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レクサスが「和風」へとブランドシフト。なぜ自動車メーカーは車以外の付加価値を模索し始めるように?

2017/03/07

| レクサスはようやくドイツ車コンプレックスから抜け出せたようだ |

DIAMOND ONLINEにて、「レクサスが和風へとブランドシフトする理由」という記事が掲載に。
これによると、レクサスの最新モデル「LC」「LS」を発表したこのタイミングにて、レクサスは「ブランドシフト」を行う、と強調したとのこと。
そして、その方向性とは「ライフスタイル系」としています。

レクサスは思い切ったブランドシフトを行うつもりだ

以前にレクサスはメルセデス・ベンツ、BMW、アウディといった「ドイツ御三家」には勝てないというコメントを出していましたが、「じゃあどうすれば」ということで出てきたのがこの「ブランドシフト」なのかもしれません。  

まず、ダイヤモンド・オンラインでは下記のように今回のブランドシフトについて紹介しています。

具体的には「和風」である。
「和風」といっても、日本初体験の外国人が京都旅行に行くような、古典的な「和風」ではなく、日本全国で才能を開花させようとしている若きクリエーターたちに代表される、次世代の「和風」だ。
そこで必要となるのが、「コト造り」だ。
レクサスには、既存顧客や新規顧客向けに「アメイジングエクスペリエンス(驚きの体験)」というプログラムがある。レクサスを単純に試乗するのではなく、海や山といった場所、また夏や冬といった季節を体感する中に「クルマを絡める」というイメージだ。

これはつまり、ひところ日産がTVCMで流していた「モノより思い出」ということなのかもしれません。
加えてマツダ社長も「車そのものというよりも、”車のある生活”をつくりたい」と強調しており、これは自動車メーカー各社とも同じように、そのメーカー(ブランド)の車を購入する必然性の周知、もしくは動機づけを消費者に対して行いたいのでしょうね(マツダはその点上手で、Zoom Zoomやスカイアクティブを強調し、スバルもアイサイトを強調)。

ちょっと前であれば性能や技術、デザインでブランドの差別化を行うこととができたかもしれませんが、テクノロジーが高止まりしてしまった今(正確に言うとまだ上はいくらでもあるが、価格面、また消費者が現段階では求めていない/ついてこれないものも多数)、各メーカーの間で「どの車を買っても一緒」といった現実があるのだと思われます。

よって、自動車メーカーは「自動車本体の価値」はもちろんですが、それ以外でも付加価値を模索する必要がある、ということですね。
これはたとえばフェラーリが力を入れているイベントもそうですし、ランボルギーニが今年からイベントに注力しているのも同じかもしれません(レクサスが最近スケボーを作ったりボートに手を出したりソースとコラボしたりするのもそこに理由があるのかも)。

もう自動車は「扱いきれないほど」高性能なところへ来ていて、自動車メーカーは他の何かを考えなくては差別化できないというのが今の状況で、これに気づかずに「性能」推しで売っていると早晩売上が下がる、とも考えられます(NSXはそうなるのかもしれない)。

一般的に、欧米の自動車はそのモデルライフ通じて売上が安定したり、あとになるほど販売が伸びたりしますが、日本の自動車は「発売時は勢いがいい」ものの、その後はどんどん尻すぼみに。

これはその車の持つ「この車に乗ると何か生活が変わるかも」という予感、メーカーの提供してくれる体験などが影響していると思われますが、自動車はもはや生活必需品ではないので、性能や機能よりも重視されるファクターがあり、そこを補完しなければ「若者の自動車離れ」も食い止めることができないのでしょうね(誰も”必要のない”ものは買わない)。

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