| メルセデスAMG GT 4ドアクーペには805馬力システムが搭載されない? |
メルセデス・ベンツは「AMG GTコンセプト(画像)」を発表しており、これが後の市販モデル、メルセデスAMG GT 4ドアクーペへと発展。
そしてAMG GTコンセプトは4リッターV8ターボとハイブリッドシステムとを組み合わせて「805馬力」を発生するとアナウンスされていますが、今回その「805馬力システム」はAMG GT 4ドアクーペには搭載されないだろう、という話。
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やはりエレクトリック技術が”追い付かない”ことが理由か
メルセデスAMGのボス、トビアス・メアース氏がDigital Trendに語ったところでは「このシステムがそのままAMG GT 4ドアクーペに移されることはない。しかしほかのAMGモデルへの転用はありうる」とのこと。
この理由、そしてどのモデルに”805馬力ハイブリッド”が与えられるのかは現時点で不明ですが、おそらくはこの大パワーを発生するだけのバッテリーをAMG GT 4ドアクーペに収めるのは難しく、よって「もうちょっと大きな他のモデル」に搭載されるのかもしれませんね(もしかすると重量が嵩みすぎてパフォーマンスが逆に落ちるか)。
なお、現実的にこのハイブリッドシステムについては「順調に開発中」とされ、たとえハイブリッドといえどサウンドについてはガソリンエンジンのみのモデルに比べて劣るわけではなく「何も心配はない」としており、トビアス・メアース氏は「プリウスのようなクルマにはならない」と補足。
ちなみにメルセデス・ベンツはそのエレクトリックブランド「EQ」を強力に推し進めているものの、その技術を転用した「ハイパフォーマンス型ハイブリッド」については今回のAMG GT 4ドアのように実現が難しいようで、現在のメルセデス・ベンツの持つハイブリッドと言うとマイルドハイブリッドか、もしくは燃費重視型のPHEVのみ。
ポルシェのバッテリー技術は現在トップレベル?
一方でメルセデスAMGがターゲットとするポルシェは「パナメーラ」にハイブリッドシステムをドッキングさせて大幅に戦闘力を向上。
先代パナメーラPHEVにおいては現在のメルセデス・ベンツ同様に「燃費重視」だったものが、新型パナメーラでは名実ともに「トップレンジ」に君臨し、ハイブリッドモデルが最も高いパフォーマンスを発揮するという状況となっています。
これについては、新型パナメーラ・ターボS Eハイブリッドが671馬力で登場した際に「ああそう」「そんな時代になったか」くらいにしか考えていなかったのですが、PHEVでガソリンエンジンモデルを超える加速性能や運動性能を実現するというのは相当に難しいようで、というのもこれを実現したのは今のところ「ポルシェのみ」。
走行レンジ、加速や出力を向上させようと考えるとバッテリーが大きくなり、バッテリーが大きくなると今度は運動性能が落ちるということになりますが、EQブランドを立ち上げたメルセデス・ベンツですらこの問題を解決できないと見え、早くから「i」ブランドを展開してきてエレクトリック化にノウハウのあるBMWは「Mモデルにハイブリッドは無い」と言いきっている状況。
つまりBMWは「現在のバッテリー技術ではスポーツカーを作れない」と認識しているわけですね。
ポルシェもつい最近までは「PHEVは重くなりすぎて911などスポーツモデルには向かない。よって911ハイブリッドは無い」としていたものの、最近は公式に次期911(992)ではモデルライフ後半にハイブリッドモデル登場とアナウンス。
つまり最近になり何らかの大きな技術的進歩があり、さらにあと数年後(次期911のフェイスリフト時期あたり)にも大きな前進がある、と言えそうです。
なお直近で発表された「カイエンEハイブリッド」もその恩恵を受けており、先代に比べバッテリーパックの容量は同じにもかかわらず、EVとしての走行距離だけにとどまらず「加速」も向上していて、つまり大きくバッテリー密度が向上した可能性が大。
そう考えると、「現在スポーツカーに積めるPHEV技術を持つのはポルシェだけ」なのかもしれません(やっぱりポルシェ凄い)。
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