクルマを買うことになりました。まだ私は運転免許を持っていなかったので、そのクルマは数週間、車道に置かれたままになっていたのですが、やがて父が運転免許を取ることに同意してくれ、私は晴れてそのクルマを運転することができるようになったのです。私の仲間はみんなマッスルカーで高校に通っていましたが、私は洗練されたこのスポーツカーが大好きでした。

その後私は1950年代から1980年代までの12気筒えお積むフェラーリの名車をはじめ、ヨーロッパのクラシックカーやスポーツカーを数多く所有するようになったのったのですが、それでもZカーへのノスタルジーが失われたことはありません。私の初恋の相手であり、今でも私の心の中に生き続けているのは古いダットサンなのです。

今回販売されるのはこの6台

Nissan-Fairlady-Z (7)

このコレクションの中で最も古い車両は、サファリゴールドの240Zで、1970年1月に製造されたシリーズIに該当し、シリアルナンバーはHLS30-01606。

この車両は、2013年からピエールZカーセンターにて数年にわたるレストアを受け、2022年7月にカナダ・オンタリオ州のホワイトヘッドパフォーマンスによって仕上げられた、とのこと。

Nissan-Fairlady-Z (6)

オリーブグリーンの1973年式240Zは、走行距離わずか14kmで、2003年から売り主のコレクションに加わっていますが、この240Zについては格段の思出入れがあるようで、以下の通りに解説を加えています。

2003年、完全に保存され、記録付きで、エンジンやトランスミッションのナンバーが一致したグリーンのダットサン240Zが売りに出されたとき、私はそのチャンスに飛びつきました。妻(当時妊娠9カ月)も一緒にこの240Zを手に入れるための旅に出たのですが、街を離れるにつれて陣痛が始まり、それがだんだん規則的になってきたんです。そこで私は病院に行かねばならないからと通関業者に連絡すると、「本人が立ち会わないと輸入(通関)できないのでクルマが足止めされることになる」と説明されたのです。私は必死で通関業者に電話をかけ、税関職員と話し合い、事情を説明し、ようやく特例として認めてもらい、なんとか通関させることができました。出産後、妻と2時間ほど過ごし、その後、友人と2時間半かけてクルマを引き取りに行きました。そして、また病院に戻り、妻と赤ちゃんに会いました。それは2003年5月10日、母の日でした。それが今日まで、このクルマを大切にしてきた理由でもあります。

Datsun-Z-Collection-5

次に紹介するのはライムで仕上げられたもう1台の1973年式のフェアレディZ。

この車は、前所有者のもとでSUキャブレター、アフターマーケット製のエキゾーストマニホールド、電子点火モジュールにアップデートされた後、2019年のオークションにて売主が購入した個体なのだそう。

Nissan-Fairlady-Z (4)

このシルバーのダットサン260Zは、1973年半ばから1974年末までのわずか18カ月間しか製造されなかった240Zのアップデート版で、この1974年モデルはわずか6kmの走行距離にとどまり、2017年にミネソタ州のオーナーから購入したものだと紹介されています。

Nissan-Fairlady-Z (2)

コレクションを締めくくるのは、低走行距離のメタリックブルーの2台の280Zで、1台目は1976年の2+2、走行距離は2,500マイル。

元のオーナーによって1年間運転された後、2016年まで自宅のガレージに保管されていという程度良好な個体です。

Nissan-Fairlady-Z (3)

もうひとつは1977年の280Zクーペで、同様に2014年までオリジナルオーナーの元にあったもので、走行距離はわずか14kmというやはりコンディション抜群な一台。

2019年にコレクションに加えられたそうですが、このフェアレディZにもちょっとしたエピソードがあるようですね。

この280Zは、私が1978年に私が地元で見かけた、この車種に惚れ込むきっかけとなった1台と偶然にも同じものです。私はZマニアと言えるかもしれませんが、このラインが好きなんです。60年代から70年代初頭にかけてのフェラーリ275GTBやデイトナに非常によく似た形をしています。1969年に製造された240Zで、シリアルナンバーは0182、生産開始から数週間の超初期生産車です。

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参照:Bring A Trailer

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