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ターボとスーパーチャージャーはどう違うの?それぞれのメリットとデメリットは?

2017/07/10

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さて、今日はターボとスーパーチャージャーの違いについて触れてみたいと思います(ぼくはエンジニアではないので雰囲気だけ解説)。
ターボ/スーパーチャージャーの両方とも「過給器」ではありますが、それぞれの性格が異なり、そしてその「目的」もちょっとだけ異なり、各々のメリットとデメリットが存在しているわけですね。

スーパーチャージャー採用車としては現行だと日産ノート、ジャガーFタイプ、ロータス・エリーゼ、古くはトヨタMR-2、AE92レビン/トレノなど。
ざっとした違いはこちらの動画がわかりやすくなっています。

細かく説明するととんでもない量になるので、サクっと簡単な説明に留めたいと思いますが、まずはターボから。

ターボはエンジンの「排気」を利用してタービン(扇風機みたいなもの)を回し、そのタービンで風力を増加させて(正確にはコンプレッサーで空気を圧縮して)エンジンに再びエアを送り込むもの。
車のエンジンというのはガソリンを燃やしてパワーを得ていますが、BBQをしているとき、炭を団扇などで強くあおぐと火力が増すのと同様、エンジンも「より多くの空気流入があれば、より多く燃える」ことに。

自然吸気だと「燃焼に必要なぶん」のエアしか吸いませんが、ターボはここに「燃焼する以上」のエアを無理やり送り込んで「炎上」させ、その爆発力を駆動力に変換する、ということになります。

とにかくパワーを得られるということが最大のメリットですが、デメリットもいくつかあって、コストが(NAに比べて)高い、発熱量が大きい(タービン、エンジンともに)などが主なところ。
スポーツカー的に言えば「重くなる」「補機類が大きくなる」「ターボラグが出る」「音がショボくなる」ということがデメリットと言われますね。

重くなるということについてはそのまま文字通りで、車のサイズやレイアウトに余裕があれば「ターボで重くなるくらいならシリンダーを増やして排気量を上げパワーを出したほうがいい」場合もあります。

それでもターボの「ドーピング」にはどうしても勝てずにターボを選ぶ場合もあるものの、ターボについては「パワー」よりも「トルク」が大きくなることにメリットを見出すケースもあって(パワーとトルクはまた別の機会に述べたいと思います)、また排ガスの問題も関係し最近はとにかく「ターボ」が主流(ターボは排気を循環させるという意味で排ガスが自然吸気エンジンに比べてクリーン)。

ターボ(タービン)は大きくなればなるほどパワーを出せ、しかしそのぶん重くなるのと同時に問題となるのが「ターボラグ」。
エンスージアストが最近のスポーツカーにおけるターボ化トレンドに際し「ターボラグが・・・」と話すのを聞いたことがあるかと思いますが、これはある意味スポーツカーにおいては致命的。

ターボは上述のように「タービン(扇風機)」を排気で回し、ということは排気が少ない(エンジンの回転数が低い)ときはタービンが思うように回らないわけですね。
そこで回転数が上がりタービンが回るのに十分な排気を得るまでにかかる(のとそこからのエアが爆発力に変わるまでの)時間が「ターボラグ」。

これにはいずれのメーカーも苦労していて、フェラーリはターボラグ解消のためにかなり細かい制御を行っており、488GTB/スパイダーにおいて、フェラーリいわく「ターボラグゼロ」にまでたどり着いています。

なおタービンが小さいと少ない排気でもタービンが回るため加給を行いやすくなりますが、羽根が小さいと「風量」も小さいので過給圧(ブースト圧)に上限が出ることに。
そこで大きなタービンを使いたいけどターボラグが大きくなる(しかし過給圧は大きい)、というジレンマが生じることにもなります。

これを解決したのが「シーケンシャルツインターボ」で、シーケンシャル=順番、という意味の通り小さいタービンと大きいタービンとを組み合わせ、低回転=小さい排気では小さいタービンを回してターボラグを抑え、高回転域=大きな排気が得られる用になった際に大きなタービンを回して加給を得る、というもの。
マツダRX-7(FD3S)のターボがこれで、「プライマリー(小タービン)」と「セカンダリー(大タービン)」が存在。
イニシャルDで高橋弟が「セカンダリータービンが止まってるんじゃないか」と言っていたのは大タービンのほうになりますが、「加給がかかっていない(ようにあの場面では感じた)」ということですね。

しかしこのシーケンシャルツインターボを用いることが出来るのは限られたエンジンのみで、簡単に言うと「排気が片バンクにあるエンジン」。
つまりV6だと右バンクにタービン小、左バンクにタービン大といった装着はできないわけで、直6のようにエンジン片側から排気している場合にのみ有効と言えます。

ただ、重量増過や複雑さ、スペースを気にしなければ「片バンクにシーケンシャルツインターボ」をそれぞれ装着した「4ターボ」も可能(理論的には片バンクに3つの6ターボでも)。
なおブガッティ・ヴェイロン/シロンは「4ターボ」ですが、どういった構造になっているのかは不明。

ちなみに「80スープラ」「Z32フェアレディZ」のトップレンジはともに3リッターツインターボですが、80スープラは直6なので「シーケンシャル」、Z32はV6エンジンなので左右個別に同じサイズのターボを持っており、同じツインターボでも「全く違う」ことがわかります。

さらには「ツインスクロールターボ」なる技術も現代には存在し、これはタービンへの流れるエアの経路を「高回転」と「低回転」で変化させるもので、低回転でも効率よくタービンを回すことを狙ったもの。
ミニクーパーSに搭載されるターボエンジンはこれを採用していますね。
加えてBMWは「ツインパワーターボ(説明が難解)」なるターボ技術を持っており、これはツインスクロールでもツインターボでもない新型ターボ。

参考までに、ターボにおいて「エンジン回転数が低いと加給がかからない」対策として、ランエボやWRXで有名になった「ミスファイアリングシステム」が存在。
ランサーエボリューション、WRXは2リッターエンジンなので加給に十分な排気を得るには時間(ターボラグ)が大きく、このラグを解消するために「常に大きな排気を得る」ためにエキゾーストマニホールド(排気管)の中に燃料を噴射して爆発を起こさせる、というもの。
そのためにバックファイアーが出たりパンパンと大きな音が出ますが、車に大きな負担がかかるシステムではありますね(今では競技用車両にしか用いられていないと思われる)。

なおポルシェ718ボクスター/ケイマンにおいて、アクセルオフでもエンジン回転数が下がらない仕様となっていますが、これも「再加速時に」必要な加給をすぐに得られるようにしたものなのかもしれません。

ちなみにメルセデスAMGのハイパーカー「プロジェクト1」はF1マシンに採用される1.6リッターターボエンジンを採用すると言われ、これは「1.6リッターなのに出力1000馬力」。
ターボで過給圧を上げて加給すればこういった「常識はずれの排気量とパワーとの関係」も可能となりますが、これには「大きなタービン」が必須。
1.6リッターの排気量で大きなタービンを回すにはそれなりの排気が必要で、だからこそプロジェクト1は「アイドリング4000回転(それ以上でやっと加給がはじまる)」なのでしょうね。

なお低回転と高回転域においてレスポンスと向上させ(ターボラグを無くし)より大きなパワーを得るためにポルシェが採用するのが「VTG(可変タービンジオメトリ=Variable turbine geometry)」。
これはタービン(扇風機の羽根)へ風を送るガイドのようなもの=ノズルの角度を可変させる技術で、「小さいタービン」と「大きなタービン」とをひとつのタービンで概念的に兼ねてしまう、というものですね(911ターボ、718ケイマン/ボクスターに採用)。

そして今後注目なのが「エレクトリックターボ」。
これは「排気で回っていたタービン」を「電力で回す」もので、排気にかかわらず加給ができる技術。
現在のところアウディが力を入れていますが、そのうち「標準」になるかもしれません。

この電動ターボは今のところ発展途上の技術で、通常の排気ターボの補助が主な役割ですが、電動ターボのみで加給できるようになれば補機類の問題(インタークーラーが不要に)やサウンドの問題(排気はこれまで通りエンジンから直接出せる)も解決できそうではあるものの、一気に各社ともスタンドアローン型の電動ターボに動かないのは「まだまだ問題が(損失含めて)大きい」のでしょうね。

ほかターボにおけるデメリットである「補機類が多くなる」について、ターボエンジンは構造上エンジンに送るエアを冷やすためのインタークーラーが必要になり(空気は冷やしたほうが密度が濃くなる)、このインタークーラーは風に当てないといけないので車によっては取り回しがかなり面倒なことに(特にミドシップ)。
これを解決するのはなかなか難しそうですが、将来的に電動ターボだと解決ができるのかもしれません。

そしてさらにほかのデメリット「音がショボくなる」については「排気が循環する」以上はいかんともしがたく、かのフェラーリをもってしてでも解決できていない状態(BMWは室内にスピーカーを通じてNA風の疑似排気音を流しているほど)。
ただしこれも電動ターボでは解決できる可能性もあるのでは、と考えています。

ターボのメリットは、繰り返しになりますが「小さい排気量で大きな力を得ることが出来る」ことで、つまり「環境にやさしい」ということに。
現代では「環境にやさしい」は全てに勝るテーマであり、各社ともその方向に動いてはいるものの、様々な問題がターボにはあり、しかし技術の進歩がターボのデメリットを打ち消しているのが今の状況、とも言えます。

なおタービンのメーカーとしてはギャレット、IHI(フェラーリはこれ)、ボルグワーナー(ポルシェはこれ)などが有名。

さて次は「スーパーチャージャー」。
スーパーチャージャーはターボと同じ「過給器」ではありますが、ターボのように排気を利用するのではなく、しかし扇風機(スーパーチャージャーの場合は”ローター”)でエンジンに風を送り込んでエンジンの爆発力を増すのは同じ。
ただ、扇風機を回すのに(多くの場合)エンジンの出力軸から直接ベルトで取った回転力を使用することになり、よって「排気でタービンが回る」のを待たなくても「エンジンが回るのと同時に」リニアな加給が得られるのがポイント。

エンジンの上にスーパーチャージャーユニットが載せられることが多く、下の画像だとエンジンの上に載っている黒い物体がそれで、エンジンからベルトで駆動力を得ているのがわかると思います(マッドマックスに出てくる車にはたいてい載っかっている)。

いわゆる「ポン付け」ができるのでチューンの難易度が低く、パーツ点数も少ないのでコストが低いのが特徴。
よって、ディーラーが自然吸気の車に「スーパーチャージャーをポン付け」して販売するケースもありますね(チューナーのパワーアップキットにスーパーチャージャーが多いのも同じ理由)。

デメリットとしてはエンジンから動力を頂戴するのでエンジンパワーを多少なりとも「持って行かれる」こと。
そして(機械的に駆動するので)ノイズが大きいこと。
さらには構造上の問題で回転数が上がったとしても大きなエアを送れないこと(ターボほどには扇風機の回転が早く出来ない)。
↓こちらはアウディのスーパーチャージャー

このあたりを考えると(高回転を多用し、高回転でこそパワーが必要な)スポーツカーへの装着はメリットが小さく、かつ排気量の小さなエンジンではパワーが喰われるということに。
よってアメリカンV8のような低回転高トルク型のエンジンとの相性が良いのかもしれません。

なおターボの欠点である「低回転での加給が難しい」、スーパーチャージャーの欠点である「高回転で過給圧を上げられない」という両方の欠点を補う「ツインチャージャー」というものも存在し、これはVWシロッコに搭載され、「凄いなこのエンジン」という印象。

スーパーチャージャーのメーカーとしては「イートン」が有名ですね。

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