メルセデス・ベンツの開発部門責任者が今後の自動運転採用計画についてメディアのインタビューに答えていますが、それによると新型メルセデス・ベンツSクラスは「レベル2の自動運転を実現させており、レベル3の要件もほぼ満たしている」とのこと。
ただ、「完全に」これを満たすにはさらに多くのセンサー、カメラやレーダーとの複合制御など様々な技術的進歩を待つ必要がある、とも語っています。
加えて「レベル4」「レベル5」自動運転に関し、「あまりに高価になる」ために一般向けの車ではなく「タクシー向け」を目的に開発している、とも述べています。
もちろんタクシーもコストに非常に厳しい業界ではありますが、自動運転の導入で「運転手のコストがかからない」のであれば話は別で、喜んで自動運転を導入しそうな業界ではありますね。
なお、自動運転において気になるのは「事故発生の際の責任」。
幾つかのメーカーはその責任を追うとしているものの(自動運転の”レベル”によっても責任の所在は明確になりつつある)、無人タクシーが事故を起こしたり、それに搭載されるソフトもしくはハード、さらに言うとパーツのどこに原因があったのかによって事故時の責任は「パーツメーカーなのか、自動車メーカーなのか、サービス提供会社」なのかが変わってくると思われ、さらには「消費者への補償」が生じればかなり難しい問題となる可能性も。
そのため関連企業は相当な額の「保険」に加入する必要が出てくると思われ、それもまた自動運転技術の「コスト」として跳ね返ってくることになりそうです。
参考までに現在制定されている自動運転の「レベル」は下記の通り。
ドライバーが運転に関する全ての操作を行う。
レベル1
加速・操舵・制動のいずれかを車両側が行う(自動ブレーキ含む)。
レベル2
加速・操舵・制動のうち、複数を車両が行う。
アダプティブ・クルーズコントロールもこれに該当。
レベル3
加速・操舵・制動を全て車両が行うが、緊急時や自動運転システムの限界時にはドライバーが操作を行う。
なお事故時の責任はドライバー。
レベル4
完全自動運転を車両が行い、ドライバーは運転に関与しない、または存在しない。
レベル5
レベル4に加え、走行に関して限定条件がない「完全自動運転」。
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