ドバイが一気にエレクトリック化を進める意向。EV普及に向けEV優遇政策を強化
ドバイといえば「石油」というイメージがあるものの(実際はそうでもなく、ドバイはあまり石油が出ない)、そのドバイがEV(電気自動車)普及に向けて本腰。
ぼくがドバイを訪れて感じたのは「全然EVやハイブリッドカーが走っていない」ということですが、石油価格が非常に安く、そもそも高価なEVに乗ろうという気が起きないのかもしれません(後に聞いた話では、熱に起因する問題により、中東でEV販売を行うメーカー自体が少ないとのこと)。
そもそも現在ではEV購入のメリットが感じられない
EVは現時点でガソリン車より「どうやっても」高価な車。いかに補助金が出ようともとうてい「モトをとる」のは難しく、ハイブリッドカーと違って売却時の価格も「異常」といえる領域まで下がります。
ハイブリッドカー、たとえばプリウスであれば購入時もガソリンエンジン車に比べると高価ではあるものの、売却時もそれなりに高額の査定がつくので、「買ってから売る」までのこと、そしてその間の維持費を考えると「割に合う」買い物かもしれません。
ですがEVの場合は「売る時に安すぎ」るので、正直なところ「割に合わない」買い物だとぼくは考えています。
そのほかEVには「充電」といった問題がつきまとい、今の段階では不便で、なにかと我慢や金銭的負担を強いられる乗り物ということになりますが、一部の国ではそういったEVのビハインドを理解した上で、税金や高速道路の通行料金、駐車に関して優遇を行っている国も。
こういった優遇はひとつひとつであれば小さなものですが、毎日EVに乗ることを考えると「かなり大きい」部分。
実際、ぼくもEV(BMW i3)に乗っていて一番便利だと感じていたのが「商業施設(ショッピングセンター)において、EV専用のスペースに駐車できる」ということ。
駐車場が混んでいたとしても待たずに、しかも「入口に近い」いい位置に停めることができるので、これは実生活においては非常に便利。
やっぱりこれくらい優遇しないとEVは普及しない
今回ドバイの政府関連機関、RTA(Road and Transport Authorit)とDEWA(Dubai Electricity and Water Authority)がEV普及のために打ち出したのは、EVについて「登録無料」「市内の駐車無料(40箇所)」「高速道路無料」「2019年までしない00箇所の施設で充電無料」。
なおドバイには現在800台のEVがあるそうですが(ぼくの印象的には0台)、今回の政策によって、2020年には市内で登録される2%、2030年には10%までEV比率を高めたい、としています。
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