| そもそも「PDK」って? |
ポルシェが公式にて、「PDK」とは何を意味するのか、という動画を公開。
PDKとはドイツ語で「Porsche Doppelkupplungsgetriebe」、日本においては「ポルシェ・ドッペルクップルング」と表記されており、英語だと「Porsche Dual-Clutch Transmission」。
つまりは出力軸が2本あり、クラッチもそれぞれ2つあるトランスミッションを意味します。
ひとくちに「AT」と言っても多くの種類がある
トランスミッションにはいくつか種類があり、ひとつは「マニュアル・トランスミッション」。
御存知の通り手動でギアを選ぶものですね。
そして二つ目はクラッチを自動化した、いわゆる「シングルクラッチ(ロボタイズドMT/セミAT含む)」と呼ばれるもので、ランボルギーニだと「eギア」、フェラーリの「F1マチック」、マセラティ「カンビオコルサ」、ルノー「イージーシステム」、シトロエン「ETG」など。
単にクラッチを自動化したのみで変速自体は「手動で行わねばならない」もの、そして「変速自体も自動で行ってくれるもの」等が存在します。※このあたり技術や機構の進歩にて定義と境界が曖昧にになってきている
なおポルシェも自動クラッチの派生として「スポルトマチック」を採用したことも。
そのほか「トルクコンバーター式AT」「CVT」などがありますが、「PDK」のような「デュアルクラッチ(ダブルクラッチ、ツインクラッチとも)」はトルクコンバーターやCVTのようなプーリーを用いないという点において、「マニュアル・トランスミッション」「シングルクラッチ」の流れと同じところにあるとも言えそうです(最近ではトルクコンバーターを使用しているものもある)。※AMGのコンテンツ「パワーデリバリー」がわかりやすいかもしれない
「AT」と「デュアルクラッチ」は似て非なるもの
その意味では、ぼくは分類上同じ「AT」といえども「MT」の延長線上にある「シングルクラッチ」「デュアルクラッチ」は支持するものの、トルクコンバーターを用いたATに対しては一定の距離を置きたいとも考えています(スポーツカーにトルコン式ATを採用するメーカーに対しても)。
ただ、BMWによるとトルコン式ATはもはやMT、デュアルクラッチを凌ぐとしており、ここはぼくが考える以上に技術の進歩が早いということなのでしょうね。
なお、ポルシェと「デュアルクラッチ(ポルシェではPDK)」との歴史は古く、1983年にレースカーであるポルシェ917に採用されたのが最初。
ただし当時は信頼性が低く、重量もかさむために「使い物にならない」と言われたことも。
しかしながら現在では「PDKでないと速く走れない(911GT3ではPDKのほうがMTに比べ、0-100キロ加速において0.4秒も速い)」というのが常識で、常に時代は変化している、と言えそうです。
なお、この「デュアルクラッチ」の呼び方はメーカーによって(同じ機構を採用していても)異なり、ポルシェでは「PDK」、フォルクスワーゲンでは「DSG」、フェラーリは「DCT」、ランボルギーニは「LDF(ランボルギーニ・ドッピア・フリッツィオーネ)」、アウディでは「Sトロニック」といった感じ。
それでは動画を見てみよう
こちらがドイツ語で正確な発音を教えてくれる動画、「What does Porsche PDK stand for? | Porsche answers your most popular questions.」
ドイツ語は難解で硬い響きがある
なおドイツ度の難解さは4chでも有名で、下記のような画像もよく知られるところ(蝶やじゃがいも、デイジー、シンデレラなどを世界各国語であらわしたもの。ドイツ語のみが異彩を放っている)。