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ポルシェは転売抑止のため、限定モデルについて”リース販売”を検討。ポルシェCEO「我々がクルマを売りたいのはドライバーであり、ブローカーではない」

2019/03/27

| ただし、購入したクルマを「自分の名義」に変更できないのはイタい |

ポルシェが転売を防ぐため、限定モデルの販売方法を「リース」とする可能性を示唆。
もとはというと、数年前にポルシェが「911R」を発売した際、その価格が(新車価格2200万円くらいから)一気に1億円にまで上昇したことに起因しており、ポルシェとしてはこの状況に憂いを示しているということですね。※その後911Rの相場は落ち着き、現在は3500万円くらい

ポルシェは「運転する人」にこそ乗って欲しい

なお、911Rの相場が上昇した理由としては、当初「GT3スペックを持つ唯一のマニュアル・トランスミッション車」ということでマニアが飛びつき、そして「991台の限定台数に漏れた」人々がなんとかこれを手に入れようと中古市場に殺到したため。

つまり当初は「本当に911Rが欲しくて、MTでGT3スペックを走らせたかった」人々がプレミアを支払っていたと思われます。

ただしそうなると、血の匂いを嗅ぎつけたサメのようにブローカーが群がり、ブローカーがこれを買い占めることで市場に個体が枯渇し、枯渇したところでブローカーが高値で「小出し」にすることで億という相場が形成されることになる、ということですね。※よって、911Rの相場高騰後には「未走行」の個体が急増し、納車後には”乗らずに売る”という傾向が加速

つまり「実需」をかけ離れた投機商品としての相場が形成されたということになりますが、これについてはポルシェも過去に言及しています。

https://intensive911.com/?p=82772

今回はポルシェCEO自らが解決策を提示

ただ、当時これに懸念を示したのはポルシェGT部門のボスで、しかし今回同じ問題に言及したのはポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏。

同氏によると、「我々がクルマを売りたいのはブローカーに対してではなく、顧客に対してだ。ガレージに置いておく人々よりも、自分が走らせるためにクルマを買う人に対してこそ販売すべきだ」。

そして転売や投機商品的な扱いを避けるためにできる対策の一つが「リース」だとも述べているわけですね。※じゃあ転売が出ないくらい、つまり「みんなに行き渡るくらいの数を作ればいいじゃない」とは思うが、それはまた別問題

なお、リースだと所有権はディーラー(もしくは管理会社)側に帰属するので転売は事実上不可能。
同じような考え方だと、一部メーカーが限定車について「ローンでしか販売しない(ローンだと、払い終えるまでは所有権が信販会社にある)」という方法を取り、所有権を購入者に移転させないようにしたという話も。

そのほか、フォードGTは購入時に「2年間は転売しない」という契約書にサインすることになるそうですが、これも色々と問題が生じており、なにかと「転売抑制」は難しそう。

なお、転売対策が取られているはずのメルセデスAMG GT ONE、アストンマーティン・ヴァルキリー、マクラーレン・セナ、ブガッティ・ディーヴォにおいても転売物件が登場しており、こういった状況を見ると「どうやっても防ぎきれない(抜け目がある)」ところもありそうですね。

加えて、今回のポルシェの考えた対策のように「リースでしか購入できない」というのも、オーナーにとってはそのクルマに対する愛着を殺ぐことになる部分でもあり、ここも懸念の一つではあります。

「湾岸ミッドナイト」でも記載がありましたが、同じクルマを運転するのにも、「自分名義のクルマと、他人名義のままでは違う」とぼくは考えているわけですね。

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