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価格に比べ装備充実のVWゴルフGTI試乗。比類ないコストパフォーマンスを誇るホットハッチ

2017/08/16


フォルクスワーゲン・ゴルフGTIに試乗。
フェイスリフトを受けた最新のゴルフ7世代となりますが、よく考えるとこの世代のゴルフGTIに乗るのは初めて。
エンジンは2リッターターボ、230馬力を発生し駆動方式はFF。
試乗車のトランスミッションは6速DSGですが、マニュアルトランスミッションもラインアップ。
車両本体価格は3,999,000円となっています。

電制デフを装備し、可変式ステアリング「プログレッシブステアリング」、オプションでは「ノーマル」「エコ」「スポーツ」「カスタム」を選択できる「ドライビングプロファイル(ドライブモード)」も備えるのが特徴。

試乗車にはさらにオプションの「テックパック」が装着されており、LEDヘッドライトにシーケンシャル点灯式LEDウインカーを内蔵したテールランプが装備されることで、もともと先進的であった各部がさらに洗練された印象ですね。

室内だと(これもオプションで)インフォテイメントシステムが「ジャスチャー対応」のDiscover Proにバージョンアップし、デジタルメータークラスター「Active Inf Display」装備などこちらも先進性を増していますが、これらはランボルギーニ・ウラカンをも凌ぐ装備となっており、こういったオプションが用意されるのもフォルクスワーゲン・アウディグループの底力を感じるところ。

ゴルフはフォルクスワーゲンにとっての「稼ぎ頭」で、利益を削ってでもライバルより販売を有利にしなくてはならないという使命が与えられており、そのために元来「その価格以上」の装備を持っているものの、オプション群の価格にしても他メーカーよりずっと安価で(この価格でアダプティブシャシーやダイナミックヘッドライトを装備できる車は多分他にない)、オプションをつけなくても、そしてオプションをつけたとしても「お買い得」な車。

フォルクスワーゲン・アウディグループは現在自動車販売台数「世界一」ですが、その物量をもって開発コストや仕入れコストを平準化できるので、「車そのものやオプションを安く作れる」下地をもっている、ということでゴルフもその恩恵を存分に受けた車(MQBプラットフォームの導入によって相当なコスト削減ができた模様)。

さらにはポルシェ、ランボルギーニ、ベントレー、ブガッティといった上位ブランドを持つために、それらブランドからの「フィードバック」を受けることができる環境にあるのも事実。

たとえばデジタルメータークラスターはランボルギーニ・ウラカンと(アウディとも)同じですし、さらにはドライブモード、それの基本部分を担うマグネライドも同様と考えられます。

安全性においては標準装備として渋滞時追従支援システム、レーンキープアシスト、アダプティブクルーズコントロール、ダイナミックコーナリングライト、スタティックコーナリングライト、プリクラッシュブレーキシステム、その他数え切れないほどの充実したデバイスを持ち、グループ内の先進装備が惜しげも無く与えられることに。

現行ゴルフ(ゴルフ7)のプラットフォームは「MQB=Modulare Quer Baukasten」。
MQBは設計やパーツを共有することで車種間のコストを抑えること、最高レベルの強度確保を目的に開発されたフォルクスワーゲン・アウディグループのキモ入りプラットフォーム。
「コスト削減」と聞くといい気はしないかもしれませんが、別の視点から見ると「削減した分のコストで別の部分にコストを掛けることが出来る」、「下位モデルであれば上位モデルと同等のプラットフォームを使わせてもらえる」という利点も。

MQBが使用されるモデルはゴルフ7、ゴルフトゥーラン、B8パサート、AD1ティグアン、アトラス(北米専用)、最新モデルのアルテオン。
アウディでMQBを使用するのはQ2、8V型Q3、8S型TT、B9型A4。
つまりゴルフ7にとっては「上位モデルと同じプラットフォームが与えられた」ことになりますね(スポーツモデルのアウディTTと同じプラットフォーム)。

こういった感じでグループ内からの多大なる恩恵をもっとも受けているのが「ゴルフ」と考えており、そのためゴルフはほかメーカーの同価格帯の車に比べるとひとクラス以上「上」のポテンシャルや装備を持っている、と考えています(ほかメーカーの開発担当者から見るとゴルフは「反則」のように思えるかもしれない)。

ゴルフのコストパフォーマンスがいかに優れているかはどれだけでも語ることが出来ますが、あまりそこだけにフォーカスも出来ないので、とりあえず試乗に移りたいと思います。

外観は上述の通り先進的。
見ただけで「アダプティブヘッドライト」とわかる複雑な構造を持つヘッドライト、ガイドのついたエアインテーク、その奥に見えるLEDフォグランプ、そしてこれも一見してわかるLEDテールランプに高級感漂う切削加工のホイール。
一部オプションも含まれますが基本的な外観からして「価格以上」の品質や先進性が感じられるものであり、GTIにはヘッドライトからフロントグリルに通じる「レッドのアクセント」が与えられることで一層の「特別感」も感じられます。



内装だとチェックのシートがやはり「GTI」で、この柄は日本車や他の欧州車でもなかなかお目にかかれず、購入後もオーナーの満足感を維持させ愛着を抱かせるゴルフGTIならではの装備だと思われる部分。

シートに腰を下ろし各ミラーを調整しますが、内装の調度もやはり車格を超えたもので、アルミ調パーツ、フレームのないルームミラーは高級感や質感を感じさせます。

シートの着座位置は低く、シートのサポート性も良好。
座面はやや硬めで、目に入る部分、そして体に触れる部分など「人の感覚に訴えかける部分」からしてスポーティ。
エンジンのスタートは(これも先進的なデザインを持つ)ブレーキペダルを踏みながらセンターコンソールにあるスタートボタンを押して行いますが、エンジン始動時の振動やサウンドは低く抑えられており、スポーツモデルといえども快適性に配慮している模様。

まずはドライブモードを「コンフォート」のままスタートさせますが、このモードだと「普通のゴルフをちょっとだけシャープにしたような感じ」。
スタンダードなゴルフに比べて足回りが繊細で(ロードインフォーメーションがよく伝わる)、ステアリング操作に対する反応がよく正確で(遊びが少ない)、それはアクセル操作についても同じ。

この時点でも「やっぱり同じゴルフといえどもGTIは違うんだな」と思わせるところで、おそらくは通常ゴルフから「単にサスペンションを低く固めてパワーアップしただけ」ではなく、細かいところの精度を向上させているのだろうという印象も受けます。

ここでドライブモードを「スポーツ」に入れますが、当然のようにその性格は激変。
印象として大きく変わるのは「シフトプログラム」で、これは思った以上に「上まで」引っ張る設定に。
加えてステアリングホイールの「重さ」もずっしりとしたものへと変わり、この二つが感覚的に変更範囲が大きい、と感じる部分ですね。

そのほかはもちろんアクセルに対するレスポンス、サスペンションの設定も変更されますが、普通に走っているぶんには上記二つ(シフトプログラムとステアリングホイール)ほど大きな変化はなく、しかしこれは高回転までエンジンを回し、車体に負荷のかかるような走りを行うと明確な差異が感じられ、高回転域では大排気量NAのようなアクセルのツキの良さ、カーブではより車格の高いスポーツカーのような安定したコーナリングを見せるのには驚かされるところでもあります。

ブレーキング、ハンドリング、足回りについてはこれまでのゴルフ7同様に不満などあろうはずはなく、また内装の質感や操作性も同様。
ウインカーレバーのタッチ、ステアリングホイールに使用されるレザーの質感一つ取っても同クラスの車では太刀打ちできないレベルにあると断言できます。

弱点があるとすればブランドバリュー(ぼくにとっては唯一にして最大)、そしてリセールの低さ。
実際のところ3年後の残価設定は45%と低い数字となっており、この部分がが許容できるかどうか、というのは自分と折り合いをつける必要がありそうですね。

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