| これで日本向けのコルベットも値上げされることはなさそうだ |
以前に「新型コルベットは1台売るごとに220万円もの赤字が出ており、それを補うために2年目以降は大幅値上げを行う」という報道があったものの、どうやら2年目(2021年モデル)は値上げ無しで販売されることになりそう。
これはCorvette Bloggerが報じたもので、コルベットのエンジニアが「我々は顧客に対し、正しい行いをしなければならない」と語り、59,995ドルというベース価格を維持すると宣言したようですね。
C8コルベットは「失敗できない」モデルチェンジだった
なお、この「1台売るごとに220万円の赤字」の理由としては、シボレーはなんとしてもC8コルベットのモデルチェンジを成功させる必要があったため。
C7までのフロントエンジンから一気に「ミッドシップ」へと変更するというドラスティックな変更を行っており、これに際して最も心配していたのは消費者ではなくシボレー。
そのためシボレーは当初「C8コルベット発売後もC7コルベットを併売し、C8コルベットが失敗したらさっさと引き上げてC7に集中する」という計画を持っていたとも報じられています。
しかしながらシボレーはその計画をキャンセルして「C8コルベット一本に」絞ることとし、そのかわりに用いたのが「C7コルベットの5000ドルアップのみ」という割安な価格設定。
C8コルベットは「コストを考慮するとC7コルベットの30%~50%増しの価格設定が妥当」と言われていたことを考えれば「驚くべき安さ」であり、この価格設定によってC8コルベットは大きな人気を得たとも言えそう。
ただ、その代償が「1台売って220万円の赤字」だったわけですが、この赤字はもちろん当初から想定済みであり、対策としてシボレーは「多彩なオプション」を用意。
これによって多数のオプションを装着するオーナーが多数登場し、「ノーオプションにてオーダーされたC8コルベットはわずか1台のみ」という現状に。
そしておそらく、この「高いオプション装着率」はシボレーの想定を超えており、よって「値上げしなくてもすむ」ようになったのかもしれませんね。
2021年モデルのコルベットはオプションがちょっと変更に
そして「値上げなし」の発表とともにアナウンスされたのが若干のオプション内容変更。
大きなものだと「Z51パッケージを選択しなくても、マグネライドを単品で選べるようになる」というものがあり、単品設定されることによって、乗り心地を重視するアメリカ人の多くがこれを選びそう(Z51パッケージを選ぶとけっこう高価になり、かつ”走り”に関するオーバースペックなオプションもついてくる)。
そのほか、ボディカラーだとブレードシルバーとロングビーチレッドが廃止となり、かわりにシルバーフレアとレッドミストメタリックが加入。
シボレーによれば、ブレードシルバーを選んだ人は6%、ロングビーチレッドを選んだ人はわずか5%にとどまる、とのこと。※一番人気はトーチレッド(25%)、次いでアークティックホワイト(15%)
人気オプションだとスポーツエキゾースト(装着率89%)、フロントリフター(58%)、GT2シート(62%)、エンジンアピアランスパッケージ(44%)、そしてブレーキキャリパーだとレッドが一番人気で42%、ホイールだとブラック仕上げが43%で最多となっています。
なお、初年度モデル(2020年モデル)のオーダーは合計20,181台に達し(デリバリー数においてもポルシェ911を抑えてラグジュアリースポーツセグメントでナンバーワン)、83%がハードトップ、17%がコンバーチブルを選んだということですが、「オープン大好きな米国」にしては意外な数字でもありますね。
ちなみに日本仕様のコルベットは1140万円からという設定ですが、今回本国での値上げがなかたったということで、予定通りこの価格を維持できることになりそう。
ただし、装備の違いはあるかもしれませんが、北米での開始価格(邦貨換算で約640万円)に対して日本仕様の1140万円というのはかなり高いプライシングでもあり、このあたりが「日本でアメ車がが売れない」理由のひとつなのでしょうね。
台数が出ないので(この設定については)理解はできるものの、この内外格差が小さくならないことには「高いので売れない」「売れないので安くできない」という連鎖がいつまでも続くことになりそうです。
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