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ミニ史上もっともミニマリスト。新型ミニクーパーSは「カリスマ的シンプル」を追求、一方で「ゴーカートモード」を装備し走りもアピール

ミニ史上もっともミニマリスト。新型ミニクーパーSは「カリスマ的シンプル」を追求、一方で「ゴーカートモード」を装備し走りもアピール

| 新型ミニクーパーは「もっともクラシックミニの考え方」を忠実に反映したミニだといえる |

そのデザインは内外装ともに大きく変化、しかし「ミニらしさ」は失っていない

さて、ミニが予告していた「新型ミニクーパー」を発表。

まずはピュアエレクトリックモデルのみ(2タイプある)からの登場ですが、新デザイナーのもと”カリスマ・シンプリシティ”なるデザイン言語を採用し、いままでのミニ史上ではもっともスッキリしたデザインが特徴かと思います。

もともとミニは1959年にアレック・イシゴニスによって設計され世に送り出されていますが、今回の新しいミニはもっとも初代の考え方に忠実だとも考えられ、それは「余分なものをすべて削ぎ落とし、限られたスペースを有効活用しているから」。

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新型ミニはこう変わった

そこで新しいミニクーパーを見てみると、丸いヘッドライトと八角形のグリルといった特徴はそのままに、ボンネットが短く、オーバーハングが短く、ホイールベースが長いといったミニの特徴をさらに強調。

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一方で段差を極限まで減らしており、そのため樹脂製のクラッディング、特徴的なアイロン型ドアハンドルが廃止されてフラッシュマウントとなるなど”ツルっと”した外観が特徴です。

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テールランプ形状は大きく変わり、フラッシュマウントかつベゼルレスに。

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ヘッドライトもこれまでのように明確な別体式ベゼルがないように見えますね。

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一方でエンブレムはこれまでどおりの「立体」。

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なお、新型ミニクーパーのCd値は過去最小の0.28であり、これもまた「最小限のパワーで最大効率を追求する」という初代ミニの考え方を反映している部分だと言えるかもしれません。

この新型ミニクーパーは(従来型ミニクーパーS Eのように)BMW i3とパワートレーンを共有せず、完全なる新設計のプラットフォームとパワートレーンを採用しており、ベースモデルのミニクーパーEでは181馬力を発生し、上位モデルのミニクーパーS Eだと215馬力へ。

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ミニクーパーEは0−100km/h加速7.3秒、ミニクーパーSEだと6.7秒という数値が示されていますが、これは航続距離確保のために「意図的に抑えられている」と考えるのが妥当かもしれません。

そして一回の満充電あたり航続距離についてはミニクーパーEが約307km(バッテリーパックは40.7kWh)、ミニクーパーSEは約404km(54.2kWh)。※WLTPサイクル

従来型のミニクーパーS Eでは184kmしか走らないので(EPAサイクル)大幅な性能向上があったと言って良いかと思います。

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充電率については家庭用電源を使用した場合で11kW、急速充電を使用すればミニクーパーEが75kW、ミニクーパーSEが95kW。

急速充電器を使用した場合、10%から80%までを30分弱で充電できます。

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新型ミニクーパーは「さらにゴーカートフィーリング」へ

新型ミニクーパーではわずかにトレッドとホイールベースが拡大されており、バッテリーパックはフロアに搭載されるというスケートボード型。

つまり低い重心と安定性を持ち、サスペンション、ダンピング、ステアリングは「活発なハンドリング」実現のためにチューニングがなされている、とアナウンスされています。

さらに前後アクスルにはプリロードの高いスタビライザーマウントとストラットブレースを取り付けることでシャシー剛性を高め、これまでに比べタイヤサイズもワイドになり(直径は16インチから18インチまで)、高いコーナリング性能を持つことは間違いなさそう。

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そして新型ミニクーパーには「運転を楽しくする」ための様々なドライビングモードが備わり、センターコンソールにあるトグルスイッチにてモードを切り替えるだけで、ドライビングエクスペリエンスだけではなく室内の照明やグラフィックも変更できるようですね。

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そして面白いのは「ゴーカートモード」が存在すること。

ミニはこれまでにもずっと「ゴーカートフィーリング」を主張しつつも今回はじめてこれが装備されることになり、いったいどんな感じなのか一度試してみたいところです。

一方、その対極としてグリーンモードが用意され、これはもちろん航続距離を最大化するためにすべてを最適化したもの。

そのほか、ミニは情報や警告のために30種類のサウンドシグナルを新たに作成しており(欧州のコンパクトカーはウインカー作動音など、サウンドにこだわる傾向がある)、走行時に発するサウンドについては「まったく新しい音響の世界 」によって運転体験が向上すると紹介しています。

新型ミニのインテリアはこう変わった

新型ミニクーパーのインテリアはエクステリア同様に「ミニマリスト」で、オリジナルミニのセンターマウント・インストルメントクラスターを模倣した大きな丸型センターディスプレイ(かなり薄い)、そして新設計のトグルスイッチが採用されることに。

このトグルスイッチはパーキングブレーキ、ギアセレクター、スタート/ストップ、エクスペリエンスモードの切り替えや音量調整など、頻繁に使用する機能をコントロールし、それ以外の操作はは基本的にスクリーン(ディスプレイ)にて行うという仕様を持っています。

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センター・ディスプレイを駆動するのは最新のオペレーティング・システム9で、基本的には最新のBMW iDriveにミニ専用のグラフィックを施したもの。

ブリティッシュ・ブルドッグのスパイクがデジタル・アシスタントとして登場し、スマートフォンと同じように、クルマに話しかけて特定のことを要求したり、ディスプレイを操作したり、ということが可能となっています。

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オプションのミニ・プロジェクターと高解像度の有機ELスクリーンを採用したことで「光による視覚的な変化」を演出することが可能となっており(従来型ミニの発展形だと言える)、ドライビングモードに応じてインテリア全体のカラーが変わったり、パーソナルモードを使ってセンターディスプレイの背景を自分で設定することもできるうえ、先に紹介したゴーカート、グリーンモードに加え、ビビッド、コア、タイムレス、バランスから選ぶことができる、とのこと。

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インテリア全体の雰囲気も大きく変わり・・・。

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シートは一気に2ランクくらいレベルアップしたという印象。

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ギアセレクターとパーキングブレーキスイッチを移動させることによって大型カップホルダーと大型収納コンパートメントのためのスペースを確保したこともトピック。

なお、この「ストラップ」は新型ミニクーパーの一つの特徴となっているようですね。

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そしてドアインナーパネルにも「ストラップ」。

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ステアリングホイールにもストラップ。

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具体的な数値は示されていないものの、スケートボード型シャシーのおかげで室内空間は大幅に拡大しているものと思われ、トランクスペースも「拡大している」とアナウンスされています。

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インテリア素材は見ての通りサステイナブルを強く意識したものであり、新開発の高品質で環境に優しいインテリア素材のみを使用し、4つのフレーバー(内装だけではなく外装の一部も同時に変更される)が用意されています、

「エッセンシャル」だと2本スポークのステアリングホイール、ブラックのスポーツシート、バイブラント・シルバーのアクセント、内外装のマルチトーン・インサートが装備されます。

「クラシック」にはテキスタイル・インサート付きの3本スポーク・ホイールが装備され、新しい2Dニット・テキスタイルが採用されるほか、フェイクレザー部分はブラックまたはパンチング加工された千鳥格子柄から選択可能。

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「フェイバリット」だとニット・テキスタイルのインストルメント・パネルにツートーンのハウンドトゥース(千鳥格子)パターンを採用したほか、ベシンスポーツシート、バイブラント・シルバー仕上げのグリル、3色の新型スプレーテック・ルーフを選択可能。

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最後の「JCWトリム」は最もスポーティな仕様となっており、ブラックの合成皮革とコントラストレッドのステッチが施され、エクステリアだとグリルはグロス・ブラックへ、そしてルーフはチリ・レッドとなり、JCWレッドまたはブラックのボンネット・ストライプを装着することが可能となります(性能は変わらず、見た目だけがJCW仕様になるという、これまでにない選択肢でもあり、すでにネット上では”もっともがっかりなJCW”だと言われている)。

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現時点で正確な納車時期や価格については公表されておらず、しかし2025年モデルとして2024年秋に発売されるであろうと予想されており、価格は450万円くらいからのスタートではないか、と見られているようですね。

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参照:MINI

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