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フェラーリ含むスーパーカーが今後生き残るには「乗り越えねばならない壁」が2つある?それは何なのか見てみよう

2019/07/10

| どちらもフェラーリの本質的価値に影響しかねない |

東洋経済にて、「フェラーリが乗り越えるべき2つのハードル」という記事が掲載に。

記事内では様々な規制や社会情勢の変化において、スーパーカーも大きく変わる必要があり、これまでと同じ考え方ではやってゆけないだろう、という考え方を述べています。

たしかにそれは間違いのない事実でもあり、ここでその内容を見てみましょう。

「電動化」はもはや避けることが出来ない

まず、記事で触れているのは電動(エレクトリック)化。
フェラーリの最新モデル「SF90ストラダーレ」を例にあげていますが、このクルマは「ハイブリッド」。
SF90ストラダーレはエレクトリックモーターのみでの走行が可能なクルマで、フェラーリ自身はハイブリッドの採用について「パフォーマンス向上のためであって環境規制対応のためではない」と述べています。

しかしながら、実際には「2020年に導入されるユーロ6d」を睨んだ環境対策仕様ではあるが、フェラーリとしてはそれを口にすることは出来ない、と記事では見ているようですね(ハイブリッド化は不本意だが、そういった発言は社会的に許されない)。

たしかに環境規制は年々厳しくなり、ランボルギーニも「パワーアップどころか、パワーを維持することすら難しい」とコメントしていて、これはぼくらが想像する以上なのかもしれません。

よって、記事ではスポーツカーメーカーは「パワーダウンを余儀なくされ」「ハイブリッドなど重いデバイスを装着しなくてはならない」中でその存在意義を保つことができるのか、ということを懸念しているようです。

これについて異論はないものの、ぼくとしては「技術がこの問題を解決するだろう」とも考えています。
というのも(エレクトリックではないですが)最近のトルクベクタリング4WDの威力の凄さには舌を巻いていて、これはもうエンジン搭載位置がフロントだろうがリアだろうが、重心がどうだろうが「駆動力で無理やり」クルマを曲げるものであり、慣性や重力の法則すら捻じ曲げてしまうものだと考えているから。

たとえばポルシェ911は「リアエンジン」レイアウトについて、ずっとこれを「何とかしたい」と考えてきたわけですね。
リアエンジンは、駆動輪である後輪に強いトラクションが掛かる一方、加速時には「前輪が浮いて」しまったり、テールスライドを起こすとコントロールが困難になるという危険性を持っていて、しかし最近のトルクベクタリング、もしくは電制デフによって「アッサリ」これらの問題が解決している、という現実もあります。

よって、こういった例を見るに、「なんらかの技術的ブレイクスルーがこの問題を解決する」とも考えていて、たとえばエレクトリック化においてはソリッドステートバッテリーが「それ」であったり、ということをイメージしています。

つまりはこれまで「重すぎる」とされていたエレクトリックシステムが、「ガソリンエンジン車をトルクベクタリング4WD化した場合の重量」、つまりだいたい45キロくらいよりも軽くなって、しかもプロペラシャフトもいらないので振動も騒音も小さくなったりするんじゃないかと考えているのですね。

「騒音規制」も無視できない要因だ

そして記事ではもう一つ、「騒音規制」についえ触れています。
「国連自動車基準調和世界フォーラムにおいて規定される自動車の走行音に対する規制」が今後強化され、現在欧州にて導入されているフェーズ1の規制が、2020年にはフェーズ2へと厳格化されるというもの。

これについては、「排気音」のほか「走行時にタイヤが発するノイズ」も含まれているといい、ワイドなハイグリップタイヤを装着するスポーツカーにとってはかなり厳しい状況となりそう。

もちろん、タイヤだけではなく排気音はいわずもがなで、今後のスポーツカーは排気音が静かになるのはもちろん、タイヤも「エコタイヤ並みに」静かになったりするのかもしれません(タイヤについても、グリップそのままで静かなものができると思う)。

なお、一時はバイクに冠する騒音規制が厳しくなったとき、「いかにマフラーの音を抑えても、チェーンの(回転するときの)音が規制を超えてしまうので販売できない」という車種がいくつか出てきたと報じられており、もうこれは「バイク作るな」という意味なんじゃないかと思ったほど。

今回話題となっている「フェーズ2」騒音規制もおそらくは「そもそもスポーツカーが存続できない」レベルのものだと思われ、「サウンド」もその魅力の一つだと言われてきたフェラーリにとってはけっこう”致命的”なのかもしれません。

なお、こういった規制に配慮し、かつ運転する楽しさを損なわないためか、メルセデス・ベンツCLSは、ドライブモードの変更に応じて「室内のみに」勇ましいサウンドをスピーカーから流すという方法を採用しており、つまり「外から聞くとサウンドの変化はない」。

通常はドライブモードの変更に伴いエキゾーストサウンドも変化しますが、メルセデス・ベンツCLSの場合は「外は静か、中はグッドサウンド」なワケですね。

「エンジンサウンドをスピーカーから」というのはBMWや日産、その他多くのメーカーも採用し、新型スープラでもそれは同じですが、これらのサウンドは正直「フェイクだとわからないほど」。

よって、将来のスポーツカーは「外からその音を聞くと静かで、しかし「車内はブォンブォン言ってる」ということになるのかもしれません。

こういった規制について、環境や、人々が快適に暮らすために仕方がないことだとは思いますが、行き過ぎると「人の声や体臭」まで規制されそうで恐ろしいですね。

VIA:東洋経済

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