| それはブランド価値、シロンの価値を高めたいから |
ブガッティが「今年はブガッティの年になる」というコメントともに「謎ブガッティ」の画像をインスタグラムにアップ。
ボディカバーがチラリとめくられているものの、その内側はまったくどうなっているのか判断できない状態です。
コメント欄には「ディーヴォでは」という書き込みがいくつか見られるものの、ブガッティはすでにディーヴォの姿を(プロトタイプと言えども)フルに公開しているのでいまさらこうやって隠す意味もなく、よってこれは何らかの(別の)ニューモデルと考えるべきかもしれません。
現ブガッティCEOは「少量限定モデル商法」の先駆者
なお、現在ブガッティCEOを務めるシュテファン・ヴィンケルマン氏は「少量限定商法」を確立した人物。
ブガッティの前はアウディスポーツ、その前にはランボルギーニCEOを務めており、ランボルギーニでは「ガヤルド」に対して”バレンチノ・バルボーニ””スーパートロフェオ・ストラダーレ””ノクティス”などの限定モデル、そして”スーパーレッジェーラ””ペルフォルマンテ”など様々なバリエーションを追加しています。
これについては「非常に有用」な手法だと考えていて、たとえばランボルギーニは営利企業である以上、その販売台数を伸ばさねばなりませんが、「通常のガヤルド」を14,000台売るとガヤルドの希少性が失われてしまい、しかしこれを「グレードを4つに」分けるとそれぞれが3,500台になり、さらにそのグレードを2つに細分化すれば、「1種類当たり1750台」ということに。
こうすることで「希少性を保ったまま」販売総数を増やすことができるということになり、これはアヴェンダドールにおいて「ピレリ」「ミウラ・エディション」「アニヴェルサリオ」「SV」等の限定モデルを追加するという方法でも活用されています。
そしてブガッティですが、前CEOのウルフギャング・デュラハイマー氏は「通常のシロン」をそのまま500台売り続けようとしていたものの、現ステファン・ヴィンケルマンCEOは着任早々「シロンスポーツ」を発表。
その後(オプション扱いですが)”スカイビュー”も追加することでユーザーにとっての選択肢増加、そして販売単価を向上させることに成功しています。
さらにはシロンとは別モデルとして「ディーヴォ」、
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1台のみですが「ラ・ヴォワチュール・ノワール」といったシロン「以外の」モデルで話題を作ることで話題性をもたらし、「ブガッティのブランド価値を向上」させることに成功。
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さらにはシロンの希少性を高める意味において「シロン110Ans」「シロン・ノワール・エレガンス」「シロン・スーパースポーツ300+」といった限定バージョンも発売し、これらはシロンの予定生産台数である500台に内包されるために「通常のシロン」の数が差し引かれて少なくなり、結果として通常シロンの希少性も高まっているわけですね。
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加えて、こういった「別バージョンのシロン」を発売することでブガッティのコレクターが複数台のシロンを揃える例も出てくることになって、より「500台」を早く消化することの助けにもなると思われます(まだシロンは完売していない)。
なお、シロンは「お金があれば誰でも買える」わけではなく、ブガッティの審査に通った人物でないと購入不可。
ブガッティはブランドイメージを守るためにシロンのオーナーを「社会的に高い地位にある」人物のみに絞っているわけですが、これが「500台の完売を遅くしている」一因。
ただし限定モデルを追加することによって、ブガッティが認めた人物が上述のように「一人で複数台」購入するという状況が発生します。
よって、今後もまたブガッティは「シロンの限定モデル」「シロンのバリエーション」を出してくると予想でき、今回のティーザー画像にて示されたモデルが「2020年第一号」の限定シロンとなりそうですね。
VIA: Bugatti