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「トヨタはEV開発には及び腰だった」。そのツケが回ってきている現状について考える

2017/05/03

東洋経済によると、現在トヨタがEVに注力、とのこと。
記事によれば昨年12月に社長直轄にてEV開発を行う「EV事業企画室を立ち上げたばかりか、そこに参加する人数が7倍になっている」、と報じています。
トヨタの狙いとしては2020年までにEV量産化を目指すというものがあるようですが、逆にこれまで静観していたのにもちょっと驚き。

なお同じく記事では「トヨタはEV開発に及び腰だった」としており、むしろEVより燃料電池車(FCV)に注力。
トヨタはEVについて、一回あたりの充電による走行可能距離が短く電池が高いことがネック(なので見送り)としていたようですが、ここへきて世界中の流れが「EV」になってきたことでちょっと焦っている、と指摘しています。

大きな契機はディーゼル不正事件で経営危機に直面したVWが「ディーゼルを捨ててEVにシフト」してきたこととしており、メルセデス・ベンツも「EQ」ブランド、BMWも「i」ブランドにてEVを推し進めるという現状に直面するにあたって、これまでの路線を見直す必要が出てきた、ということのようですね。

トヨタといえば「ハイブリッド」で、トヨタがハイブリッドに手を付けた頃、他の自動車メーカーはこれに対してはかなり懐疑的。
「ハイブリッドは過渡的技術でしか無い」「動力源が二つ(エンジンとモーター)あるのは非効率的」などと言われてどのメーカーも「ディーゼル」「水素」といったところに未来を見出していたようですが、プリウスが世界中でヒットするや他メーカーも手のひらを返したように「やっぱり時代はハイブリッドだよね」という感じで一気にどのメーカーもハイブリッド化。

しかしトヨタには一日の長があるので揺るぎない優位性を持っていたのですが、これがどうもいけなかったのでは、とぼくは考えています。
トヨタが「燃費を改善するためのハイブリッド」に囚われていた間、他社は「走行性能を向上させるハイブリッド」を開発しており、スポーツカーではNSXがこれを実現。

一方で日産ノートe-Powerは動力源はモーターのみながらもガソリンエンジンで発電するというシステムをありあわせで作り、低価格でEVを開発してしまい、こうなるともうハイブリッドの優位性が薄れてしまうわけですね。
トヨタは「バッテリー技術」を燃費向上のためのハイブリッドとして活用してきたわけですが、他のメーカーは異なる考え方でバッテリー時術を応用した、ということです。

加えて北米では「ハイブリッド以外の」エコカーが増えてきたことで「ハイブリッドはもはやエコカーではない」とみなされるようになり、これまでハイブリッド成長牽引の一因であった「優遇措置」が受けられなくなることに。

つまりはトヨタが得意としていた「ハイブリッド」は今やどこでも持ちうる技術となり、優位性を発揮できなくなってしまい、トヨタがハイブリッドに固執している間にテスラのような新興EVメーカーが力をつけてしまった、というのが現状だと思います。

そうなるとトヨタが今からEVに参入したとして優位性を発揮するのは難しく、ここでトヨタは一気に(EVにおいては)最後発になってしまうわけですね。
ここから盛り返すのは容易ではないと思われますが、トヨタのことなので「何としてでもやる」と考えており、これからのトヨタにはちょっと期待。

なおこれまでトヨタが力を入れて来たFCVですが、このままだと「廃止」となる可能性が高く、そうなるとミライを購入した人はどうなるんだろう、と考えたりします。

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  • この記事を書いた人

JUN(intensive911)

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