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北米のレクサスディーラー「他社のように高級SUV発売して・・・」。なぜレクサスはセダンにこだわり高級SUVを開発しないのか

2020/02/16

| レクサスLXでは北米市場の求める「快適性」を満たせない |

現在、全米のレクサスディーラーがレクサスに望むのは「高級SUVの追加」という報道。
Automotive Newsによると、北米のレクサスディーラー網はつい先日発表された「キャデラック・エスカレード」のような高級、かつ7人もしくは8人乗車が可能な大型SUVの必要性を感じている、とのこと。

実際にアメリカでは「3列シート」SUVの需要が高いようで(アメリカ人がSUVに7人も8人も詰まって移動している様子は想像しにくい・・・)、フォルクスワーゲンも北米専用に「アトラス」を投入したり、レクサスもちょっと前のフェイスリフトにてRXに「3列シート」を追加済み。

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レクサスもディーラーの要望を理解しているようだが

ちなみにレクサスでもっとも売れているのは「RX」ですが、実際にはこの上に「LX」も存在。
にもかかわらず「高級SUVのラインナップを欲しがっている」理由としては、”LXはオフローダー(ランドクルーザー)ベースなので乗用車的な乗り心地を望めない”ということがあると思われ、つまりアメリカ市場では「SUVに乗り心地の良さや高級さ」を求めているということになりそう。

なお、リンカーン・ナビゲーター、キャデラック・エスカレードを見ると「アメリカ人がSUVに高級さ、快適性を求める」ということがよくわかりますが、これは「(RAV4やジムニーのように)SUVにワイルドさを求める傾向が強い」日本とはちょっと違う部分でもありますね。

ちなみにレクサスは高級SUVを示唆するコンセプトカー「LF-1リミットレス」を2018年に発表していて、これはもちろん「北米市場の要望」を形にしたものだと考えられます。※車体デザインはレクサス/トヨタの北米デザイン拠点、キャルティによるもの
実際のところレクサスはこのLF-1リミットレスについて「SUVにおけるフラッグシップ」と紹介していますが、今に至るまで市販化される様子はなく、北米市場の要求に対しては「RXの改良」にてお茶を濁している模様。

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レクサスはちょっと「ズレている」

こういった動きを見るに、レクサスは市場の要望を理解しており、コンセプトカー等で形として示しているものの、実際には市販に向けては動こうとせず、これについてはメルセデス・ベンツ、BMW、アウディといったジャーマンスリーとは異なるところ。

メルセデス・ベンツはGLS/マイバッハGLS、BMWはX7、アウディはQ8といった大型高級SUVを発売していて、しかしレクサスはそうではない、ということですね。

この理由はまったく不明ではありますが、「フラッグシップはセダンでなければならぬ」「高級車とはセダンを指すものだ」と考えている可能性もありそうです。

これはレクサスのラインアップからもうかがい知ることができ、ジャーマンスリーがどんどんSUVを拡充して「SUV重視」傾向を強めるのに対し、レクサスはSUV比率がプレミアムカーメーカーの中では「もっとも低い」というのもまた事実。

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なお、「打倒レクサス」を掲げるヒュンダイの高級ブランド「ジェネシス」はつい最近、フラッグシップSUVとして「GV80」を発表。
これは北米市場を重視した結果だと言えますが、レクサスはヒュンダイに対しても戦略上の遅れを取っているとも考えられ、このジェネシスGV80が北米で人気化したのちにようやく「高級SUVが必要かもしれん」と気づくことになるのかも。

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VIA:Automotive News

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