ad-728





■TEST DRIVE(色々な車の試乗記) >ランボルギーニ・アヴェンタドール関連

【試乗】ランボルギーニ・アヴェンタドールS。全幅2M、価格5000万円超。何もが規格外のスーパーカーに乗る

2017/09/27

Pocket
LINEで送る

 

ランボルギーニは二台乗り継いだが、フラッグシップのV12モデルを運転するのははじめて。その衝撃とは

さて、ランボルギーニ・アヴェンタドールSに試乗。
実はぼくは(”S”含めて)アヴェンタドールに乗るのは初めて。
日頃偉そうにランボルギーニについて語っている割にはそのフラッグシップモデル、そしてランボルギーニのルーツとも言えるV12モデルを運転したことがなかったわけですね(昔にディアブロを一度運転したことがあるだけ)。

試乗をお願いしたのはランボルギーニ大阪さん。
アヴェンタドールはなかなか試乗車が出る車ではないのですが、ランボルギーニ・ジャパンのデモカーがやってくるチャンスがあり、今回待望のアヴェンタドールSに試乗させていただけることに。

アヴェンタドール、アヴェンタドールSについては下記にざっとその内容を記載しており、ここでは簡単にその概要についてのみ触れておきます。

まずは数字でアヴェンタドールSを見てみよう

アヴェンタドールSは「アヴェンタドール」の後継モデルですが、ダウンフォースが130%増加、エアロダイナミクス(効率)が50%向上、出力40馬力アップ、リアアクスルステアリング導入、可変ステアリング採用、マグネライドの採用、ドライブモードの設定変更(EGOの追加)といったところが主な(アヴェンタドールとの)相違点。
スペックは下記のとおりとなっています。

エンジン:6.5リッターV12 自然吸気
出力:740馬力
全長:4,797ミリ
全幅:2,030ミリ
全高:1,136ミリ
重量:1,575キロ
トランスミッション:7速ISR
最高速度:時速350キロ
0-100キロ加速:2.9秒

ガヤルド、ウラカンと二台ランボルギーニを乗り継いでいるぼくにとっても、やはり「ランボルギーニのV12モデル」は雲上の存在。
価格もそうですが、イメージ的に「ランボルギーニのV12」というと神格化に近いポジションでもあり、ある意味アンタッチャブルな存在ではないかと考えることも。

なぜアヴェンタドールSを買おうと思ったのか

それでも今回ぼくはそのアンタッチャブルな存在に手を伸ばそうと考えているところで、人生におけるチャレンジとしてランボルギーニV12モデルの購入を検討してみることに。

ちょっと話は逸れますが、ぼくにとっては2002年に購入した”はじめてのポルシェ”である「986ボクスターS」、2009年に購入したはじめてのランボルギーニである「ガヤルドLP560-4」はある意味で自分の人生のターニングポイントであったと考えていて、それまで「手に入れることはできない」と考えていた存在に手を伸ばし、それを手に入れようと努力することで自分自身の人生をステップアップさせてきた、と考えています。

ぼく自身なんら資産はなく、親兄弟も(親戚含めて)皆公務員で公務員宿舎住まいとなり、よって誰からのバックアップも受けずにここまで来たことになりますが、「ここまで来た」一つの証明がランボルギーニ・ウラカンで、「ここから先」に導いてくれるものがランボルギーニのV12モデルだと考えているわけですね。

要は「出来る範囲のことだけをする」「買える範囲のものだけを買う」ことは人生においては「停滞」と同義であり、たとえそれが傍から見て無謀であろうと「やってみる」「手に入れようと努力する」ことが重要だ、と信じています。
そういったことを教えてくれたのがポルシェ・ボクスターであり、ランボルギーニ・ガヤルドであったわけですね。
言い換えればあのときポルシェ・ボクスターを手に入れようと考えなかったら。
あのときランボルギーニ・ガヤルドを手に入れようと考えなかったとしたら。
きっと今のぼくは存在していないだろう、と思うのです。
そして今チャレンジしないと将来のぼくも存在しえないであろう、とも。

もうひとつ脱線覚悟ですが、ぼくのウラカンのボディカラー、「ビアンコ・イカルス」。
「イカルス」はギリシャ神話においては(ランボルギーニのボディカラーは星座=ギリシャ神話に因むものがほとんど)、自ら作った翼で太陽に近づきすぎて(翼を固定する)ロウが溶けて墜落ししますが、それと同時に「空を飛ぼうとし、それを成し遂げた勇者」として語られることも(日本だと愚か者と捉えられることのほうが多いけれど)。
そういったこともあってこのボディカラー”ビアンコ・イカルス”に愛着を感じて選択したことになりますが、要はぼく自身「前に進むのをやめない」「挑戦することをやめない」無謀な性格の持ち主であると言えそうです(たとえそれが失敗に終わったとしても)。

ぼくがこれまでに「自分の考えた仕様をポルシェにオーダーして作ってもらった」「同じく自分の考えたとおりの仕様でランボルギーニオーダーして」それを手に入れたという事実はこの先ぼくがどうなろうとも変わることはなく、ぼくにとってはひとつの自尊心のよりどころだとも考えています。

 

早速アヴェンタドールSに試乗してみよう

そんなわけでアヴェンタドールS。
5000万円を超える価格の車であり740馬力なので「ビビらない」わけはなく、そして畏れ多さを感じながらの試乗です。
まずはガルウイング(ディヘドラル)ドアを開けて車内へ。
乗り込むには多少のコツが必要と思われるものの、一気に乗り込もうとせずに一度サイドシルあたりに腰を降ろし、そこからお尻をシートにスライドさせる要領でシートに収まります。

室内はウラカンとも全く異なる印象で、「幅が10センチ広く、高さが3センチ低い」のでそれも当然。
センターコンソールは異常にデカく、やたらとたくさんのスイッチ類が並び、その様子はまさに「コクピット」。
ふだんウラカンに乗っている身からしてもそれは異世界から来た乗り物のように感じます。

シートやミラー類をあわせてセンターコンソールにあるスターターボタンのフラップを開けていざエンジンスタート。
ウラカンとは異なる甲高いセルモーターの音(マクラーレンF1みたい)とともにV12が背後でドカンと目覚め、「ああオレは今ランボのV12モデルに乗っているッ!」ということを再確認させられます。

操作系はウラカンと良く似ており(むしろガヤルドに近い)、右パドルを引いて1速にギアを入れてさっそくスタート。
ここで車が発進せず「ん?」となるのですが、アヴェンタドールのトランスミッションはISRであり、ウラカンのデュアルクラッチとは異なってクリープが無いことを思い出してちょっとだけアクセルを踏み車を発進。

も数メートル走ったこの時点で岩のようなボディ剛性を持つこと、そして足回りがケタ外れに硬いことがわかり、「中途半端な気持ちで運転してはいけない」ことも再認識。
ただしこれは「日頃ウラカンに」乗っているからこそ感じた内容でもあり(ウラカンは足回りが柔らかく快適)、ガヤルドと比べると「同じくらい」だと思われます。
※サスペンション(ダンパー)がマグネライドになったことで、アヴェンタドールSのサスペンションは(この硬さでも)それまでに比べて若干マイルドになったとされる

かつてガヤルドに乗っていたこともあって、ちょっと走るとシフトチェンジや足回りの硬さにもすっかり慣れてしまい、そのうち「全く気にならなく」なるほどに(むしろそれを楽しめる)。
なおパドルのタッチ、ウインカーレバーのタッチは適度なクリック感と重みがあり、これはウラカン、ガヤルドとも大きく異る部分。
アヴェンタドールのパドル、ウインカーは「高級感がある」とすら表現できる節度のあるタッチですが、ここは頻繁に操作する部分だけに非常に重要ですね。

これぞランボだ!V10モデルが失ってしまった荒々しさをアヴェンタドールSは持っている

とくにこのパドルを操作してのシフトチェンジは非常に楽しく、ウラカンがデュアルクラッチ化で失ってしまった「ガッツン!」と強力にクラッチが圧着するあの間隔を楽しむことができ、シフトチェンジのたびに「やっぱりシフトチェンジはこうでないとな」と感じる部分。

最初こそはクリープゼロ、シフトチェンジのタイミングに面食らったりしますが、慣れるとむしろ自分でそれらをコントロールし「クリープがあったり、デュアルクラッチの”やたら低いところで勝手に変速するオートモード”よりは走りやすい」とまで思うようになり、このあたりはアヴェンタドールの意外なフレンドリーさを感じるところです(けして排他的な車ではない)。

なお「オート」にして走るとどこで勝手に変速するのかが(試乗の間では)つかみにくく、よってパドルによる「手動変速」にして走ったほうがかなり快適。
アヴェンタドールのトランスミッションはシングルクラッチなので、変速時に一旦アクセルを抜いたほうがショックが少ないのですが、自動変速だと「アクセルの抜きどころがわからない」ので、手動で変速して同じタイミングでアクセルを抜くというパターンのほうがいい、ということですね。

ただ、これは市街地をゆっくり走る時の話であり、高速(高回転)域になるとアクセルを抜かずに変速したほうが良く、こういったシングルクラッチならではの「作法」もアヴェンタドールの面白いところ。

ちなみにエキゾーストの「フラップ」が開くタイミングは(ウラカンに比べて)思いのほか速く、けっこう低い回転数でも「爆音」に。
ウラカンはドライブモードを最も普通の「ストラーダ」にしているとなかなかフラップが開かず、このあたりのアヴェンタドールSにおけるセッティングは「実用的(ウラカンのフラップが開くほどの回転数だと確実に法定速度を超える)」とも言えます。

試乗コースはバラエティに富んでおり、比較的狭い街中も走りますが、ここで威力を発揮するのが「リアアクスルステアリング」。
低速では逆位相に後輪が動いて「小回りがきく」ようになるデバイスですが、これのおかげでかなりスムーズに街中を走ることが可能(交差点での展開も容易で、ウラカンより小回りがきくかも)。

慣れたところでアクセルを「少し」踏んでみますが、さすがに740馬力だけあって怒涛の加速。
今まで乗った車の中でも間違いなくトップレベルの加速を誇り、ただしマクラーレン650Sやフェラーリ488GTBなど「ターボ勢」とは異なる加速感で、NAならではの「気持ちいい」フィーリング。
ターボはある種の恐怖すら憶える急激な加速ですが、アヴェンタドールのV12自然吸気エンジンは「回転数とともに馬力が増してゆくのが分かる」扱いやすい特性だと言えます。

aventador

加えて特筆すべきは「4WDシステム」で、この恩恵によって加速体制に移ったとしても「フロントが浮かず」に前輪が路面を掴んでいる感覚があり、これは大きな安心感に繋がることに。
後輪駆動のミドシップ、リアエンジン車だと加速時にはほぼ例外なく「フロントが浮く」のでちょっとした不安を感じることになりますが、アヴェンタドールにはそれがないということですね(フロントエンジンのフェラーリF12でもフロントが浮く感覚はあった。なぜかマクラーレン650Sはフル加速でもフロントが浮かない。プロアクティブシャシー採用のため?)。



アクセルを踏むとまさに「ワープ」。この感覚は他の車では味わえない

そして安心感や安定感が高すぎるためにほぼ速度感が無く、そのために「思ったよりも速度が出てしまう」のも事実。
ぼくは法定速度遵守派なので無謀運転は行いませんが(ずっとゴールド免許)、それでもアヴェンタドールが「思ったよりも走ってしまう」のは事実。

というのも、下記は「おおよその」試乗コースですが、大阪には「東西(画像では横)」に走る道、「南北(画像では縦の赤い線)」に走る道が碁盤目のようになっています。
試乗では①松屋町筋→②堺筋→③御堂筋→④四ツ橋筋(赤い縦線)を青い横線のように突っ切ることになりますが、ぼくの中では「①松屋町筋から②堺筋」までしか走っていないつもりだったのに、実際は「③御堂筋」も超えて「④四ツ橋筋」に達していたという事実が発覚。

この道はよく通るのでこういった間違いをした経験はないのですが、正直「ワープ」したような感覚で、アヴェンタドールの試乗ということでぼくが舞い上がっていたせいもあるものの(法定速度での走行なので、なんらかの興奮状態がそうさせたと思われる)、「自分の感覚の倍くらいの距離を走っていた」ということに。

「ありのまま今起こったことを話すぜ」のポルナレフ状態ということですが、ぼく自身もこれにはびっくりです。

なお、アヴェンタドールにおいて、よく言われるのが「エアコン吹き出し口のショボさ」。
インテリアの斬新さに比べて「エアコン吹き出し口が普通すぎる」ということですが、ぼくとしてはこういった印象を持ったことはなく、むしろダッシュの境界線に埋め込まれた、目立たない優れたデザインだと考えています。

エアコン吹き出し口について、メルセデス・ベンツやアウディのように「ジェット戦闘機のバーナー風のデザインを採用し」目立つように配置するという手法がありますが、一方でアヴェンタドール、ポルシェでは新型パナメーラのように「目立たなく」する手法もあるということで、アヴェンタドールのエアコン吹き出し口は「あえて目立たなくした」ものだと考えています(ウラカンでは逆に特徴的なエアコン吹き出し口を持っており、ああいったデザインを行うチームがアヴェンタドールのエアコン吹き出し口で手を抜いたとは思えない)。

 

アヴェンタドールS試乗の印象をまとめるとこうなる

上で述べた他、ざっと試乗で感じた印象を記載してみるとみると下記の通り。

・ボディ全幅が2メートルを超える→見切りがいいのであまり大きく感じない
・後輪ステアリング機能装備でやたらよく曲がる
・ブレーキはポルシェ風の「真綿で締めるように」スピードを確実に殺してゆく(カックンではないので扱いやすい。ウラカンよりコントロール容易かも)
・液晶メーターは何度見ても格好良い
・ガルウイング(ディヘドラル)ドアはやはり魅力的
・足回りは硬いが、走行しだすとそれが安定感を生み出す
・凄まじい加速ながらもフロントが浮かずコントローラブル
・エキゾーストサウンドがナイス
・シングルクラッチはパドル操作を行うとショックが少なくコントロールしやすい
・ウラカンよりも後方確認は楽(ルーバーを通して後ろがよく見える)

これら勘案の上、5000万円以上を支払うだけの価値があるかと聞かれると、ぼくは「ある」と即答できる自信がありますし、その理由も(いくらでも)述べることができる、と考えています。
購入を検討しているのであればむしろ「買わない理由はない」とも言える車であり、これを所有することで体験できる世界というのは「所有前」では得られなかったものだろう、と想像。

ぼくもガヤルドやウラカンに乗ることで「今まで知ることができなかった」世界に触れることができたと考えていましたが、アヴェンタドールには「それを超えるだけの世界を見せてくれる」何かがあると思われ、スタイリング、サウンド、加速など含め、「こういった車を本当の”スーパーカー”と呼ぶんだろうな」と感じさせる車ですね。

ぼくの場合は現在ウラカンを所有していることでアヴェンタドールS購入の判断が難しくなっているものの、アヴェンタドールSにせよ、次期V12モデルにせよ、さらに購入へ挑戦する意欲が高まった試乗でした。

-■TEST DRIVE(色々な車の試乗記), >ランボルギーニ・アヴェンタドール関連
-, , , , ,