| 近年のクルマの電子制御化に伴い、リコール内容も「ソフトウェア」ばかりになってきた |
さて、ホンダがDC-DCコンバーターの不具合にて、最悪の場合は走行不能になるという問題にてリコールを実施。
影響を受けるのは令和元年12月18日~令和2年9月23日に生産されたアコード2,703台、令和元年9月9日~令和2年3月31日に生産されたインサイト2,100台。
なお、リコール届け出の内容を見るに、アコードは「タイ製」となっていて、いつの間にやら日本の自動車メーカーのクルマであっても、海外生産車が増加しつつあるようです。
今回のリコールの内容はこうなっている
今回のリコールについては、上述のとおりDC-DCコンバータに問題があり、インサイトでは実際に11件の問題が発生(アコードだとゼロ)。
対策としては「パワーコントロールユニット内の給電制御プログラムを対策プログラムに書き換える」と報告しており、問題の内容は下記の通り。
パワーコントロールユニットの電圧変換装置(DC-DCコンバータ)において、バッテリへの供給電圧を制御する回路上の素子の製造管理が不適切なため、冷間始動後にフェールセーフモードへ移行して、バッテリへの給電を停止することがある。そのため、バッテリが充電不足となり、警告灯、警告表示が点灯し、走行不能となるおそれがある。
国土交通省1, 国道交通省2
ホンダは世界でも179万台の大量リコールを実施
なお、ロイターによると、ホンダは15日にも全世界で179万台のリコールを実施すると発表したばかり。
こちらの内容は「パワーウインドウのマスタースイッチ」「ボディコントロールモジュール(BCM)」「ドライブシャフト」などいくつかに渡ります。
対象車種はCR-V、アコード/アコード・ハイブリッド、インサイト、シビック・ハイブリッド、フィット等。
このまま世界は「電気自動車」へと移行して大丈夫?
なお、ホンダにかかわらず最近はけっこうリコールが多く、内容を見てみると「プログラム」に起因するものが多い模様。
つまりメカニカルなトラブルよりもソフトウェアに起因する問題が多いということですね。
そしてここでぼくが思うのが、「電気自動車時代になればもっとソフトウエア絡みのトラブルが増えるんじゃないか」ということ。
たとえば、ガソリンエンジン車だと「何十年も」作ってきているので、最近はエンジンやトランスミッションに関しての問題を出すメーカーはほとんどなく、しかしトラブルは上述のように「ソフトウエア」という新しい分野ばかり。
そして2030年以降には多くの国や地域でガソリン車の販売ができなくなり、販売できるのはEVやハイブリッドといったクルマとなるわけですが、長い時間をかけて熟成させて問題が出なくなった内燃機関を捨て、新しい技術にシフトすることで未知の問題がどんどん出現するのではと考えています。
ちなみにぼくは3年ほどEV(BMW i3)に乗っていたものの、こちらはトラブルが頻発し、まともに走ったことが少ないくらい。
もちろんトラブルの内容はほぼ「プログラム」に集約されており、おそらくはEVシフトとともに色々な問題が出てきそう。
環境のことを考えるとやむをえない面もあるものの、まだまだ技術が熟成されていない、そしてインフラも追いついていないEVを無理に普及させるのはかえって混乱を招く可能性があるとも考えていて、現在の規制については「先走り感」が拭えません。
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