| つい最近まで8000万円程度だったような記憶があるが、まだまだレクサスLFAの相場は上がりそう |
ここまでエンジニアリングの限界を極めたスーパーカーは今後登場することが無いかもしれない
さて、日本が世界に誇るスーパーカー、レクサスLFA。
そのハイライトは、ヤマハと共同開発した4.8リッターV型10気筒エンジンで、このエンジンは当時のF1用設備にて製造されたといい、ブロックはアルミ、マグネシウム、チタン合にて構成され、V型8気筒より小さく、V型6気筒より軽いという驚異的なユニットです。
加えて、「自動車史上、最もいいサウンドを奏でるV10エンジン」としても知られており、そのサウンドを手に入れるためだけでも高額な費用を投じる価値があると言われていますね。
「デジタルメーター」はこの驚異的なエンジンに対応するために採用された
このV10エンジンは極めて高度な内部構造によって鋭いスロットルレスポンスを実現し、アイドリングから9,000rpmまでわずかコンマ6秒で吹け上がりますが、従来のアナログメーターでは針の動きが追いつかないという理由にてLFAではデジタルメーターが採用されることに。
そしてこの「奇跡」と称されるエンジンに組み合わせられるのは電光石火の変速スピードを誇る6速シーケンシャルオートマチックマニュアルトランスミッション(ロボタイズドクラッチ=ASG)、そして0-100km/h加速は3.7秒、最高速325km/hというスペックを誇ります。
発表されたのは2009年10月21日、生産されたのは2010年末から2012年で、限定販売台数は500台(そのうち標準仕様が436台、ニュルブルクリンク・パッケージが64台)、日本だと標準仕様の新車価格は3750万円。
レイアウトは「FR」となり、これは(ミドシップも検討したものの)扱いやすさを考慮した結果だとされ、前後重量配分は「理想」に近い、とも(前後で48:52)。
ボディパネルの65%はカーボンファイバー(CFRP)製、35%がアルミニウムにて構成され、車体重量は1,480kgに収められますが、重心についてもこだわりを見せ、もちろんトランスアクスルレイアウトを採用し、2名が乗車した状態だと508ミリだとアナウンスされています(ミドシップスーパーカーと同じくらい)。
さらには左右シートの間も720ミリしかなく、これを実現するためにトルクチューブには航空機グレードの素材・加工方法を取り入れたことがアナウンスされていますが、この他にも前後左右の重量バランスを考慮してオイルクーラーやウインドウウォッシャータンク、バッテリーやラジエターの配置が決められています。
ボディパネルはシンプルかつ芸術的な構造を持っており、カーボンファイバー製だからこそ実現できたデザインも。
現代のGRヤリスやGR86に採用されるエアロスタビライジングフィンはこの頃から見られたようですね。
リアグリルは「L」をかたどった意匠。
リアスポイラーは昇降式、そしてそのステーは意外と細く、しかし鑑賞に耐えうる美観を持って製造されているようにも思います。
ブレーキディスクはカーボンセラミック、この個体に採用されるホイールは(北米仕様だからか)ポリッシュ仕上げ。
このレクサスLFAを所有していたのはレクサスディーラーの社長
このレクサスLFAは500台限定のうち75番目となるそうですが、ボディカラーはアブソリュートリーレッド(3P0、米国向けでは22台のみ)インテリアは完全なオーダーメイドなのだそう。
ドアインナーパネル、インストルメントパネル、センターコンソール、ステアリングホイール、ダッシュボード上部と下部にはブラックレザーが採用され、レッドレザーのシートによる美しいコントラストが演出されています。
そのほかヘッドライナーにはブラックのアルカンターラ、さらにはグロス仕上げのカーボンファイバー製トリムとアルマイト仕上げのシルバー・アクセントという仕様が与えられることに。
なお、このレクサスLFAは新車時からレクサスディーラーの経営者が所有していたそうで(そこから数名オーナーが変わっているが、すべてレクサス関係者の所有)、もちろんレクサスディーラーにて定期的にメンテナンスを受けているという「安心・安全」な個体。
2011年2月に工場での生産が完成し、イリノイ州シャンバーグのウッドフィールド・レクサスにて新車で納車され、すぐにテキサス州プラノのパークプレイス・レクサスへと所有権が移り、しばらくショールームに展示されたのちに走行距離約7,000マイルの状態で現在のオーナーが購入し、オハイオ州へと拠点を移しています。
https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/52586298954/in/dateposted-public/上述の通りしっかりとメンテンスが行われ、直近だと2022年5月にオハイオ州シンシナティのパフォーマンス・レクサスでオイル交換とスパークプラグ1本の交換(絶縁体の亀裂が原因)が行われたという記録が残り、現在の走行距離は約7,400マイルで、シリアルナンバー入りのレーザーエッチング加工による彫刻、専用カーカバー、マニュアル、オリジナルのウィンドウステッカー(アメリカ市場において、新車時にウインドウに貼られるステッカー)が付属している、とのこと。
なお、予想落札価格は70万ドル(現在の為替レートで9730万円)~80万ドル(1億600万円)だと見られており、RMサザビーズによる出品なので「正確な相場を反映している」と考えて良さそうですが、ニュルブルクリンク・パッケージ装着ではない「標準仕様の」レクサスLFAの相場がここまで上がったことには驚かされます。
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