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【試乗:アウディQ5】外観はキープコンセプト、中身は激変。これ一台であらゆるシーンをカバー

2017/12/17

見た目よりも変わったのは中身

フルモデルチェンジを受けたアウディQ5に試乗。
新型Q5はメキシコ工場での生産ということ、プラットフォームが一新されたことが大きな特徴。
まず、新型アウディQ5のスペックはこんな感じ。

ボディサイズ:全長4680/全幅1900/全高い1665ミリ
エンジン:直42リッターターボ
出力:252馬力
トランスミッション:7AT(Sトロニック)
駆動方式:4WD(クワトロ)
重量:1820kg
タイヤサイズ:235/60R18
価格:6,620,000円(Q5 2.0 TFSI quattro)/6,910,000円(Q5 2.0 TFSI quattro sport)/8,920,000円(SQ5)

まずは新型アウディQ5の外観を見てみよう

新型Q5を見た第一印象は「あまり旧型(先代)との変化はないな」というもの。
先代Q5はアウディにとって大変な稼ぎ頭であり、A3やA4に次ぐ出荷台数を誇りますが、価格を考えるとそれらよりも大きな利益をもたらすモデルだと考えられ、よってアウディとしては「大きく変えないほうがいい」と考えたのかもしれません(そうすると中古市場の下落も多少なりとも防げ、Q5全体のイメージを保持できる)。

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ただしヘッドライトやテールランプなどアウディ得意の「光りモノ」は最新のものが与えられ、フロントグリルもアルミ調のフレームがついた「烏天狗」ルックになって「最新世代」へ。

サイドにもA5やTT同様のプレスラインが設けられていますが、相変わらずアウディのプレスラインの「曲げ」精度と角度は群を抜いており、これは他社の追随を一切許さないところですね。
もちろん昔からこだわっている「チリ」の狭さも一級品で、これは他メーカーの車と並べると一目瞭然。
たとえばアウディ以外の車に乗ってアウディディーラーを訪問し、最新のアウディに囲まれると「かなり自分の車のチリが気になる」ことに。

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最近のアウディは上述のように「エッジの立ったプレスライン」が一つの特徴ですが、Q5ではフロントフェンダー/フロントドア/リアドア/リアフェンダー、と4つのパネルの「プレスライン」が見事に連続。
なかなかこういった品質を持つ車はなく、よって殆どのメーカーはこういった「パネル間にまたがる、連続するプレスライン」を避けるものですが、アウディはそれだけ「自信がある」のでこういったデザインを採用しているのでしょうね。

なお、こちらの展示車は「スポーツ」グレードなのでちょっと張り出したアンダー周りをもっています。
これは「路面から跳ね上げた水など」をブロックし、ボディが汚れるのを防いでくれそう(その意味でもスポーツグレードを選びたいと思ったほど)。※バンパーのアンダー中央部は、実際の役割は果たさないと思われるものの、ディフューザーのような形状となっていてちょっとカッッコイイ

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新型アウディQ5のインテリアを見てみよう

次いで新型Q5の内装。
こちらも先代から大きく変更されたという印象はありませんが、あらゆるパーツが最新世代のもの、そして線と面を強調した、洗練されエッジの立ったものに置きかえられています。

バーチャルコクピット(液晶メーター)はオプションで、通常だとこれまで通りアナログメーターが2つ、そしてその間に液晶表示が設けられるという仕様となり、そこには標準装備となるアダプティブクルーズコントロールなどの情報が表示されることに。

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実際にシートに座ってみると、サイドのベルトライン、フロントウインドウの下端(とダッシュボード)が低いのでかなりオープンなイメージがあり、実際の数字以上に「背の高い車」のようにも感じられ、つまり「見晴らしの良い車」。
このあたりは同乗者にも喜ばれそうですね。

アウディQ5で走ってみよう

キーはTTと同じく最新の形状となっており、ドアをアンロックしてQ5へ乗り込みます。
気づいたのはシートの座面は意外と低いということで、これはレンジローバー・イヴォークよりもかなり低く、ある意味では乗用車的。
新型Q5はVWアウディグループのキモ入りプラットフォームであるMLB"Evo"を使用していますが、MLBプラットフォームはA4などにも採用されるもので、もともとSUV用ではないためにこういった「シート位置」となっているのかもしれません(もしくは最低地上高があまり高く設定されていないか)。

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センターコンソールにあるエンジンスタートボタンを押してエンジンスタート。
かなり振動やノイズが抑え込まれているのがわかり、さすがはアウディにおける最重点車種、と思わせるところでもあります。
そしてシフトレバーをDレンジに入れてパーキングブレーキを解除して路上に出ることに。

乗り味はスムーズそのもので路面からの衝撃をほぼキャビンには伝えない印象。
試乗車は「Q5 ファーストエディション」なので20インチサイズのタイヤ/ホイールを装着していますが、こういった「乗用車のプラットフォームを利用したSUV」にありがちな、不快な突き上げや揺すられる印象はナシ。

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乗用車の車高を上げると重心が上がって挙動が不安定になり、それをカバーするために足回りが固くなったりするのですが、そうなると乗り心地が悪くなるので今度はダンピングを弱める車も多く、となると今度は揺れが収まらなくなったり、という支離滅裂な足回りになることも。

実際にそういったSUVも少なくないのですが、アウディはさすがに(乗用車ベースの)SUVを作り慣れており、Q5も2代目ということもあって、この部分はかなり研究されているようですね。

エンジンは2リッターながらも252馬力(先代比で+32馬力)、車体重量は逆に70キロも減っており、そのために加速は俊敏そのもの。
いつも乗っているアウディTT(2リッター234馬力)よりも出だしやそこからの加速に優れるという印象で、「TTよりキビキビ走るんじゃないか」という印象です。

なおトランスミッションは7速Sトロニック、つまりデュアルクラッチですが、これはTTよりも「一段多く」、下のギアではクロスレシオになっているために「加速に優れる」と感じさせるのだと思われます。
変速ショックについてもかなり小さく(というか皆無)、パワートレーンが非常に優れている車だという印象。

なお、車内におけるノイズやバイブレーション、ハーシュネスは速度を上げたりエンジン回転数を高めても「そのまま」、つまり非常に低いレベルに抑えられたまま。

車の挙動も同じで、速度域が高くなっても動きに破綻がなく、あらゆる速度域で安定した加速やコーナリングを示す、という感があります。
ブレーキについても同様で、確実にスピードを落とすことができ、停止する際にも「ピタリ」と寸分の狂いもなく狙ったところへと停めることが出来るようですね。
加えてブレーキにナーバスさはなく、「安心してラフにブレーキを踏める」車でもあります(ガクンという挙動を示すシーンがない)。

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実際どうなのアウディQ5?

(インゴルシュタットから移管され)メキシコ産ということで一抹の不安はあったものの、アウディからすると「絶対に失敗できない車」であり、本国生産と同じ品質を備えているであろうことは間違いのない車。
むしろ生産地の移転でコストが下がり、その下がったコストを車の魅力向上に充てていることも明らかで、その静粛性や快適性の向上は特筆すべきものがあります。

加えてエンジンもパワフル、トランスミッションも出来の良いデュアルクラッチ、駆動方式はクワトロ(通常はFFで、プロペラシャフトすらその時は回転しないように制御される)と動力性能もかなり高いレベル。

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サスペンションもよくできていて、背の高い車、大きなタイヤを持つ車であるにもかかわらず、タイヤ/ホイールの質量を感じさせずに衝撃を吸収し、かつピッチやロールもしっかり抑えられている、と言えます。

ハンドリングは俊敏でスポーティ、室内は快適ということで「スポーツカーの運動性能とサルーンの心地よさ」を持つ車と言える車であり、そこに安全性がプラスされ、非常にコストパフォーマンスが高い車でもありますね。

どんな状況でどう乗っても、まず期待を裏切らないパフォーマンスと快適性を発揮してくれる車であり、まさにオールマイティ。
これまで以上のヒットになる可能性を感じさせる車であったと思います。

アウディはそのブランドイメージ的にやや中途半端なところがあり、メルセデス・ベンツの「圧倒的高級」イメージ、BMWの「スポーツ」イメージに対してアウディは「先進的」「なんとなく高品質」という感じで押しが弱いのも確か。
しかしながらその「先進」「品質」においては近年加速度的にレベルが上がっており、これらが大きな魅力となる日も近そう。

そしてQ5はアウディの目指す方向性が非常にわかりやすい車でもあり、メルセデス・ベンツGLC/GLE、BME X3/X4やレクサスRXあたりを検討している人は一度試乗し、比較対象に加えてみるのも悪くないのでは、と思います。

こちらはショールームに展示してあったアウディA5

これはアウディA5の限定車で、グリルやウインドウモールをブラック仕様としたもの。
フロントバンパー左右のエアインテークからフロントフェンダー内部へとちゃんとエアを流す構造を持っています。

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シルバーのパーツが減ることで「アウディらしくない」印象があるものの、ぼく的にかなり気になった一台。

A5のプレスライン、パネルの合せ目も「恐ろしいまでに均一」。
やはりこの「ピッタリ感」はアウディ以外だと絶対に出せない、と感じるところ。

ホイールがブラックであればさらに格好良さそう。

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相変わらず造形にこだわったヘッドライト。
とくにジャーマンスリー間での「ライティング競争」は激化しているようですね。

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