
| これだけ中国への依存度が大きくなれば、今後中国で「売れなくなったとき」のダメージが大きい |
現在、中国市場では「中国車の販売比率」が高まっている
さて、日産自動車が2022年12月、加えて2022年1月~12月累計の数値(速報値)を発表。
これを見ると、「グローバル生産は前年比-9.4%」「グローバル販売は-20.7%」「日本からの輸出は+3.5%」となっており、グローバル生産台数以上にグローバル販売が減少しており、つまりこれは在庫が増えている、ということなのかもしれません。
現在「新車が足りない」と言われる状況ではあるものの、正確に言うならば「人気のある新車が足りない」ということなのだと思われ、売れないクルマはこの状況であっても売れていないのかもしれませんね。
2022年の日産のグローバル生産はこういった結果だった
そこでまずは2022年(通年)の日産におけるグローバル生産ですが、国内生産は前年比(乗用車で)+18.3%となっており、国内生産が回復基調にあることがわかります。
このほか、米国(+19.2%)と英国(+16.3%)は増加、しかしメキシコ(-27.1%)や中国(-17.9%)の減少が大きく響いており、とくに中国での生産台数(1,057,598台)はグローバル生産(3,250,800台)のほぼ1/3を占めるだけに大きな痛手となっていることも推測できます(市場別の解説は公開されていない)。

2022年の日産のグローバル販売はこういった結果だった
そしてこちらは2022年通年における日産のグローバル販売。
国内(商用車、軽自動車含む)は-0.5%、そして主要市場だと米国では-25.4%、中国では-22.1%と大きく沈み、グローバルでは-20.7%という結果となっています。
なお、市場占有率を見てみると日本はわずか14%、米国は23%、中国は32%、欧州は8.9%という数値となっていて、やはり中国が(生産のみならず)販売においても最大規模ということがわかりますね。
ちなみに「その他」は約15%(どういった国々がここに含まれるのかは記載されていない)。

なお、現在中国においては「中国の自動車メーカーの販売比率」が高まっているといい、さらにEVが販売の中心になれば(中国のEVの価格が安いので)大幅に中国車の販売比率が上がるだろうとも言われており、日産はじめ日米欧の自動車メーカーはその対策に迫られる事になりそうです。
-
-
中国市場における「中国の自動車メーカー」のシェアがはじめて40%を突破!アメリカ、ドイツ、日本の自動車メーカーはシェアを奪われる一方となり、今後さらにこの傾向は加速しそう
| 資金やローコスト、市場受けする製品開発という観点において、海外の自動車メーカーはもはや中国の自動車メーカーには歯が立たない | そのため中国にて存在感を発揮するには「中国の自動車メーカーにはない「 ...
続きを見る
日産において、2022年には"ゼロエミッションモビリティ投資 "のために約14億4000万ドル相当の予算を組んでおり、その資金をどう分散させるかは、「日産サステイナブル・ファイナンス・フレームワーク」が担当することになり、主にはクリーン(OC2フリー)製造関連、バッテリー開発、自律走行技術開発に充てられると報じられています。
2022年の日産の輸出はこういった結果だった
そしてこちらは2022年通年における日産の(日本からの)輸出。
日本での生産台数は559,314台ですが、その約半数に相当する287,845台が輸出されており、このうち167,375台が北米向けとなっています。

参照:日産自動車