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【試乗】アウディTT RSに乗る。おそらく「最も速く、最も快適に、最も気を使わず」目的地にたどり着けるクルマ

2018/06/05

| 最近のアウディは積極的にイベントを開催 |

さて、アウディTT RSに試乗。
アウディがRSモデルなど、ふだんなかなか試乗できない車両を集めて開催する「AUDI PREMIUM LOUNGE」でのテストドライブとなり、用意された車はRS5、R8、RS3、TTRS、Q7、SQ5、S4アバントなど。※場所は新阪急ホテル
ふだんTTに乗る身としては「TT RSがいかがなものか」が気になり、迷わず試乗車として迷わずTTRSを選択しています。

なおアウディは最近こういった試乗イベントのほか、様々な催しを開催するなど、プロモーションを強化しているようですね。

アウディTT RSはこんな車

アウディTT RSはそのコンパクトなボディに400馬力を発生する2.5リッターターボエンジンを押し込んだクルマ。
駆動方式はハルデックス5(4WD)で、0-100キロ加速は3.7秒。
この3.7秒というのは相当な数字で、メルセデスAMG GT Rやエンツォフェラーリと同じタイムを誇っており、要は「スーパーカー並み」ということですね。

アウディではTTを「リアルスポーツ」と定義しており、TTRSはそのトップレンジ。
TTシリーズのエントリーは「TT(471-638万円)」、その上は「TTS(776万円)」、そして「TT RS(989万円)」という構成となっています。※価格はクーペ

TTやTTSと異なるのは、出力ももちろんですが「トランスミッションが7段になる」部分で、これによって大きく加速力が向上することに。※アウディによるTTRSの製品ページはこちら

アウディTT RSの外観を見てみよう

ホイールはオプションの20インチ(255/30R20)。※標準だと245/35R19
切削加工とマットグレーの仕上げが高級感とスペックの高さを感じさせますね。

ブレーキは容量がアップされており、ブレーキローターもハウジング部が軽量化された専用品に。
ぼくはTTの数少ない弱点の一つに「ブレーキ」があると考えていて、この強力なブレーキはうらやましいと感じるところでもあります。

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フロントグリルは専用のハニカムで「グロスブラック」仕上げ。
かなり立体的な構造を持っているのが印象的で(最近モデルのレクサスに採用される新形状スピンドルグリルのように、三次曲面を持っている)、グリルフレームに「Quattro」のレターが立体で入るのが最新世代RSモデルの特徴(このデザインはしばらく続きそう)。

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リアウイングのステーは独特の形状ですが、ちょっと前のアウディにおけるハイパフォーマンスモデルはこんな感じであちこちに「スリット(隙間)」を入れていたのがひとつの差別化ポイント。
たとえばドアミラーのステーにもスリットが入っていたり、という感じですね。

このTT RSだと内装のドアインナーハンドルにもスリットが入っているものの、最新の「RS3」のドアインナーハンドルや外装にはこのスリットが見られず、このデザインは今後採用されなくなるのかも。

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アウディTT RSの内装を見てみよう

インテリアは基本的に「TT」「TTS」と同様のイメージではありますが、やはり各部が「差別化」。
欧州はもともと階級社会であったせいか(今でもそうか)、自動車メーカーはグレードごとに絶対的な差別化、つまり「越えられない壁」を設ける傾向が。

TT RSだとダッシュボードのエンボスが専用となり、メーターフードやセンターコンソールがレザーに、シートはスポーツ形状となってダイヤモンドステッチやパーフォレーテッド(穴あき)加工が施され、アルミの加飾が専用の仕上げになり、シフトノブやステアリングホイールにアルカンタラが使用される、といった感じ。

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ステアリングホイールについては、センターパッドがレザー張りになっていますが、特筆すべきはスポーク脇に設けられた「エンジンスタート/ストップボタン」。
これはRSモデルのみの特徴で、特別感が感じられる部分でもありますが、さらにその排他性を強調するためにドライブモード(アウディセレクト)のスイッチもやはりステアリングホイールへと移植されています(TTだと、これらはセンターコンソール上にある)。

なお、液晶メーター「バーチャルコクピット」の表示もTTS以上ではタコメーターをセンターにレイアウトできる特別なものへ。

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アウディTT RSで走ってみよう

さっそくTT RSに乗り込み、走ってみましょう。
クルマの見た目がぼくのTTとよく似ていて(同じベガス・イエローなので)インテリアカラーも同じ。
シートも大差ないため乗り込むときの姿勢やシートの感触、目に入る風景も大きく変わるものではありませんが、やはり驚かされるのはエンジン音。

スタートボタンを押した瞬間に2.5リッターターボエンジンが爆音とともに目覚め、「ブッポン!」とバブリングのような音も(ドライブモードの設定によって始動時の音は変わると思われる)。

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ドライブモードは「コンフォート、オート、ダイナミック、インディビデュアル」。
サスペンションやエンジンレスポンス、ステアリングホイールの重さ、シフトプログラムがこれに連動して変化することになります。

「コンフォート」だと全てがマイルドな方向に設定され、足回りは「スポーツサスペンション(固定式)」を持つぼくのTTよりも柔らかいほど。
ただし20インチホイール、超ロープロファイルタイヤ(なんといっても扁平率20!)という性格上、段差超え時には鋭い衝撃を感じることも。

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TTには慣れているということもあり、アウディセレクトを「ダイナミック」に入れますが、ここで当然ながらTT RSの性格が豹変。
足回りが難く、サウンドは勇ましく、そしてステアリングがぐっと重く。
クワトロシステム(4WD)の設定も変更されるようですが、正直これは限界でないと体感できないかもしれません(試乗中ではその変化がわからなかった)。

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試乗コースは街中を抜けて阪神高速環状線をぐるっと走るというものですが、直線やカーブがうまく混じっていてなかなかに楽しめる内容に。
法定速度内で、かつ他の車に迷惑をかけない範囲で車線変更や加速減速を繰り返しますが、「これが自分のTTと同じクルマがベースになっている」とは信じられないほど。

極端にロールが少なく、そして高いスタビリティを見せますが、ここまで「オンザレール」という表現がピッタリなクルマもそうそうないだろう、という印象。
ブレーキの効きも申し分なく、ぐっとブレーキを踏んでも大きなピッチングや姿勢変化を見せないのがいいですね。

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ハンドリングに関しても「正確」そのもので、切り足す必要も、切り足りないこともなく、まさに狙ったラインをトレースできる感じ。
まさに「俊敏」という表現がふさわしく、停車時からの出だし、加速、車線変更、減速すべてにおいて軽くシャープ、そしてダイレクトな印象があります。

シフトダウンしてアクセルを踏み込めば自然吸気エンジンのような甲高いサウンドを発して猛然と加速しますが、加速時にはフロントの駆動力が大きくなるのか「引っ張られる」ようにグイグイ加速し、FRやMRのように「フロントが浮く」印象がないのも高い安心感を得られるところですね。

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結局どうなのアウディTT RS?

総じて、「誰が、どんな環境で、どうやっても」速く走れるクルマであり、かなり特殊な部類のクルマだという印象。
ライバルは同門のポルシェが放つ「718ケイマンGTS(993万円)」になろうかと思いますが、そちらは365馬力、0-100キロ加速4.1秒。
スペックとしては完全にアウディTT RSが勝っており、しかし両者は(実際に運転した印象では)完全に対局にあると言ってもいいクルマ。

たとえばポルシェ718ケイマンGTSはある程度のロール、ピッチングを許容し、アクセルやブレーキの操作によって姿勢を変えることができ、速く走る(曲がる)には荷重を移動させることを考える必要があります(トヨタ86はこれに似ている)。
クルマとの対話を楽しめると言い換えてもよく、しかしある程度のスキルが要求されるクルマでもありますね。

一方でアウディTTRSは荷重移動など気にせずにアクセルをガツンと踏んでステアリングホイールを回せば思ったとおりに、しかしとんでもない速度で曲がってしまうクルマ。
クルマと対話するというよりも、操作に対して絶対に裏切らない反応を示す、忠実かつ高性能な機械という印象です(スバルWRX STIはこれに似ている)。

正直なところこれは良し悪しの問題ではなく好みや、使う場面によって判断が分かれるところ。
個人的な意見を言わせてもらえれば、「毎日乗る(もしくは通勤などで乗らなくてはならない)」のであればアウディTT RS(目的地までこれほど快適に、これほど速く、なんの気を使うこともなくたどり着けるクルマはアウディのRSモデルをおいて他にない)、他にクルマがあって休みの日に「運転することを目的に」クルマを出せる環境にあるのであればポルシェ718ケイマンGTSを選ぶだろう、と考えています。

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