| 罪のないクルマを破壊するのはやめてほしい |
ドイツ・ハンブルクにて、G20(20カ国・地域首脳会合)開催に反対し、ポルシェセンターに停めてあったポルシェ10台をデモ隊が燃やす、という事件が発生。
今のところ犯人についての情報はありませんが、夜更けの犯行とのことで、納車を待つ新車がこの被害に遭ったようです。
現在ドイツではデモが多発しており、デモのスローガンは「地獄へようこそ」。
デモ隊が発煙筒を投げたり、警官隊が放水でデモ隊を排除したり、とかなりモノモノしい様子も報道されていますが、その余波とも言えそうです。
実際に警官の負傷者も80名程度出ており、これからサミットが開催される7-8日にかけてはさらにデモが拡大する可能性もあると報じられており、まだまだあちこちで被害が拡大するのかもしれません。
なおポルシェセンターとデモとがどういった関係があるのかについてですが、今回デモを行っている人たちは「資本主義」に反対しており、おそらくは「拡大を続ける貧富の差」に抗議していると思われ、その意味では資本主義をある意味で表現していると思われる高級車にその矛先が向いた、と考えられます。
同じく湾岸戦争中には「石油を消費する燃費の悪い車=中東を儲けさせている」という理由でハマーを燃やしたりディーラーに放火する「ハマー・ボマー」が登場したり、リーマン・ショック時にも失業者が高級車に狙いを定めて放火したり、米大統領選挙の際もトランプ支持のステッカーを貼る車が燃やされたりしましたが、こういった行為で解決できる問題は非常に少なく、しかし後をたたないのが非常に残念。
たしかに報道されることで「現実に起きていること」に対して注意を向けさせることはできますが、こういった現実を知ったとしてもデモに参加したり賛同するのは「騒ぎたいだけ」の人々だと考えられ、「何かを変えることは難しいのでは」とも思います(何かが変わるほどデモの規模が大きくなるとは思えない)。
ルワンダ大量虐殺を題材にした映画「ホテル・ルワンダ」では大量虐殺の様子をメディアに流し、それで何かが変わると信じている人、そして残酷な現実について描写されていましたが、劇中でのこのやりとりがすべてを表しているようではありますね。 「この映像を見れば、きっと各国は助けに来るはずだ」
「いや、来ないね」
「絶対来る、こんな惨劇を見れば」
「世界の人々はこの映像を見て「こわいね」と言い、そしてディナーの続きに戻る。それだけだよ」
現在世界中ではこういった「資本主義反対」を掲げるグループが登場しているものの、ぼくは「共産主義にだけは戻りたくない」と考えています。
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フランスにて労働者が暴動を起こし、ポルシェ911に火を放った模様。
正確にはポルシェ911だけではなくその辺りの車両に放火したと思われ、さらにデモ隊と警官隊との衝突によってけが人も出ているとのことで結構深刻な事態ですね。
抗議はパリのみではなくフランス全土に発展し6万人規模にまで拡大しているようです。
なおフランス人は結構過激なようで、すぐに暴動を漉したりますが、その際に火を放つのは常套手段である模様。
最近だとUBERに抗議したタクシードライバーが公道にタイヤを積み上げ、そこに火を放っていましたね。