| なぜトヨタはそこまでFCVにこだわるのか |
さて、トヨタは「新型ミライ」の予告を開始したところですが、このデビュー予定は12月。
そして今回、その新型ミライと思われるプロトタイプが目撃されることとなっています。
すでに公開されたティーザー画像からも分かる通り、新型ミライはこれまでのハッチバックから「セダン」的ルックスへと変貌を遂げることになり、しかし外観以外にも大きく変わる部分があるようですね。
プラットフォームはTNGAへ
もっとも大きな部分だと、目には見えない部分ではありますが、そのプラットフォームが「TNGA」へと変更に。
これによってFRベースへと変更されることになりますが、室内空間が大きく改善されるとも言われます。
そして今回のスパイフォトをみるに、その姿はミライ・コンセプト「ほぼそのまま」で登場すると考えて良さそうですね。
なお、トヨタは(昨年の)MIRAI Conceptの発表に際し「燃料電池車は新たなステージを迎えた」と主張。
そしてMIRAI Conceptについては下記のように紹介しています。
「MIRAI Concept」は、エコカーの枠を超えた、走りを予感させるダイナミックさと誰もが思わず振り返るエモーショナルな美しさを併せ持つスタイリングを追求。さらに、走る楽しさを持つクルマづくりに徹底的にこだわり、今までにない気持ちの良い走行フィーリングの実現を目指し、開発を進めてきました。
また、FCシステムを全て一新することで、燃料電池自動車としての性能を大幅に向上させるとともに、水素搭載量拡大などにより、航続距離を従来型比で約30%延長することを目標に開発を進めています。
TOYOTA
加えてチーフエンジニアの田中義和氏は「燃料電池車だからこのクルマを選んだのではなく、欲しいと思う車がMIRAIだったと言ってもらえるようなクルマ」を目指したとコメントしていますが、たしかにこれまでのMIRAIに比較すると美しく、ダイナミックで、高級車然としたルックスを持っているようにも思えます。
ただ、全長4975ミリ、全幅1885ミリ、全高1470ミリという堂々たるサイズを持っており、現行ミライとはその性格、ユーザー共に大きく変わることになるのかもしれません。
そして新型ミライもやはりFCV(燃料電池自動車)ということになりますが、トヨタ曰く一回のチャージによって走行できる距離は先代比で30%増えたといい、つまり502キロから653キロへと増加する、ということに。
ただ、それでも現在稼働中の水素ステーションの数を考慮するに、とうてい実用に足るとはいいがたく、いまだもってなぜトヨタがFCVに注力するのかは全く謎(それよりも、EVに力を入れたほうがいいようには思う)。
今後ガソリンエンジンが廃止されてゆくにつれFCVの必要性も相対的に上がってゆくのかもしれず、しかしEVに比肩しうるほどのシェアを獲得するのは難しそう。
ただ、考え方をシフトすると、「ニッチの中のトップを取る」ほうが、「今後競争が厳しくなるEVセグメントにおいて、競争によって体力を消耗する」よりはまだいいのかもしれません。
新型ミライは12月発表予定
そして上述の通り、フルモデルチェンジ版となる新型ミライは12月に発売を予定していますが、そのシルエットはトヨタによって公開済み。
加えて新型MIRAIのプロトタイプ先行試乗会を開催することを公表し(最近のトヨタはこういった例が多い)、第一弾は2020年11月29日(GKNプルービンググラウンド)、第二弾は2020年12月6日(スパ西浦モーターパーク)を予定しています。
もちろんこれについては応募が必要となり、10月13日(火)13:30~10月30日(金)18:00の間にエントリーを行い、その後各会場につき16組32名が招待される、とのこと。