| ただし車両の価格が高くなり、事故の際の修理コストが上がるなどの問題も |
さらには明るい場所での視認性、汚れや盗難対策など問題山積
さて、自動車の電動化が進むにつれ、自動車のスマートフォン化が進んでいるという状況ですが、韓国ヒョンデは昨年3月に「将来的にフロントグリルにLEDディスプレイを仕込み、車外へとメッセージを伝えるようにする」と発表しています。
そして今回、そのヒョンデがテキサス・インスツルメンツ、メビウスといったサプライヤーとの共同によってこのRGB LEDディスプレイを開発しているというリークがなされており、どうやらこれが本当に実現する可能性が出てきたようですね。
ヒョンデは「未来のクルマ」がこうなると考えている
そこで昨年にヒョンデがYoutubeにて公開した動画を見てみると、今後のクルマのフロントには何らかの”インタラクティブな”機能をもたせるとしており、中にはインテグレートバンパー、そしてアクティブLEDライトといった機能に混じって「LCDディスプレイ」といったものも。
ただし今回のリークによると、このLCDディスプレイは(理由は不明ですが)RGB LEDディスプレイへと置き換えられて開発がなされており、しかしその機能はLCDディスプレイと同等かと思われます。
たとえばオーナーに対してウエルカムシークエンスを実行したり・・・。
歩行者に対してメッセージを表示したり。
さらには車両の情報や・・・。
モニター代わりにして映像を楽しんだり。
こういったメッセージは周囲から見えないと意味はなく、昼間でも視認できるようにかなり高い輝度を持つ必要がありますが、その輝度を確保できるのがLCDではなくLEDだったのかもしれません。
ただしこの実現には様々な問題も
ぼくが思うに、こういった技術は各社とも以前から提案を行っているものの、実装するのは難しいかもしれません。
技術的には難しいものではないと考えていますが、このメッセージを投影することを前提にクルマを設計するのはかなり危険であり、上述のような「昼間」など、ディスプレイが見えない、もしくは見えにくい場面もあり、そしてディスプレイが汚れていても情報を読み取れず、となると「こちらが表示しているつもりでも、相手に伝わっていない」ことも考えられるため。
よって、このディスプレイは「補完」程度に留めておくのがいいのかもしれません。
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そしてもうひとつは、こういった情報を表示するための操作に気を取られると事故に繋がりかねないこと。
様々な情報を表示できるということは、そのぶん様々な操作が必要になると考えてよく、それだけドライバーにとって負担を強いることになり、そして一歩間違えば周囲を圧迫するようなネガティブな、もしくは脅迫的な言葉を表示することができる可能性もあり、それもまた別の問題となりえます。
そのほか、実用的な問題としては、事故を起こせばかなり高い確率でこの部分を破損することになり、となると修理に高額な費用負担が生じるであろうこと(新車購入時の車両価格も高くなる)、そもそも車外にこういった高額なパーツを装着していればパーツの盗難に遭う可能性も低くはないことも懸念として考えられ、様々な観点から見て、「購入者にとっては、コストや操作の負担の割に、メリットが小さいだろう」とも考えており、つまり市場が望んでいない機能なんじゃないかとも考えています。
ヒョンデの「インタラクティブグリル」を紹介する動画はこちら
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参照:HYUNDAI