| ポルシェはもともと「ワゴンが不人気であることを理解の上」ワゴン市場へと参入したが |
ポルシェの力を持ってしてもトレンドをひっくり返すことは難しかったようだ
さて、ポルシェは新型パナメーラを公開したところではありますが、今回ポルシェが正式に「ワゴン(スポーツツーリスモ)」を廃止するとコメント。
これはポルシェの広報担当者がオートモーティブ・ニュース・ヨーロッパとのインタビューにて明かしたもので「当社のDセグメントの主要市場である中国と米国では、スポーツツーリスモの役割は小さい。このため、われわれはこれを中止することを決定しました」と語っています。
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ポルシェは「ワゴン不人気」をなんとか覆そうと考えたが
なお、パナメーラのワゴンボディが発売される際、ポルシェは「(当時の)主要市場であるアメリカにて、ワゴンが売れないのはわかっているが、それを覆し、パナメーラ・スポーツツーリスモをヒット商品にしたい」とコメントしています。
アメリカ市場でワゴンボディが売れないのは「大は小を兼ねる」ということなのか、ワゴンよりもSUVを選ぶユーザーが多いからだとされ(そのため、北米市場には意外とワゴンが導入されていない)、中国市場でワゴンの人気がないのは「商用車のイメージが強いから」だとも。
ただしポルシェはそういったイメージをひっくり返すべく「スタイリッシュなワゴン」を投入し、その分野でのリーダーになろうと考えたのだと思われますが(願わくばワゴンをSUVに次ぐ柱にしたかった)、その想いもむなしく、ポルシェ曰く「パナメーラのワゴンボディを選んだ人はごくわずか」。
ポルシェは今回ワゴンボディの販売台数について公表していないものの、おそらくは10%未満だと推測されており、この数値が正しければポルシェがワゴンボディを廃止するのも「やむなし」なのかもしれません。
今後、パナメーラはセダン、およびそのロングホイールベースのみの展開に
よって今後、パナメーラはセダンボディ、そしてそのローングホイールベースバージョンのみのラインアップとなりますが、つまり「中国専用モデル」としてスタートしたロングホイールベースの人気はワゴンボディを上回るということになりそうです。
なお、現時点ではタイカンについてはそのワゴンボディ(クロスツーリスモ)の廃止に言及されていないものの、こちらについても販売終了となるのは「時間の問題」なのかもしれません。
SUVが登場する前であればフォード・トーラス、ボルボのステーションワゴンなど「人気ワゴン」がいくつか登場したものの、これだけSUVの選択肢が増えた現状ではあえてワゴンを選ぶ意味は見出せず(しかもワゴンの選択肢は豊富ではない)、かつ「高級さ」ではやはりセダンボディには対抗できず、時代とともにワゴンの存在意義が失われてしまったのだとも考えられます。
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参照:Automotive News Europe