ブレーキランプ点灯不具合、そしてエンジン始動ができない可能性

ロイターによると、スバルが「ブレーキランプ」「イグニッションシステム」の問題により、全世界で230万台にものぼるリコール実施を検討中(もしくは準備中)、とのこと。
加えて米国コンシューマーレポートはこの台数を「米国内だけで130万台」と見積もっており、対象車種はインプレッサ、XV、フォレスターだと報じられています。
リコール検討中の内容はこうなっている
なお、リコール検討中の内容は上述の通り「ブレーキランプ」と「イグニッションシステム」。
ブレーキランプについては、スイッチ内部にシリコンを含むクリーナーなど液体が入ってしまった場合、そのスイッチが作動しなくなる、というもの(これはおそらくペダル裏面のスイッチだと思われる)。
ブレーキそのものの機能に影響はないとのことですが、さすがに「スイッチ内部にシリコンが入ったら」という状況の事前想定は難しく(スバルを責めるのはあまりに酷)、自動車メーカーにとっての設計の難しさ、リスクの高さを思い知らされるところですね。

ただし実際に33件の「ブレーキランプが点灯しなかった」例が報告され、これによって考えられるのは「追突」。※33件もあるということは、ペダル裏にクリーナーが入ってしまう事案は意外と多いのかも
よってこの案件は相当な危険性をはらんでおり、リコールは「やむなし」なのかもしれません。
そして「イグニッションシステム」については、それ単体が問題ではなく、ブレーキペダル裏面のスイッチが性格に作動しないと、「ブレーキペダルが踏まれている」ということを車両側で認識ができず(この内容を見るにブレーキランプのスイッチと言うよりはブレーキそのもののスイッチに問題)、よって「エンジン始動ができない」という問題につながるようですね。

日本ではすでにリコール発表済み、対象は30万台
なお、日本だと対象車種は「フォレスター」「インプレッサ」に絞られ、すでに国土交通省に届出済み。
生産期間は平成20年9月19日〜平成29年3月29日まで、対象台数は306,728台。
不具合の内容は下記の通りで、対策については「全車両、制動灯スイッチを対策品に交換する」としています。
制動灯スイッチにおいて、接点方式が不適切なため、車内清掃用品や化粧品類などから揮発するシリコーンガスの影響で接点部に絶縁被膜が生成され導通不良となることがある。そのため、制動灯が点灯しなくなり、横滑り防止装置の警告灯点灯やエンジン始動不良になるおそれがある。
国土交通省
スバルはここ最近不幸が続いており、エアバッグのリコールに始まって検査不正、そしてリコール、さらに過労死問題、そしてまた大規模リコール。
社長はじめ経営体制を一新して前に進み始めたところではありますが、なかなか思うように進まず、新社長にとっては「大変なときに舵取りを任された」ということになりそうですね。
VIA: Reuters, Consumer Reports