| ポルシェ356はエクストリームな環境を走るため、命を守るためのカスタムが施され、究極のチャレンジへ |
「RACE TO RESCUE」の文字が誇らしげに輝く
さて、なんとポルシェ356を南極走行用に改造してしまった車両が登場。
ただ、これはよくあるユーチューバーの「おふざけ」ではなく、いたってまじめな行動のためで、子供の人身売買をなくすという人道的目標を掲げた「プロジェクト356ワールドラリー」の一環として製作されたもの。
なお、このプロジェクト356ラリーはこれまでにもアメリカ、アジア、ヨーロッパ、南アフリカ、オーストラリアなどで開催されており、ついに今回は「南極に到達」することとなったようですね。
ポルシェ356の改造にかかったのは18ヶ月
このポルシェ356を改造したのはエンジニアであり極地探検家でもあるキエロン・ブラッドリー氏だと伝えられ、フロントアクスルにスキーを装着したり、専用のブレースやサスペンションシステムを採用したり、氷や雪の上で最大限のトラクションを得るためにリアタイヤを交換したりといったカスタムが施されています。
そのほか万一に備えてロールケージ、太陽と雪の両方を反射する両面ソーラーパネル、柔らかい雪でも車を持ち上げることができる4トンのバッグジャッキ、12V低温コンプレッサー、さらには緊急時のためのサバイバルドレス、水、通信機器なども装備されている、とのこと。
ちなみに12月の南極は日照時間が24時間なので、車内の照明を外して軽量化を図っており、 ラリー終了後にはユニオン氷河での陸上速度記録に挑戦する予定だとアナウンスされています。
ポルシェ356を走らせるのは「ヴァルキリー・レーシング」
そしてこのポルシェ356を所有し走らせるのはヴァルキリー・レーシングなる非営利レーシングチームだそうですが、このヴァルキリー・レーシングを率いるのはアメリカ人の女性レーシングドライバー、レネ・ブリンカーホフさん。
レネ・ブリンカーホフさんのレース経験は2013年の「ラ・カレラ・パンアメリカーナ」から始まっており、このイベントでは、いくつかのクラスで優勝したほか、2017年のイベントでは「スポーツ・メナー」クラスで女性初の優勝を果たしています。
彼女はレーシングドライバーであると同時に慈善家でもあるそうですが、上述の通り「子供の人身売買をなくす」という人道的目標のためにポルシェ356のステアリングホイールをを握り、7大陸を横断する20,000マイルの旅を続行中。
そして彼女はこの「南極」という困難な最終ステージに挑むことになりますが、このカスタムされたポルシェ356にて、356マイル(573km)の凍てつく大地をを走破することになるようですね。
なお356ドルを寄付すると、ボンネットの下に名前を入れてくれるそうですが、収益金はすべて慈善団体「ヴァルキリー・ギブス」に寄付され、そこから各慈善団体や援助機関に分配される、とのこと。
これまでのポルシェ356チャレンジの様子を収めた動画はこちら
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