
| 中国はその威信をかけ、なんとしてもこれを実現させると思われるが |
さて、何かと話題の中国・紅旗。
今回はその紅旗が発表した「中国発のハイパーカー」S9を生産するため、その親会社である第一汽車(First Automobile Works=FAW)とシルクEVとがイタリアに合弁会社を設立する、との報道。
そしてその場所はフェラーリ、ランボルギーニ、パガーニ、マセラティも拠点を構えるスーパーカーの聖地、エミリア・ロマーニャ地方です。
なぜエミリア・ロマーニャ地方に?
なお、エミリア・ロマーニャ地方に拠点を構えることについて、おそらくは現地で優秀な人材を確保することが目的だと思われ、同様の理由にて(デ・トマソ・パンテーラを復活させた)アレス・デザインも同地に会社を設立しています。
参考までに、イタリアは中国の掲げる新シルクロード計画、一帯一路に最初に署名した国だとされ、そのため中国から多額の投資を受けているとも。
今回の計画についてもその一環だと考えてよく、これは中国政府も絡んだプロジェクトだと言えそうです(第一汽車は中国の国営企業でもある)。
紅旗S9とは?
そしてここで設計や生産が行われることになるのが「S9」。
これは当初「1000馬力オーバーのピュアエレクトリックカー」として発表されたものの、後に「V8ツインターボエンジン搭載のハイブリッドスポーツ」へと路線変更がなされています。
おそらくは「ピュアエレクトリックでの実現が難しかった」のだと思われるものの、今回の提携先が「シルクEV」ということ、そして現在の中国の政策からして当初計画のEVへと戻す可能性もありそうですね。

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そのデザインは大きく見直される可能性も
なお、興味深いのは、今回の報道において「デザイン部門の副管理者」にワルター・デ・シルヴァ氏が就任すること。
同氏はアルファロメオでは156、フォルクスワーゲングループだとアウディR8、フォルクスワーゲン・シロッコ等を手掛け、その後にグループのデザインを統括する立場に。
加えて、ランボルギーニにおいては「ミウラ・コンセプト」、そして「エゴイスタ」をデザインしています。
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今回、ワルター・デ・シルヴァ氏によれば「新エネルギー車である紅旗Sシリーズをデザインできることになって非常に興奮している。現在S9はスタイリング過程での最終プロセスにあり、美しさ、そしてエレガンスがそのコアだ。中国とイタリアはこのジョインとベンチャーを通じて自動車業界にイノベーションを起こしてゆくだろう」。
この紅旗S9については国家規模のプロジェクトだと考えてよく、中国が「新しい自動車業界のリーダー」ということを示すために必ず実現させ、そして世界最高峰のパフォーマンスが与えられることになるかと思いますが、続報を待ちたいと思います。

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