>テスラ(TESLA)

そろそろテスラ買おうかな(株の話だけど)。まだまだ短期では下がるだろうが、中期的に見ると成長余力のほうが大きそう。ようやくテスラの直近の戦略が見えてきた

テスラ

| おそらくテスラはもっとも速いスピードで「下落を食い止める」手段を考え、モデル2ではなく別の方法でコストを引き下げるのだと考える |

「ロボタクシー」については大きな疑問が残るが、現時点でのほかのイーロン・マスクCEOの判断は総合的に「理にかなっている」と捉えていい

さて、ここ最近大きく上下しているテスラの株価。

販売減に加え従業員削減、様々なネガティブな報道に加え「25,000ドルで販売するとされていた廉価版EV(モデル2)の開発を中止した」という報道によって株価が大きく下がってしまい、しかしつい数日前にイーロン・マスクCEOが「廉価版EVの発売を前倒しする」とコメントしたことでまた株価が急騰しているわけですね。

つまりここ最近の焦点は「安価なEV」ということになりますが、これにはかなり複雑な事情があるもよう。

テスラ
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本当に「安価なEV」は発売されるのか

なお、ロイターがはじめて「安価なEVの開発が中止された」と報じた際、イーロン・マスクCEOはこれについて「ロイターは嘘つきである」と避難したものの、安価なEVの開発が行われているのか、実際に発売されるのかどうかについては言及せず、代わりに(間をおいて)コメントしたのが「8月8日にロボタクシーを発売する」。

そして今回、イーロン・マスクCEOが語ったとされるのが「完全新設計の廉価版EVの開発は中止されたが、かわりに新しい製造方法を既存EVに取り入れ、それによって製造原価を大きく下げる」というものです。

そしてこの製造方法を使用したEVは複数存在するというので、もしかすると主力のモデル3やモデルYにこの製造方法が導入され、安価な新型EVを発売する代わりに、これらの製造コストと販売価格を引き下げることで価格競争力と収益性を維持しようと考えているのかもしれません。

この場合、モデル2を投入した場合に比較して製造コストと販売価格はそれほど下がらないかもしれませんが、そのぶん投資金額は大きくはないはずで、テスラにとって「トータルで考えれば」このほうが得策だという判断に至った可能性がありそうです。

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テスラ
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ロボタクシーは本当に実現できる?

そして今回新たに出たウワサとしては、この新しい製造方法を「ロボタクシー」も取り入れるというもので、つまりこれによってテスラは「他のモデルと車体・製造設備を共有することで、ロボタクシーの開発・生産コストを抑えようとしている」のだとも考えることができ、これはこれでスマートな方法だとも考えられます。

というのも、ロボタクシー自体が急速に普及するとは考えられず(実際にテスラはロボタクシーをテストするためのライセンスを取得していないというので、テスト段階にもないものと考えられる)、仮に技術的に実現したとしても、法規の問題によって走行させることができる地域がごく一部に限られてしまい、これで(短期的な)収益をあげることは困難だと考えられるから。

よって、ロボタクシーはいつかは実現されるかもしれないものの、それは今年や来年といったレベルの話ではなく、イーロン・マスクCEOはロボタクシーの開発を継続するためにモデル2プロジェクトをシャットダウンし、そのかわりにモデル3/モデルYのコストを引き下げつつ、この車体をロボタクシーに転用することで全体的な収益のバランスを取ろうとしているのだと考えてよく、全体的な計画の見直しがなされた、というのが真相なのかもしれません。

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結局のところテスラの事実は何なのか

要約するならば、モデル2はもはや存在せず、しかしモデル3/モデルYのコストを下げることで安価に販売してモデル2の代わりにするということで、これによってもたらされるいいニュースは「モデル2の計画よりも早く安価なEVが投入されるため、より早い段階でテスラが競争力を回復できること(モデル2の開発に時間がかかりすぎるため、これを中止し、モデル2よりも早く市場投入できる廉価版モデル3/モデルYの開発を優先した可能性があり、これはこれで英断である)」。

反面、悪いニュースとしては「いかにコストが下がったモデル3/モデルYであったとしても、モデル2ほど劇的には安くはなく、よって販売台数と収益を大きく改善することは難しい」ということで、しかしモデル2の発売を待つ間にBYDはじめほかの中国の自動車メーカーが市場を制圧してしまったら「元も子もなく」、ここはイーロン・マスクCEOの危機感知センサーが正しく作動したところなのかもしれません("完璧を目指すよりもまず終わらせる"ことが重要である)。

そしてもう一つの悪いニュースは「ロボタクシーには今のところ勝算が見えない」ということで、しかしこれはまだまだ数年といったタームで見てゆかないと判断が難しいものと思われます。

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