ダイソンが我々の領域に来るのなら、我々も彼らの領域に出てゆくまでだ
これがアストンマーティンの掃除機だ
ダイソンが「電気自動車に参入」と発表したことで、アストンマーティンがこれに対しネタツィートを公開。
ダイソンの自動車業界への参入に対し「ようこそブリティッシュ・カー・クラブへ」としながらも、ダイソンがアストンマーティンのテリトリーに入ってきたことに対し、「我々も掃除に参入したい」とつぶやいています。
さらには「アストン・マーティン製掃除機」の画像までつけての投稿ですが、この掃除機がなかなか秀逸。
サイドには(エンジンの)シリンダーを思わせる筒が6つあり、これはつまりアストンマーティンのコア・バリューの一つでもある「V12」を模しているようですね(メチャクチャ吸いそう)。
さらに上部と「取っ手」部分にはアストンマーティンらしいベージュのレザーが用いられ、もしろんアストンマーティンのエンブレムつき。
アストンマーティンCEO、アンディ・パーマー氏は見るからに人が良さそうな、そしてユーモアのありそうな人物ですが、こういったツイートを投じるのは初めてではないかと思います。
それだけ「ダイソンがEVに参入」ということは英国にとっても衝撃が大きかったのだと想像できますが、ある意味では本当にダイソンの参入を嬉しく感じているのかもしれませんね。
アストンマーティンCEOはダイソンのEV発売に懐疑的。「まあ頑張れ。無理だろうけど」
アストンマーティンCEO、アンディ・パーマー氏がダイソンの電気自動車事業に対し、やや冷ややかな態度。
ダイソンはテスラほか自動車メーカーから多数の人材を引き抜き「2020年に電気自動車(EV)を発売」と発表していますが、その際にアンディ・パーマー氏は「歓迎する」というコメントを発しています。
ただしコメントの内容を見ると「到底無理だろう」という前提に立ったものであり、そして今回のコメントもやはり「ダイソンには実現できない」という内容のもの。
「誰もがEV発売にかかるコストと時間を甘く見ている」
今回、アンディ・パーマー氏は他の新興EVメーカーも引き合いに出し、「誰もがEV発売にかかる費用や時間を軽視している」と発言。
なおアンディ・パーマー氏は(アストンマーティンに来る前は)日産で副社長を努めており、リーフを市販まで持ってきた人物だけに、その言葉に重みがあるのも確か。
ダイソンは英国政府から援助を受けてはいるものの、アンディ・パーマー氏は「その予算とスケジュールでは到底EV発売は実現できない」としており、「ダイソンにEV開発は無理」という姿勢は崩していないようですね。
「ダイソンにはEVを発売できない」
現実的に世界中で多くのEVベンチャーが立ち上がっており、ファラデー・フューチャーはじめルシード、GAC、サンダーパワー、NIOその他諸々ありますが、実際に発売までこぎつけたものはほぼ皆無。
ライカン・ハイパースポーツも当初は「EV」として計画されるものの最終的にはガソリンエンジンを搭載しており、他にも「EV」から「PHEV」にまでトーンダウンした会社も多数あります。
それだけEVを作るのは難しいということで、実際にアストンマーティンがEV(ラピードE)を発売するにあたっても相当な障壁があった模様。
資金を引き出すために、パーツの品質問題で「煮え湯を飲まされた」中国企業に頭を下げて回るなど想像を絶する苦労があったと思われますが、その本人が「EVは簡単ではない」としているだけに、本当にEVは難しいのでしょうね(そう考えるとテスラはやはり偉業を成し遂げたと言える)。