先日、古い自動車についてパリ市内への進入規制が施行される旨お伝えしましたが、今回はバイクについて。
バイクにおいては製造17年を経過したものがパリ市内の通行ができなくなるとのことで、これは早速来月より実施だそうです。
具体的には1999年6月1日以前に製造されたバイクは朝8時から夜8時までパリを通行できなくなるというもので、これに違反すると35ユーロの罰金を支払う必要がある、とのこと。
自動車もやはり1999年以前に製造された車の市内への乗り入れができなくなりますが、これによって環境とともに街中の風景が大きく変わりそうですね。
一方イタリアではフィアット500の前モデルを保護するために特別に法を設けている(本来であれば基準を満たさないので走行できないものの、フィアット500はイタリアの財産ということで特例として認める)そうですが、国によって随分考え方が異なるものだと思います。
関連投稿:できるのか?バイク天国ハノイが2025年までに「バイク全面禁止」
ハノイ(ベトナム)はその交通渋滞でも有名ですが、現在約500万台のバイクが走っている、とのこと。
今後5年の間にこれは700万台にまで拡大すると予想されていますが、それによる大気汚染や渋滞を考慮し、政府は2025年までに「完全に」ハノイでのバイク使用を禁じる意向だそうです。
フランスはすでに1999年以前に製造されたバイクをパリ市内へ乗り入れることを禁じると決定済みですが、こちらはまだ「新しいバイクだと乗り入れ可能」。
バイクメーカーにとってもある種の救済措置とも言えますが、ハノイの場合は「完全にバイク禁止」なのでバイクメーカーにとっての打撃は大きそうです。
住民に対しては「バイクの利用をやめて公共交通機関の使用を」ということのようですが、相当に大胆な政策ではありますね。
なお似たようなものとしては中国・広州にて2008年11月に「ガソリンエンジン搭載のバイクを全面禁止」したことがあり、その際に中国名物、電動スクーターが大量発生することに。
今回のハノイの方針は「エンジン」が基準なのか「原動機付き二輪」が基準なのか不明ですが、前者であれば中国のように電動二輪が増えるだけで交通渋滞の緩和にはならなさそうであり、今後の成り行きには注目です。
なおハノイには1000台のバスがあり、月間2700万人の利用者がいる、とのこと。
現在でも相当数が利用しており、バイクを禁じるとなるとバスも増やす必要がありそうですね。
さらには今回のバイク禁止にあわせて6本の地下鉄、18本の新しい橋の建設を考えている模様。
東南アジアは湾や川が多く、どうしてもそれを超える道路が限られるため、そこで渋滞が発生してしまうようですね。
同じバイク関連としては、米国カリフォルニア州がバイク専用レーンを設けることを決定しており、これは渋滞緩和や(環境面での)バイク促進というよりも、バイクが遅い車を抜くために車線変更を繰り返したり、それによる事故が多発したりすることを防止するという「安全面」が目的、とのこと。
北京では初の大気汚染によるレッドアラートが発令されましたが、これを受けてナンバープレートに寄る走行規制を行う模様。
他の国同様に偶数奇数での規制に加えて曜日の規制も行うようですが、他の国では規制を逃れるために車を買い増しするという行為が出てきてあまり効果が無かった(しかし経済的には効果があった)という事例もありました。
中国の場合もやはり買い増しをしたり賄賂によってなんとかしたりという事例が横行しそうですが、未曾有の危機とも言えますね。
何度か北京を訪問したことがありますが、大気汚染というか砂埃がひどく、砂埃を被っている車が多く、そしてその後に雨が降ると異常に車が汚くなっていたことが記憶に残っています。