アメリカのオークションにて、1989年製の日産スカイラインGT-R(R32)が登場予定。
走行距離は90,123キロ、すべては純正のままとされており、最高落札価格は500万円に達するのでは、と見られています。
アメリカでは「(米国内で新車販売された自動車以外は)製造後に25年経過した車でないと輸入できない」という通称「25年ルール」があり、年式で言えば1992年式以前がこのルールによってアメリカで販売可能。
よって、この年式の日本車はアメリカに流れる傾向にありますが、中でも”スカイライン”GT-Rはカルト的な人気を誇っており、高額落札車の常連となっています。
なおGT-Rが当時アメリカで新車販売されなかったのは「右ハンドル」であったためで、輸出を想定していなかったこともあり、これをアメリカ市場向けに「左ハンドル」へと変更するのが難しかった、という事情があります(加えてクラッシュテストに多額の費用がかかるという理由もあったとされる)。
R32GT-Rは「直6」エンジンですが、エンジンの性質上排気管が片バンクから6本出ており、これだけは「動かせない」ためにマスターバッグ含めてハンドルの位置を変えるのは難しいということですね。
なお同じ6気筒でもV6だと左右どちらのハンドルにも対応できるので、世界戦略車で6気筒エンジン採用の場合は「ほぼV6」。
BMWは例外的に直6を採用してきましたが、これについてはもとから「左右ハンドル」を想定して設計されているので、GT-Rとはちょっと事情が異なると言えますね。
なお日本だとR32GT-Rは(とくにコンディションの良いものや有名チューナーの手掛けたものを除くと)200万円前後が一般的な相場のようで、やはり米国での人気は「異常」と言えるかもしれません。
25年ルールによってR32GT−Rも米国の競売へ。予想落札価格は最高で850万円
1991年日産セドリックが米国では120万円。25年ルールにかかる車を輸出すれば大儲け?
国産スポーツカーの中古価格が謎の急騰。原因は「25年ルール」
VIA:Motor1
1991年製の日産セドリック・グランツーリスモ・アルティマがアメリカに120万円のプライスにて販売中。
これは「25年ルール」によってアメリカへ輸入が可能になったためですが、日本だと20〜50万円くらいの中古価格なので、かなりな高価格と言えますね。
「25年ルール」とは、新車時アメリカに正規輸入されなかった車につき、その後25年間はアメリカに輸入できないという「いかにもアメリカっぽい」わがままルールです。
※一部基準を満たせば輸入可能
このセドリックは1991年モデル(8代目、Y32)なので、25年経過した2016年にその呪縛から解き放たれた、ということになりますね。
なお、この時代はバブル期に企画された車が多数発売されていた時期で、アメリカ人にとってはその頃の独自発展を遂げた日本車が珍しいのかもしれません。
ドアミラーワイパーやおしぼりクーラ−/ヒーターなどはアメリカ人にとって非常に驚かれる装備かもしれませんし、段通カーペットも受けるかもしれませんね。
特にこの頃の日産は贅を尽くしたオプションがあり、当時の日産車は米国で人気が出たりするのかもしれません。
よってビジネスチャンスとしては、25年ルールにかかる、またはかかりそうな車を購入して米国ルートにて売りさばくということですが、ちょっとチャレンジしてみるかと考えて売れそうな個体を探してみたところ、やはりこの前後の年式の日本車はほぼ市場から枯渇しているようです(ということは、相当に儲けている人がいるということになる)。
一方でまだ数年は25年ルールにかからない1995年くらいの個体はワンサカ市場に溢れていて、この後のY33、Y34セドリックはかなり安めの相場(20万円〜)。
逆にY31は相当に高い相場(80万円〜)となっており、古い世代ほど価格が高い傾向ですね。
なおセダンは不思議な相場形成の仕方をしており、登場してから数年経ったモデルはガクンと相場が下がり、その後もしばらく下がり続け、しかし20年ほど経過すると相場が逆転し上昇するものも(特にクラウン、セドリック、レパードなどビッグネーム)。
一方でミニバンやコンパクトカーは下がりっぱなし、オープンカーやスポーツカーは緩やかに下りながらも一定のところで下げ止まり、SUVや4WDは高止まり(雪国など一定の実用的な需要があるので、これもいかに古くなろうとも下げ止まる)、という傾向が一般論としてあるように思われます。