ミニがフランクフルト・モーターショーに向けて「ジョンクーパーワークスGPコンセプト(John Cooper Works GP Concept)」のティーザー動画を公開。
「ジョンクーパーワークス=JCW」は現在ではミニのスポーツディビジョンであり、BMWでいう「M」、メルセデス・ベンツでは「AMG」に該当する部門。
ハッチバック、クラブマン、クロスオーバーなど各モデルにも「ジョンクーパーワークス」としてハードコアモデルがラインアップされているものの、「GP」と名がつくモデルはひときわハードコア。
2012年(日本だと2013年)に発表されたR56世代の「ジョン・クーパー・ワークスGP」は218馬力(JCW比+5馬力)化、エアロキットによる+60キロのダウンフォース増加、そしてなんと”2シーター化”がなされた過激なモデル。
価格は460万円と高価ですが、200台の限定台数は瞬時に売り切れた人気モデルでもあります。
今回の「ジョンクーパーワークスGPコンセプト」はこれまでのGPモデルに比べてもずっと過激で、1967年のモンテカルロ・ラリー出場車をモチーフにしたという外観はまさにレーシングカー。
大きなフロントスポイラーとレッドアクセントの入ったグリル、前後には拡大されたフェンダー(とくにリアフェンダーは巨大でエアロパーツと一体化)、ルーフ上のエアスクープ、サイドウイングが大きな特徴。
リアディフューザー、リアウイングも巨大なサイズとなっており、さらには立体的な構造を持っていますね。
なおテールランプは先日発表された「ミニ・エレクトリックコンセプト」同様にユニオンジャックを模していますが、続けてこういった意匠を採用するということは、今後のミニにこれが反映される可能性が大きい、ということも示唆していそうですね。
ミニが量産EVを示唆する「エレクトリック・コンセプト」発表。2019年にこれに近い姿で発売?
内装もスパルタンで、バケットシートはもちろんロールケージ、5点式ハーネス、デジタル式メーターなどレーシングカー的雰囲気満載。
なおシート素材はポリエステルメッシュのような感じですが、最近のハイパフォーマンスカーでは(フェラーリやポルシェでも)こういった新しい素材の使用が見られ、「レザーに代わる」素材として今後増えてゆくものと思われます。
レザーは動物に対する負荷が大きく、「非レザー素材」の使用拡大は動物愛護の側面からも好ましい傾向で、こういった「人工素材」のほうが柄や立体による「ブランドごとの特徴」を出しやすいため、デザイン的にも機能的にも優れている、とぼくは考えています。
ミニが新たに「ジョンクーパー・ワークスGP」の投入を考えている模様。
これはメディアの「今のF56世代にジョンクーパーワークスGPは登場する?」との質問にミニ・ブランドの責任者が「たぶんね」と答えたもので、結構現実性は高そうな感じ。
「ジョンクーパーワークスGPはミニ・ブランドにとっても重要な一台で、過去にも発売してきており、今後発売しない理由もない」ということですが、もし今回発売になるとすれば、ライバルたちがどんどん過激になっているという現状を踏まえると、新ジョンクーパーワークスGPも相当に激しくモディファイされるものと考えられます。
先代(R56)「ジョン・クーパー・ワークスGP」は2013/2/3に200台限定(世界では2000台)、460万円にて発売されたミニのスパルタンモデルで、JCW比+5馬力と控えめな出力ながらも、なんと「2シーター」にしてしまったことが特徴。
リアシートのある部分には剛性向上のためタワーバーを装着し、ドライカーボン製のリアスポイラーやディフューザーを装着して60キロのダウンフォースを獲得したというサーキット走行をメインに考えた車で、ミニ史上でも他に例を見ない過激な車。
VWゴルフGTIクラブスポーツS、アバルト695ビポストのようなハードコアモデルということになりますが、「変態」の部類に属する一台です。