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BMW i3のインプレッション。ドアと開口部について

2015/07/15

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BMW i3のインプレッション、ドアと構造編。

BMW i3のドアは見ての通り「観音開き」。
i3のコンセプトとして「メガシティ・ビークル」というものがあり、一名もしくは二名での乗車を想定しているためにフロントドアを大きく取りたかった(乗り降りしやすいように)ための構造と思われます。
つまりリアのドアは使用頻度がさほど大きくないだろう、という想定なのでしょうね。

ドアが観音開きとなることで大きな開口部が得られるわけですが、ぼくが思うにこれは「カーボン製のシェルならでは」のもので、カーボンの強固なフレームだからこそ実現できたものだと思うのです。
もちろんですが観音開きにすると「Bピラーが無くなる」ので、Bピラーが無くても十分な強度を持つ車体でないと観音開きにはできないわけですね(Bピラーのある観音開きも可能だが、開口部は狭い)。
ただi3の場合は「観音開き」にすることが目的ではなく、「(乗降性の良い)広い開口部」にすることが目的だったと考えており、そのための選択肢が観音開きだったと考えています。

ほかにもマツダRX-8、ホンダ・エレメントなど両側が観音開きの車がありますが、車体の容積に対するドアの開口部の面積はおそらくBMW i3がもっとも大きいのではと思われ、そのぶん高い強度を誇る、ということなのでしょうね。
※RX-8の場合は北米での「2ドアスポーツカー」に課される高額な保険を回避するためにドアを追加し「2ドアではない」車としたことが観音開き化の理由

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加えて、ドアがサッシュレスなのも特徴。
ぼくは、その車のイメージが庶民的になるかそうでないかの基準として「サッシュレス」があると考えており、今までも可能な限りサッシュレスのドアを持つ車を選んできました。

このサッシュレスにするにも車体の強度が必要で、これもBMW i3のカーボンシェルだからこそ可能になった構造だと考えています(ホンダ・エレメントも大きな開口部を持つが、サッシュレスではない)。

つまり、簡単に「観音開き」とは言いますが、観音開きを実現するにはかなりのハードルがある、ということです(乗り降りしやすいように観音開きにすればいいじゃない、というように簡単に実現できるものではない)。

BMW i3の場合は、その「メガシティ・ビークル」というコンセプト、予想される乗員数と使い方(頻繁な都市部での乗降)、それを可能にするための強固なカーボンシェル、という統一された設計思想(まずコンセプトがあって、それの実現のために最適な素材や製造工程、構造を選択する)によってこれが実現したわけですが、その整合性は他に類を見ない、つまり妥協の産物ではない、とぼくは考えています。

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BMW i3はかなり特異なディメンションを持っています。

トレッドがポルシェ981ボクスターよりも前後40ミリほどワイドで、しかもホイールベースは同じくボクスターに比べると95ミリも長くなっています(ランボルギーニ・ウラカンに比べても10ミリ長い)。

逆に全幅や全長はポルシェ981ボクスターよりも小さく、つまりBMW i3のタイヤは、文字通り「ボディの四隅に近く」配置されている、と言えますね。

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その一方で回転半径は4.4メートルとボクスターよりも1メートル以上も小さく、そのために非常に小回りが利く印象があります。
ですが、ここで忘れてはならないのは「以下に小回りが利こうとも、ポルシェ981ボクスターよりもトラックが前後とも40ミリ程度広く、ホイールベースが100ミリ近くも宏いこと」。
ボクスターよりも小さく曲がるのにタイヤは外にある、ということですね。

そのため、思ったよりもタイヤが自分よりも前後左右に遠いということをしっかりと理解しておかないと、ぼくのように「ホイールをヒット」してしまうことになるわけです。

慣れれば問題とはなりませんし、これまで乗ってきた車との差異によっても変わりますので一概に論じることは出来ませんが、少なくともぼくはBMW i3について、「思ったよりもずっとタイヤが遠いところにある」と感じています。

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