ヒュンダイが「2021年には欧州で最も売れているブランドになる」と宣言。
これは最新モデルのi33N、i30ファストバック公開の場でヒュンダイCOOが述べたもの、として報道されています(画像はヒュンダイRN30コンセプト)。
なお、この背景には(すでにテスラも行っている)オンライン販売への自信があるようで、すでにこれを開始して数週間で「100台以上の車を販売した」とのこと。
さらにこれを実現するための戦略も公表しており、一つ目は「SUVラインアップ」、2つめは「フューチャー・モビリティ」、3つめは「ヒュンダイのDNAを持つ”I”シリーズと”N”シリーズ」。
実際のところ欧州と米国においてヒュンダイは高い評価を受けており、ここ数年「躍進著しい」メーカーではありますね。
一方中国や日本ではあまり(日本では”全く”)人気がなく、ヒュンダイとしてはまず欧州を攻略することにしたのかもしれません。
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ヒュンダイはちょうど日本車と中国車との間のようなポジションになるかと思いますが、それだけに「微妙な状態(性能では日本車に勝てず価格では中国車に勝てない)」。
一般に日本車は「安くて品質が良い」とされていると思いますが、現在ヒュンダイが品質を上げ、かつ日本車を超えるようなデザインで日本車を追撃しているのが「現在」だと思います。
各メーカーや製品というのはサイクルがあって、その製品がヒットする→真似される→市場を奪われる→また真似が出てくる→真似がさらに真似たものに駆逐される、というようなスパイラルですね。
このスパイラルから抜け出すには「独自路線」や「次のステップ」へと踏み出す必要があり、それができないとこの渦に飲まれることに。
「独自路線」というのはたとえばニッチなもので「光岡自動車」のようなものかもしれませんし、「次のステップ」というのはハイブリッドやEVかもしれません。
トヨタはハイブリッドにてこのスパイラルの外にいるかのように見えますが、ヒュンダイは「アイオニック」でこれを追撃しようとしており、なかなか逃してくれる気配はなさそう。
要は日本車がアメリカ車や欧州車から奪った市場をまた韓国車が狙っているということで、もしそれが成功したとしても中国車が「次」を狙っている、ということですね。
ちなみにこちらはその地域で一番売れたメーカーを表したインフォグラフィック。
これによるとトヨタは49もの国でナンバーワンを獲得しており、圧倒的な強さを誇っていますね。
地域別だとラテンアメリカ、アジア、アフリカ、そしてコスタリカやアンゴラ、タンザニアなどの馴染みのない国、そしてUAEやシンガポール、オーストラリアといった国々でも強さを発揮。
これは2位のフォルクスワーゲンと比べても圧倒的な差で、フォルクスワーゲンが首位を獲得したのは14カ国のみ。
VWが強いのは、国別だとスイス、ベルギー、オランダ、スウェーデン、ドイツ、クロアチア、ベラルーシといったところとなっています。
ヒュンダイは最近かなり積極的に展開を行っており、高級車ブランド「ジェネシス」に加えてハイパフォーマンスブランド「N」の展開を計画中。
「N」という名称自体が「M」に対抗したところがミエミエではありますが、今回BMW M4に対抗する計画を持っているようです(画像はヒュンダイHND-9コンセプト)。
まずはi30のハイパフォーマンス版を投入する計画だそうですが、その後に登場するであろうM4のライバルはG70クーペをベースにしているとされ、ヒュンダイはそのパフォーマンス、ハンドリングに自信がある模様。
なおヒュンダイは前ランボルギーニ/ベントレーのデザイナーを獲得しており、BMWの元チーフデザイナーも在籍。
さらには元ランボルギーニ重役を雇い入れるなどその動きには注目ですね。
性能的にはすぐに(もしくは永遠に)ドイツ勢を脅かすようなものはできないと思いますが、デザイン的にはイキナリ格好良いものを出してくるかもしれません。
去年の秋に発表したヴィジョン・グランツーリスモ N 2025もなかなかにイケてましたね。