先日、ポルシェ・マカンを購入するとしたら?という記事をアップしましたが、今回は支払い含め具体的に考えてみます。
まず、仕様は下記の通り。
・ポルシェ・マカン(ベースグレード)
・パークアシスト+バックモニタ
・プライバシーガラス
合計6647000円
これに諸経費などが必要となりますが、だいたい50万円くらい?とざっくり考えると715万円、面倒なので720万円というのが支払総額になろうかと思います。
実際に購入すると、納車後にレーダー探知機やホイールペイント、キセノンヘッドライトへの交換、コーディングなどが必要になるので、+40万円ほどは必要になるとは思われます。
マカンを購入するとなると、今乗っているポルシェ・ボクスターは下取りに出すことになりますが、そうなると頭金をどこまで用意できるか、という感じにはなりますね。
そこで、残りの金額をローンで支払うとどのくらいの負担になるのか?を先日のアウディのシミュレーターを使用したポルシェの購入方法「ポルシェは高嶺の花か?パワーローンでの購入を考える」にて再考してみますが、今回は価格の近いアウディQ5を選択。
総支払い金額720万円からQ5の車両本体価格を差し引いた額を「諸費用・オプション代金等」に入力してポルシェ・マカンの金額と同じになるように設定し、頭金を仮に450万に設定。
残価はマカンの場合もう少し高いのですが、Q5のシミュレーター上、これ以上の価格を設定できないので、暫定にてこのままにしておきます。
なお、金利はそのときどきで異なりますが、さほど大きな差はありません。
で、計算してみると月々の支払いが15100円!
こうなると「ボクスターから乗り換えようかな」という気持ちもムクムクと出てきますね。
ボクスター(981)は今年車検を迎えますが、タイヤがそろそろ寿命で、その他もろもろの交換を考えると合計で車検には50-60万円ほどは覚悟する必要があり(たぶんタイヤだけで28万円くらい)、そうなると「買い替え」というのもひとつの選択肢ではありますね。
今ボクスターを売却すると450万円くらいとして、車検を通すと50万円は出費が必要になります。
そうしてあと2年ほど乗ったとなると売却金額は300万円ほど(もしかすると下回るかも)になることが予想されますが、車検と消耗品の交換で使った50万円はそこにほぼ反映されないわけで、そう考えるとそのときの実質売却金額は300万円から50万円を引いた250万円とも考えられます。
そしてその時に何かに乗り換えようとしても、金銭的にかなりキツい可能性が。
であれば「今の450万」と「2年後の250万」を天秤にかけるという考え方も出てくるのですね。
目減りする前に他の車に乗り換えておき、その車も目減りする前にまた乗り換える、というのがぼくの今までの方法です。
「車をずっと所有する」ことを前提に考えると、そうしたほうが失う金額が少ない場合があり、人によって損益分岐点は異なりますが、ポルシェのように高額な車で、かつ比較的タマ数が多い車の場合は、価格が下がりきる前に手放したほうが良いケースが多々あると考えています(一番お得なのは中古を購入することですが)。
たとえば「月4万円ほど車のローンに割ける余裕がある」場合は、定期的に(先にUPした残価設定ローンを使用して)乗り換え、永遠に月4万円ほどを払い続ける、という選択肢もあるわけですね。
400万円の車を残価設定ローンで購入して月4万円のローンを払う→またその車を250万円で売却して500万円の車を残価設定ローンで月4万円払う→またその車を売却して600万円の車を残価設定ローンで月4万円払う、というようなこともローンの支払いと別にいくらか貯めてゆけば可能なわけです。
ですが、最初の400万円の車のローンの支払いが終わるのを待って買い換えると(ぼくはだいたい5年ローンです)、その車の価値は150万円程度になってしまい、そうなると「それを元手に」という買い替えが難しくなるということですね。
実際はこのあたりそう単純ではなく、「車の値落ちスピード」と「ローンの支払いによって残価が減るスピード」との兼ね合いで売買の意思決定を行う必要があり、かつ「リセールの高い」車を選ぶことも重要です。
そして、「出たところ」を狙うのも非常に有効と考えています。
欧州車の場合は新型車発売時は比較的安く設定し、モデルイヤーごとに価格を上げ、最後にお買得モデルを設定する傾向にあるので、最初のモデルイヤーを購入してその後1-2年後に売却すれば、人気の高いうちに、そして値上げ後の車両価格に引っ張られた市場価格を反映した価格で売却できる可能性が高いわけですね。
一方、国産車は発売直後がピークなので、発売後にどんどん販売数が減り、コストダウンや装備変更で価格を下げたり、テコ入れのために装備を逆に上げて価格維持や値下げを行うことがあります。
なので、国産車のほうが逆に「発売初期は手を出すべきではない」とも考えています(もちろん車種によりますが)。
よって、ぼくは欧州車の場合モデル末期のお買い得車を購入することはないですし(結局損をする)、「欧州車はモデル末期が熟成されている」ということはまったく考えずに初期モデルを購入します。
今までのミニクーパーS(R56)、レンジローバー・イヴォーク、VWシロッコ、ポルシェ911カレラなどはそのパターンですね。
アウディTT、ランボルギーニ・ガヤルドはモデルライフ中期ですが、いずれもフェイスリフト「直後」のモデルです。
マカンはおそらくですがポルシェの中でもっともリセールの高い車だとぼくは認識しており、出たところで非常に人気の高い今購入しておけば、のちの乗り換えも相当に楽になることが予想されます(そしてカイエン同様に、今後装備の充実とともに価格が上がってゆくことが予想される)。
売りどきと買いどきということについては、レンジローバー・イヴォークは受給が逼迫することを想定して早期に予約を入れて早段階で納車を受け、バックオーダーがあるうちに売ったので購入価格で売却できたのですが、売却時期が遅かったり、今後数年経って売った場合はおそらく「(悲しいことですが)厳しい」売却金額になるだろう、と考えています。※しかしその一方で、売却したことを後悔している車でもありますが
レンジローバー・イヴォーク発売後にはレクサスNXやBMW X1、メルセデス・ベンツGLAなどライバルが多数登場しており、今回検討しているポルシェ・マカンなど多数の競合が登場しています。
そして後から登場するモデルはライバルをよく研究しているので、車というのは(ベンチマークされる側であればあるほど)相対的に価値を下げるものであり、「長く乗ったほうが良い」かといえばそうでもない、ということです。
車は年を減るごとに価値が下がりますが、同時にメンテナンス費用が増大します。
しかしながら投じたメンテナンス費用は売却時には考慮されないので、一定の年数を超えると(車によって異なりますが)売却が思うようにできなくなるケースがあり、そのあたりの「見極め」が重要になってくる、と考えています。
ぼくらの人生は「続いて」ゆきますし、そこにずっと車が一緒にあるのなら、「今」だけではなく将来のことを考えて車選びをする必要があります。
車を何台か乗り換えていると「羽振りが良さそう」に見えるかとは思いますが、株式と同じで、一定の資金をもって、売りどきと買い時、優良銘柄を選んでいるだけで、そしてぼくは常に車、売買次期ともに最適な選択を心がけるようにしています。